2014年05月09日

よろず帆船人突撃インタビュー 【53】 練習帆船<海王丸>元船長 荒川博さん

<海王丸>元船長といえば、以前国枝佳明さんにもご登場
いただきましたが、今回は国枝さんの先生でいらした
荒川博さんです。荒川さんのお散歩コースのある、緑豊かな
武蔵野市体育館のカフェでお話しを伺いました。

荒川キャプテン かるた解説.jpg 船と海かるた レクチャー.jpg
船の科学館 読書ルームで行われたイベント
「船と海かるた」でレクチャー下さる荒川さん


荒川博さんプロフィール
ご生年:1931(昭和6)年
ご出身:東京都
旧制中学を卒業後、高等商船学校に入学。卒業後は川崎汽船
に入社。内航船勤務、陸上勤務などを経たのち
航海訓練所に出向し、練習船<銀河丸><日本丸>などで
後進の指導にあたる。<進徳丸><青雲丸><海王丸>の
船長を歴任した後、航海訓練所所長。

おそれ多くも、当「よろず帆船人」No.29にご登場下さった
元<海王丸>キャプテン、国枝佳明さんは教え子。
「人と船そして海」「いろはかるた船と海」「姉妹と昭和
の海」など著書多数。ご趣味は雑学とお散歩。


以下、
荒川博さん:HA
Salty Friends:SF
文中<ポン丸>=<日本丸>、<海王>=<海王丸>

【SF】いつも皆さんに伺っているのですが、まず何故
   船乗りになろうと思われたのですか?

【HA】ぼくは4人兄弟の長男なんですが、かけソバ一杯
   30円だった子供の頃は、生活が苦しくてね。
   当時の高等商船学校は、奨学金も良かったし、食費
   以外は基本的に月謝なし。さらに船会社に入れば、
   米のメシも食えるし外国にも行ける!という理由で
   商船学校を選んだんです。
   次元の低い話ですいません(笑)。

【SF】とんでもない!(笑)そういえば、今までお話を
   伺った方のなかで「外国に行けるから」という理由で
   船員という職業を選ばれた方は、意外と多いですね。
   それだけ一昔前は、海外旅行が高嶺の花だった
   ということでしょうか。

   荒川さんは、帆船では船長を務められた<海王丸>
   だけでなく<日本丸>にも長いこと乗っていらし
   たんですよね?
 
【HA】僕はもともと<日本丸>育ちなんですよ。学生時代 
   はまるまる一年、航海訓練所に出向して三等航海士
   から次席、一等航海士にいたるまで、ずーっと
   <ポン丸>でした。トータル7、8年になるかな?
   <海王>の船長になったのは、専任教官として1年半
   務めたあと、昭和59年から60年にかけてです。

   学生時代、ぼくの一つ上の学年は朝鮮戦争世代。
   <ポン丸><海王>は太平洋戦争中の昭和18年、
   2隻ともヤードを下ろして機船状態で実習していました。
   帆走を再開したのは、昭和27年だったかなぁ。

荒川さん 5.jpg
乗組員がヤードに上って挨拶する「登檣礼」(とうしょうれい)は
帆船時代、相手に対して戦意がない(=大砲に人がついていない)
ことを示すために行われていた慣習。現在は出入港時の最高儀礼。


【SF】太平洋戦争中は、ヤードを降ろして石炭運搬船に
   身をやつしていたこともありましたよね。でもその
   お陰か、ドイツの<ゴルヒフォック>やロシアの
   <クルゼンシュテルン>のように、進駐軍に接収
   されなかったのは幸いでした。

   ところで2013年、とうとう大阪の<あこがれ>も
   <海星>同様、セイルトレーニング事業を廃止しました。
   (2014年5月現在、元<あこがれ>はNPOグローバル人材
   育成推進機構所属<みらいへ>として運航準備中)
   日本を代表する<ポン丸><海王>に対してさえ、
   「2隻もいらない」という声もあるようです。
   このような寂しい日本の現状については、どうお考え
   ですか?

【HA】いま航海中の<海王>二世を建造する時にも「今さら
   帆船なんて」という声はありました。でも「無駄の効用」
   というか、すぐには効果が出なくても、後々かならず
   役に立つことってありますよね?
   私が乗っていた時には「甲板係」や「副直」という担当を
   学生の中から選んでいましたが、これが航海だけでなく
   みんなの生活全般の面倒をみるといった、とても責任のある
   職務なんです。

   最初はぎこちなくてナヨナヨしていたのが、段々変わって
   きますね。成長して自主的になっていく。全員が一つに
   まとまって作業することに、すごく意欲的になってくるようです。
   もちろん、同じような効果は汽船でも見られますが、帆船の方が
   操船が難しい分、顕著に表れるのかもしれませんね。
   当然ですが、学生を飽きさせないよう、教官達も一生懸命
   勉強するんですよ。

   私は、自然は「師善(しぜん)」だと思っています。先生は
   おてんとう様、そして船は道場。我々はそのお手伝いを
   しているだけです。

【SF】おぉーーー!!もうインタビュー終わってもいいくらいの
   名言ですね(笑)。深いです。
   さて、荒川さんは30年近く海の上でお仕事なさっていた
   訳ですが、とくに印象に残っている出来事などありますか?
   
【HA】そうですね、いろいろありますが、そういえば<青雲丸>の
   船長だったときに、夜、大阪から横須賀に向かう航海中、
   潮岬沖で人命救助をしたことがありましたね。
   11月で風が強く、シケていたためにバージ(台船)を
   引っ張っていたタグボートが転覆したんです。

   夜7時半ごろだったと思いますが、当直が点滅している
   遭難信号を発見。すぐに現場に向かうと、救命ボートで
   乗組員4名が漂流しており、なんとか救助しました。
   荒れた海で光る点のように小さな光なんて、よほど気を
   付けて見ていても見過ごしてしまいますよね。実際、
   何隻も近くを通ったのに気づいてもらえなかったそうで、
   うちの当直がたまたま見つけられたのは幸いでした。

荒川さん 海王丸028.jpg
力をあわせてロープを引く!


   そうそう、<海王>の船長だった時にもいろいろありましたよ。
   ハワイへの遠洋航海訓練中、風に恵まれ帆走だけでかなりの
   距離を走り、もうちょっとでホノルルだという頃のことでした。
   大船渡から漁に出ていたイカ釣り漁船で、大ケガした人がいる
   ので手を貸してやって欲しい、と海上保安庁から連絡が入り
   ましてね。

   うちはドクターを乗せているでしょ。急遽、帆を畳んで変針し、
   救助に向かいました。応急処置をした後、ご本人は飛行機で
   帰国しましたが、後でドクターから聞いたところでは、その方の
   ケガは結構深刻な状態だったとか。大事に至らなくて本当に
   良かったです。

   でね!話はまだ終わらないんです(笑)。それから何年か経って
    <海王>二世を建造する計画が持ち上がり、一般から寄付を
   募ることになった時のこと。そのホノルル近くで助けた
   漁師さんが、あの時世話になったからと、なんと10万円も寄付
   して下さったんですよ!びっくりしました。

【SF】まさに「情けは人の為ならず」・・・。TVドラマみたいな
   展開ですね。乗っていた学生さん達にとっても、人命救助
   なんて、めったにできない貴重な経験になったのではない
   でしょうか。

荒川さん 20,7,84034.jpg
遠洋航海訓練で訪れたハワイでパレード。


【HA】本当にそうです。あと<日本丸>に乗っていた時には、
   アメリカの核実験にも遭遇しましたよ。当時私は次席二等
   航海士で、学生たちにちょっとカツを入れようと、
   救助艇操練をやっていた時のことでした。ハワイから
   日本に帰るとき、出航して1日めか2日めの午後だったかなぁ。

   ジョンストン島の近くを航行中、飛行機が飛んできて、
   我々の頭上をぐるぐる回り、何かを落として飛び去って
   行きました。何だろうと回収してみると、中には色々な
   国の言葉で(日本語はありませんでしたが)「貴船は
   危険に向かっている。大至急もと来た方へ引き返せ」と
   書いてあるじゃないですか!

   大急ぎで操練中のボートを収容し、全速で北上中、
   翌日の深夜(昭和33年7月31日、船内時間23時45分頃)
   空を見るとキノコ雲が!!アメリカ、ジョンストン島での
   水爆実験です。折しも雨が降り出し、慌てて学生達に
   デッキハウスの中に入るよう指示しました。

【SF】なんと、荒川さんと<ポン丸>の皆さんも危機一髪
   だったとは!皆さん、ご無事で何よりでした。
   しかし荒川さんからは、本当にエピソードがエンドレスで
   出てきますね!(笑)何時間あっても足りないです。
   またぜひ、お話を伺わせて下さい!

         インタビュー:Qたろー
荒川さん Miss Inter035.jpg
沖縄で開催された海洋博で、ミス・インターナショナルの
美女たちと♪


荒川さんには、船の科学館の読書ルームでイベントを催した折にも
大変お世話になりました。そのほかSalty Friendsのボラチームを
対象としたワークショップ「荒川塾」では、帆装貨物船<パドゥア>
(現<クルゼンシュテルン>)の南米ホーン岬をまわった航海を
描いたスケッチ集「Sailing Round Cape Horn」(G・T・シュルツ作)
を題材にレクチャーして下さったことも。

荒川さんの引き出しには、海や船に関することがいーーっぱい
詰まっていて、ほんとうに次から次へとエピソードが尽きません。
たくさん上梓されたご著書も、みんな面白いですよ〜!
ぜひご一読下さい。
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2012年06月24日

☆ SaltyFriends通信 81号 ☆

OoOoOoOooooo  ooooOoOoOoOoooooooo  
o☆oOo           oooOoOoOooooo
Ooo                             
o   〜 帆船で海、行く? 〜
   
     ★★ SaltyFriends 通信 ★★ 81号   2012.6.26

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〜〜〜〜〜〜〜〜帆船の最新情報は ⇒ http://saltyfriends.com 〜〜
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またまた、久々の発行となってしまいました。
今号では発行していなかった期間のいろいろを年報としてアップしてます。

とりあえず、年内にもう一度発行することを夢見て、今回も楽しく出航で〜す!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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■■ 目次 ■■

┏┓
┗■ 6月のSaltyFriends通信 ==================

┏◆ 《 スターボード & ポートカレンダー 》

┣◆ 《 CH16 》

┣◆ SaltyFriends 年報2011

┣◆ ロシア帆船Nadezhda<ナジェージダ>見学レポート 
┃ By SFボラチーム ぐんそう
┣◆ 南十字星の下、三色旗ひるがえし 南米帆船レース
┃ Velas Sudamerica2010 参加レポート その4 By Qたろー
┣◆ よろず帆船人突撃インタビュー[52]船舶海洋画家 野上隼夫さん

┣◆ おススメ☆彡塩本「チムとゆうかんなせんちょうさん」[2] By みっきー

┗◆  大阪市帆船「あこがれ」によるセイル・トレーニングと
                  学校シンポジウム レポート by ふっくん
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□■ カレンダー ■□

OOoo.. "生"の帆船&オカのイベントのカレンダー。
「こんなのありますよー」というみなさんからの情報お待ちしています!
stbd@saltyfriends.comまでお寄せ下さい。..ooOO

◇◇◇◇◇◆◇  スターボード:@フネのイベント  ◇◆◇◇◇◇◇
………………………………………………………………………………………
--------------------------≪国内&近隣≫--------------------------
船フネに乗る!

▽帆船<あこがれ>
……………………

【入門型コース】
06/30(土)-07/01(日)   1泊2日コース [大阪南港〜大阪南港]
07/07(土)-07/08(日)  1泊2日コース [大阪南港〜大阪南港]
07/10(火)-07/12(木)  2泊3日コース [大阪南港〜大阪南港]

▽帆船<海王丸>
……………………
2012年
位置情報■国内体験航海
07/30(月) - 08/02(木) 3泊4日 [室蘭港〜酒田港](参加料:30,000円)
08/06(月) - 08/09(木) 3泊4日 [酒田港〜富山港](参加料:30,000円)
08/25(土) - 08/28(火) 3泊4日 [門司港〜神戸港](参加料:30,000円)
10/16(火) - 10/19(金) 3泊4日 [清水港〜神戸港](参加料:30,000円)

船フネを見に行く!

◆セイルドリル(展帆)を見に行く
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07/16(月・祝)    "初代"<日本丸>総帆展帆     [横浜]
07/16(月・祝)    "初代"<海王丸>総帆展帆     [富山]
07/29(日)      "初代"<海王丸>総帆展帆     [富山]
08/05(日)      "初代"<日本丸>総帆展帆     [横浜]
08/12(日)      "初代"<海王丸>総帆展帆     [富山]
08/26(日)      "初代"<日本丸>総帆展帆     [横浜]
09/09(日)      "初代"<日本丸>総帆展帆     [横浜]
09/23(日)      "初代"<日本丸>総帆展帆     [横浜]
09/23(日)      "初代"<海王丸>総帆展帆     [富山]
10/07(日)      "初代"<海王丸>総帆展帆     [富山]
10/14(日)      "初代"<日本丸>総帆展帆     [横浜]
10/28(日)      "初代"<海王丸>総帆展帆     [富山]
11/04(日)      "初代"<日本丸>総帆展帆     [横浜]

☆ "初代"<海王丸>展帆ボランティア募集中!
問い合わせ:財団法人 伏木富山港・海王丸財団 海事課
http://www.kaiwomaru.jp/han_kaiwomaru/volunteer/

☆ "初代"<日本丸>総帆展帆ボランティア募集中!
申込締切:平成23年3月15日(火)必着
問い合わせ:帆船日本丸記念財団・JTB共同事業体
http://www.nippon-maru.or.jp/membership/nipponmaru.html

………………………………………………………………………………………
-----------------------------≪海外≫-----------------------------

"Tall Ships Challenge - Atlantic Coast 2012" - Organized by Tall Ships America

05/03 - 05/07 《米国》: ジョージア州サバンナ
  →【レース #】→
05/26 - 05/28 《米国》: ニューヨーク州グリーンポート
  →【レース #】→
07/06 - 07/09 《米国》: ロードアイランド州ニューポート
  →【レース #】→
07/19 - 07/23 《カナダ》: ノバスコシア州ハリファックス
07/24 - 07/29 《カナダ》: ノバスコシア州周辺港

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"The Tall Ships Races 2012" - Organized by Sail Training International

07/05 - 07/08 《フランス》: サン・マロ
  →【レース1】→
07/19 - 07/22 《ポルトガル》: リスボン
  →【レース2】→
07/26 - 07/29 《スペイン》:カディス
  →【クルーズインカンパニー】→
08/10 - 08/13 《スペイン》: ア・コルーニャ
  →【レース3】→
08/5 - 08/08 《アイルランド》: ダブリン

ひらめき◆アイリッシュ・シー トールシップス レガッタ
08/23 - 08/26 《アイルランド》: ダブリン
08/30 - 09/02 《イギリス》: リバプール

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"The Culture 2011 Tall Ships Regatta" - Organized by Sail Training International

08/18 - 08/21 《リトアニア》: クライペダ
  →【レース1】→
08/26 - 08/28 《フィンランド》: トゥルク
  →【レース2】→
09/02 - 09/05 《ポーランド》: グディニャ

イベント◆バルティック セイル 2012
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"Baltic Sail 2012"
07/05 - 07/08 《ポーランド》: グダンスク Sail Gdansk
07/27 - 07/29 《リトアニア》: クライペダ Sea Festival Klaipeda
08/03 - 08/05 《ポーランド》: シフィノウィシチェ Sail Swinoujscie
08/09 - 08/11 《スウェーデン》: カールスクルーナ
08/09 - 08/12 《ドイツ》: ロストク
08/17 - 08/19 《ドイツ》: ザスニッツ

ひらめき◆第28回 グロースター スクーナー フェスティバル
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08/31 – 09/02 《米国》マサチューセッツ州グロースター

ひらめき◆グレート プロヴィンスタウン スクーナー レガッタ 2012
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09/01 – 09/07 《米国》マサチューセッツ州プロヴィンスタウン

◇◇◇◇◇◆◇  ポート:@オカのイベント  ◇◆◇◇◇◇◇
………………………………………………………………………………………
--------------------------≪国内&近隣≫--------------------------
イベント 博物館・資料館での企画展ほか

演劇『船と冒険』
http://www.saltyfriends.com
〜07/16 東京都立中央図書館 [東京・品川]
*7/1 「海王丸と私−元船長が語る海と帆船の魅力」講演会

演劇 追悼『勢古 宗昭 油絵展』
http://www.saltyfriends.com
7/11-17 小田急百貨店新宿本店 10階美術画廊 [東京・新宿]

イベントその他イベント
演劇 第11回<明治丸>シンポジウム『<明治丸>と地域防災』
http://www.kaiyodai.ac.jp/
〜07/16 東京海洋大学 海洋工学部 越中島キャンパス 越中島会館 [東京・江東]

演劇 「嗚呼、あこがれ!帆船の魅力展〜大阪市帆船あこがれ20年の軌跡〜」
〜7/31 雑貨とお茶のお店「ハaハaハa」展示スペース[大阪・港区]
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□■ CH16 ■□

OOoo..帆船のイベントや話題を紹介する《Ch.16》。
帆船のニュースはstbd@saltyfriends.comまでお寄せ下さい.ooOO

★ 江戸前に和船が登場です![東京]
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5/17に江東区が佐野造船所に依頼して作った和船の進水式が行われました。
現在、毎週水曜日の和船友の会の協力のもと乗船体験も実施中のようです。
詳しくは、以下をどうぞ。
http://wasen.web.fc2.com/

★ 鳴呼、あこがれ!帆船の魅力展 開催中!![大阪]
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6月1日か ら大阪天保山のハaハaハa (ハハハ)では、
ふっくんプロ ジュースによる「鳴呼、あこがれ!帆船の魅力展」
好況開催中です。http://www.tapo.jp/blog/
ぜひ、7月31日 迄に一度足をお運び下さい。

★「船と冒険」企画展示 開催中![東京]
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都立中央図書館で「船と冒険」企画展が開催中です。
7/1には「海王丸と私 元船長が語る海と帆船の魅力」講演会が
開催されます。
Webより申込み受付中です。
http://www.library.metro.tokyo.jp/tabid/3564/Default.aspx

★「サン・ファン・バウティスタ号」修復について[石巻]
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東日本大震災やその後の暴風雨の影響でマストが倒壊するなどの被害をうけた
「サン・ファン・バウティスタ号」ですが、カナダの製材会社から木材の寄付を
受けました。
詳しくは、宮城県慶長使節船ミュージアムブログをご確認ください。
http://www.santjuan.or.jp/index.html

★ デアゴスティーニのパーツ付クラフトマガジン
「週刊HMSヴィクトリーを作る」発売中!
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以前「週刊サン・ファン・バウティスタ号を作る」を刊行した
デアゴスティーニ社が、19世紀のイギリス海軍の戦艦
<HMSヴィクトリー>をキットにしてくれました!(拍手)
<ヴィクトリー>といえば、現在もイギリス海軍に籍をおく
1805年トラファルガー海戦でネルソン提督の旗艦だった戦列艦。

そしてなんと、Salty Friendsボランティアチームのメンバー
ぐんそうこと高橋義行さんが、このクラフトマガジン
本誌監修者の一人として、名を連ねています***(大拍手)

帆船模型、ちょっと興味あるけど・・・な方は、
この機会にパーツ付クラフトマガジンで始めてみては
いかがでしょうか?
http://deagostini.jp/hms/

週刊 HMS VICTORY (ヴィクトリー) を作る 創刊号 2012年 6/19号 [分冊百科] [雑誌] / デアゴスティーニ・ジャパン (刊)
週刊 HMS VICTORY (ヴィクトリー) を作る 創刊号 2012年 6/19号 [分冊...

★追悼 勢古宗昭油絵展[東京]
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2010年に急逝された、勢古宗昭氏の油絵展が新宿小田急で開催されます。
小田急百貨店 新宿本店 10階 美術画廊
http://www.odakyu-dept.co.jp/shinjuku/event/index.html?cal=201207

波涛を越えて.jpg
「波涛を越えて」(初代日本丸)



★ 第11回明治丸シンポジウム「明治丸と地域防災」
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現在、修復工事のためマストもヤードも外されている
重要文化財<明治丸>ですが、シンポジウムは今年も
ちゃんと開催されます!

以前メルマガ「Salty Friends通信」の「明治丸ヒストリー」
でも書きましたが、<明治丸>は東京大空襲や関東大震災で、
付近住民の避難所として活躍しました。
昨年起こった東日本大地震から、早くも1年と3ヶ月。
今回のシンポジウムは、震災や空襲での<明治丸>の働きを
取り上げるとともに「天災は忘れたころにやって来る」
ということわざを思い起こすきっかけになるかもしれません。

◆第11回 明治丸シンポジウム「明治丸と地域の防災」◆

日時:2012年7月16日(海の日)13:00〜16:00
会場:東京海洋大学越中島キャンパス 越中島会館
費用:無料 事前申し込み不要

問い合わせ先:03−5245−7360
       明治丸海事ミュージアム事務室

詳細は東京海洋大学HPで☆
2012年6月の明治丸.jpg
丸ハダカで痛みの目立つ<明治丸>・・・;;
「明治丸海事ミュージアム事業」では、引き続き一般からの
寄付を募集しています↓ 
http://www.kaiyodai.ac.jp/meijimaru/jigyo.html
ぜひ皆様のご協力をお願いいたします!
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□■ SaltyFriends 年報2011 ■□

2011年 Salty Friends 活動年報

以下、SFが企画、運営から携わったイベントや、他団体が
主催・企画したイベントへ参加したものなどを時系列に沿ってご報告。

2月8日〜27日
船館読書ルームにてミニ企画展「探検航海の時代」。
本館で開催した「白瀬南極探検隊展」にあわせて
<開南丸>で日本人で始めて南極へ航海した白瀬矗(しらせのぶ)や
大航海時代、キャプテン・クックなどを特集しました。

5月4日
船館読書ルームにて、絵本の読み聞かせ「第4回 海と船の
おはなし会」開催。使用した絵本は、エドワード・アーディゾーニ作
「チムとルーシーとかいぞく」。
第1回で使用した「チムとゆうかんなせんちょうさん」の続編にあたる本作品は
前回同様、わくわくドキドキの連続です。コミカルなシーンでは、
子供たちが声をあげて笑ってくれました(よっしゃ〜!)。
第4回おはなし会 チムとルーシーとかいぞく.jpg


6月4、5日
東京海洋大学越中島キャンパス学園祭「海王祭」。
<明治丸>リフィットボランティア活動のPRをするため
「塩友商会」として参加し始めて、早いもので6年目となります。
今回はいつもの「明治丸クイズ」やオリジナルグッズ販売に加えて
「船の科学館」の協力で「帆船缶バッジ」を行いました。
用意した100個分の材料は、二日目の昼過ぎにはSOLD OUT!
今年もやりますよ〜♪
2011年6月海王祭 今年もありがとう.jpg
なななんと!お客様の中に、2010年版のSFTシャツを
着ていらして下さった方が!!ベビーカーと一緒という状況から
ご近所の方でしょうか?有難うございました(感涙)。
(写真:Gingaさん)


7月1日〜18日
船館読書ルームにてミニ企画展「海の日と明治丸」。
海洋大、明治丸海事ミュージアム事務局の協力を得て
「海の日」の由来や<明治丸>のリフィットボラ活動の紹介。
さらに<明治丸>の現状などをレポートしました。
この企画展を観るため「だけ」に来館されたお客様もいらして感激!
読書R「海の日と明治丸」1.jpg


7月31日
船館読書ルームにて、絵本の読み聞かせ「第5回 海と船のおはなし会」開催。
使用した絵本は、儀間比呂志作「ふなひき太良(たらあ)」。
沖縄が舞台ということで、おはなしが終わった後は
カチャーシータイム!SFメンバー行きつけの沖縄料理店「芭蕉布」の
「おかぁ」さんのリードで、みんなでカチャーシーを踊りました。
めっちゃ盛り上がりました!楽しかったぁ♪
第5回海と船のおはなし会 ふなひき太良.jpg 第5回 海と船のおはなし会 カチャーシー.jpg
左:おはなしの中にたくさん出てくる沖縄弁の発音を
芭蕉布の「おかぁ」さんに習い、ヒッシに練習しました。
「まーらんぶーにーぬ、いっちちゅううんどー!」
右:さすが!沖縄ジモピーのカチャーシーは一味違います。
「おかぁ」さんのリードで、最初は固まっていた子供たちも
徐々に手を振り上げてDance!!るんるんるんるん


8月13日
船館読書ルームにて「船と海かるたとり大会」開催。
7月下旬から開催した「船と海かるた」のイラスト、
海洋船舶画家、谷井健三さんの原画展とリンクさせたイベントです。
実物の「船と海かるた」を使って、子供たちとかるた取りに熱中!

作者の荒川船長にもお越しいただき、誰かが一枚とるごとに
内容について、簡単にわかりやすく解説をしていただきました。
船と海かるたとり大会 真剣勝負.jpg
超真剣な子供たち。いい加減なジャッジは許されませんふらふら


8月15日
船館読書ルームにて、オリジナル紙芝居「ふなゆうれい」開催。
今までのおはなし会は、既成の絵本を使って読み聞かせを
していましたが、今回はストーリーから作画、おはなしまで
全部オリジナルの紙芝居を作りました。
オリジナル紙芝居「ふなゆうれい」表紙.jpg
東北地方を中心に、日本中に残る船幽霊の怪談をもとに
作った紙芝居「ふなゆうれい」表紙絵。
おはなしの舞台は伊勢湾。セリフはナンチャッテの名古屋弁ですいい気分(温泉)


みんなでアイデアを出しあって、部分的に絵が動くように
工夫したり、船幽霊の声をサラウンド?にしたり。
もちろん、大豆で波の音を出す効果音「波造(なみぞう)」も大活躍。
「ひしゃくを貸せぇ・・・」海の中からのびる沢山の青白い手;;
子供たちは目がまんまる、口が半開き(笑)。


9月10日、24日
船館読書ルームにて「さわれる模型体験会&海と船のおはなし会」開催。
毎日新聞で船館の読書ルームを紹介していただき、それが
きっかけとなって企画されたイベントです。

視覚障害のある方々にも、船をもっと知っていただきたいと、
和船(4隻)、<エスメラルダ>、<咸臨丸><日本丸>などの模型に、
実物のセイル(部分)やビレイピン(索止め栓)、ヒービングライン&
サンドレッド(接岸時、太索につないで船から岸壁に投げる道具)を使用。
実際にさわっていただきながら、SFボラチームが逐一解説をしました。
このイベントのために、わざわざ大阪から来館された
お客様もいらして、改めて「さわれる」ことの大切さを実感しました。

読書ルームで一緒にボラ活動をしている海洋会の方にも
体験談などを披露いただき、「海と船のおはなし会」
(10日:『ちいさな赤いとうだい』、24日:『ふなゆうれい』)も
開催した、盛りだくさんのイベントでした。
さわれる模型体験会 1.jpg
「船の科学館」本館は2011年10月よりリニューアル準備のため休止中
(ミニ展示場と南極観測船<宗谷>は営業中)ですが、いまだに
船の科学館には「さわれる船の模型があると聞いたので、触ってみたい」と
視覚障害のあるお客様からの問い合わせが時々あります。
リニューアル後は、さわれる模型で船の歴史が全部網羅(丸木舟〜帆船〜
軍艦〜現代の客船、貨物船etc.)できるようになるといいなぁかわいい


11月12、13日
若洲海浜公園アート&海イベント「Sea Front Museum in Autumn」
(通称『シーフロ』)運営補助。
このイベントも、お手伝い歴は5年になります。
「塩友商会」でオリジナルグッズ販売とワークショップをしながら、
若洲ヨット訓練所所有の<ギグ>乗船会の乗船受付窓口を担当。

今回のワークショップはお馴染みのプラ板、缶バッジに加えて
新しい試み、ワイヤーアートを展開。毎回試行錯誤の連続ですが
子供たちにウケると、よっしゃ〜!♪とやりがいを感じます。

新しい試みとしては、もうひとつ「さわれるヨット体験会」を
開催しました。「スナイプ」(2、3人乗りの小型ヨット)を
陸上にあげ、さわっていただきながら、SFボラチームがパーツの名前や
セイリングについて解説する、という試みです。
会場では「ファミリーカメラマン」などのイベントも行われており
ヨットは格好の被写体になったようです。

主催者側から、視覚障害のある方々をお招きしての<ギグ>乗船会と
「さわれるヨット」は大変意義のあるイベントと認められ
今年2012年の「シーフロ」でも開催されることになりました!
2011年若洲シーフロ 中澤さん.jpg 2011若洲シーフロ リピーター!.jpg 2011若洲シーフロ Gigs.jpg 若洲 WSワイヤーアート.jpg ちぎり絵2011製作中.jpg ちぎり絵2011 若洲屋丸と花火.jpg 
左上:SFボラチームの「大型新人」ぴかぴか(新しい)87歳の中澤さん。(右から二人目)
「海洋会」(東京海洋大学OB会)メンバーでもある中澤さんの
十八番はロープワーク。後ろは「さわれるヨット」。スナイプ級の
ディンギーを陸置きしてさわっていただきました。
右上:なななんと!若洲でも「塩友商会」のリピーターがっハートたち(複数ハート)
「去年買ってもらったの」と、ソルティ手ぬぐいを巻いて
来てくれた女の子。
左中下:普段はギグとセイリングクルーザーを1隻ずつ出すことが
多いのですが、2011年は2隻ともギグでした。渋いセイルの色が
絵になってますね。
右中下:今回初の試み「ワイヤーアート」。手と道具を使って一筆書きの
要領で形をつくっていきます。写真はメモホルダーのヨット&イルカ。
左下:2011年版ちぎり絵は、和船がモチーフ。お客さんに
ちょっとずつ貼っていただきます。
右下:完成した「若洲丸と花火」。若洲ゴルフリンクス会議室にて。


12月12日
ロシアの練習帆船<ナジェージダ>入港歓迎&見学会
入港時に大桟橋の突端にあげた、ロシア語の「ようこそ!
ナジェージダ」横断幕は、乗組員に大好評。
横浜大桟橋は「SOLAS条約」(海上における人命の安全のための
国際条約)適用岸壁のため、当初予定していた一般公開ができなかった
<ナジェージダ>ですが、事前に船に直接申し入れ、10名限定で
見学会を開催しました。

Nadezhda entering Yokohama.jpg Nadezhda Elena.jpg
左:横浜港大桟橋に接岸作業中の<ナジェ>。
右:見学会で案内して下さったエレーナさんは、主席指導教官
というエライお方ぴかぴか(新しい)ですが、超ーーフレンドリーわーい(嬉しい顔)
かなり遠くからでも分かる赤毛がチャームポイント!


船関係者同士、ということもあるかとは思いますが、
<ナジェ>のクルーは、とっても親切!北方四島問題など、
日本とロシア両国の間にはいろいろ複雑な問題もありますが、
人と人とは、気持ちさえあれば分かり合えますよね。

出港には再び「また会いましょう」とロシア語で書いた
横断幕を持参し(夜だったので電飾つきです☆クルーはみんな
バシバシ写真を撮ってました)別れを惜しみました。
何度も「アリガトウ、アリガトウ」とロシア大使館の方に
感謝されたのが、とても印象に残った来日でした。

かわいいおまけかわいい
2011「年度」として、もう一つご報告。
この3月末、「明治丸海事ミュージアム事業」に
Salty Friends&SFボラチーム有志より、20万円の募金をしました!!
ちょっと頑張りました!手(チョキ)
2012年6月の明治丸.jpg
7月16日(月・祝)は「明治丸シンポジウム」@東京海洋大学
越中島キャンパス。お時間のある方はぜひ!足をお運び下さいかわいい
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□■ ロシア帆船Nadezhda<ナジェージダ>見学レポート By SFボラチーム ぐんそう ■□

ロシア帆船<ナジェージダ>特別見学会始末記 byぐんそう

去る2011年12月12日朝、横浜の表玄関である大桟橋に、ロシア練習帆船
<ナジェージダ>の白い船体が接岸しました。
桟橋の上には、ロシア語で「ようこそ」と書かれた横断幕。海風に煽ら
れるそれを捧げ持ったSalty Friendsメンバーの顔には、一様に「ようや
くこの日を迎えられた」という安堵の表情が浮かんでいました。
今回の<ナジェージダ>特別見学会開催に際して、Salty Friendsはかつ
てない困難に直面していたからです。

「帆船<ナジェージダ>横浜に来る」の報を、Salty Friendsは早くから
入手していました。この船はウラジオストックのロシア極東海洋大学に
所属する練習帆船で、同じウラジオストックの極東漁業技術大学に所属
する<パラダ>とは同型船です。
両船とも「長崎帆船まつり」の常連(2012年は<パラダ>が来航)なので
すが、横浜でお目にかかる機会は滅多にありません。
外国帆船の関東地方寄航がなかった2011年の最後に降って沸いたチャン
スに、Salty Friendsは喜び勇んで特別見学会の準備をしていました。

ところが・・・

当初、計画されていた一般公開は、突如中止になってしまいます。
もともと大桟橋はSOLAS条約(The International Convention for the
Safety of Life at Sea:『海上における人命の安全ための国際条約』)
規制が適用される岸壁であり、厳重な警備が必要です。
さらにこの時、米露間で外交問題が発生し、ロシアの動きに日本も神経
を尖らせていました。<ナジェージダ>も途中、アメリカの港に寄港で
きず、メキシコから45日間無寄航の航海をしてきたのです。

このような事情が重なった結果、港湾当局が警備に責任をもてないと判
断。一時は寄港そのものが難しいと言われた程で、一般公開どころの騒
ぎではなくなってしまいました。

象の鼻パークから撮影 ぐんそう.JPG 実習生講堂 ぐんそう (2).jpg
左:横浜大桟橋、像の花パークから見た<ナジェージダ>
右:実習生用の講堂


さて、ここからが大変です。2010年夏に来航した<サグレス>をはじめ、
幾多の外国帆船で特別見学会を行ってきたSalty Friendsですが、それま
では基本的に船側が主催する一般公開に便乗する形で行動していました。
(2007年チリの<エスメラルダ>来日時、一般公開はなかったものの、
船側の計らいで特別見学会を実施)。
一般人が入れない状態でなお特別見学会を開催するとなれば、外国船を
訪問するのに必要な手続きを、すべて自分たちで行わなければなりま
せん。

普通ならお手上げの状況ですが、ここで諦めないのがSalty Friendsです!
船舶代理店も横浜市も、港湾当局もいい顔をしないなか、粘り強く各方
面と交渉した結果、船側の人間とアポイントがあり、なおかつ税関で
「船陸交通」なるものを取得すれば、何とかなるという事がわかりまし
た。
そして12月12日、入港当日午後に特別見学会開催の運びとなり、一同
ほっとして<ナジェージダ>の入港を迎えた次第です。

Nade 1.jpg アムールトラが描かれた紋章 ぐんそう.JPG
左:横浜港の接岸場所、大桟橋に向かう<ナジェ>と
  横断幕で迎えたSFボラチームメンバー
右:ウラジオストックのシンボル、アムールトラの紋章


いよいよ待ちに待った船内見学です。まったくのイレギュラーな訪問者
である私たちSalty Friends一行を、<ナジェージダ>のクルーは暖かく
迎えてくれました。
案内をしてくれたのは、主席指導教官のエレーナさん。船側の担当者と
して今回の見学会実現のために尽力してくださった方です。

まずは船内をひとめぐり。実習生の講堂には、ウラジオストックの子供
達が描いたアムールトラの絵が飾ってありました。アムールトラはウラ
ジオストックの市章にもなっており、町をあげて保護活動に取り組んで
いるそうです。

Elena_Kazu.jpg 入港記念品 ぐんそう.JPG
左:見学会で案内して下さった、とってもチャーミングな
  主席指導教官のエレーナさんと通訳のカズー
右:大切にディスプレイされている入港記念品


大学の練習船だけあって、図書室や資料室も充実しています。色々と面
白そうな本もありましたが、流石に見ている時間はありませんでした・・・
残念!
資料エリアの壁には、かつてウラジオストックを訪れた著名な船舶の写
真や絵が飾ってありました。

乗組員の居住区は、見学会でも入れないことが多いのですが、今回は実
習生の部屋や教官室なども拝見。突然お邪魔してしまった実習生の
皆さん、それでも笑顔で迎えてくれて有難うございました!

階段室には<ナジェージダ>の模型と、今までに寄港した港の記念品が
飾ってあります。
この手の記念品は無造作に壁に飾っている船が多いのですが、ここでは
ガラス張りの向こうに展示されていて、ちょっとした博物館のような雰
囲気になっていました。

次は甲板上の見学です。この船は船首に大きなシア(舷弧・船体の反り)
があり、角型の船尾と相まって、今出来の練習船というよりも、ホーン
岬を回っていた往年のクリッパー船を彷彿とさせる古風な姿となってい
ます。
坂になった船首を登ってバウスプリットの根元で振り返ると、他の船で
はあまり味わえない、後部を見下ろすような眺めを楽しむことができま
した。

角型船尾(トランサムスターン) ぐんそう.JPG バウスプリット ぐんそう.JPG
左:<ナジェ>のクラシックな船尾
右:反り上がる船首、第一斜檣(バウスプリット)
  

甲板上には、夜のレセプションで訪船するゲスト達に紹介するためのも
のか、<ナジェージダ>の活動を紹介するたくさんの写真パネルや、
大きなマトリョーシカ等が飾ってありました。
私たちは十分に堪能しましたが、できればもっと多くの人に見てもらい
たかったものです。都合一時間半ほどの見学会を無事に終えて、船の皆
さんに感謝しつつ、この日は下船しました。


3日後の12月15日、<ナジェージダ>は横浜を出港する事になっていまし
た。Salty Friendsのメンバーも、見送りに駆けつけます。夕方6時の出
港という事で、「また会いましょう」と書かれた横断幕にイルミネー
ションを付けることになりました。出港2時間前に(!)材料を買いに行く
という有様でしたが、なんとか時間までに完成させることができ、みん
なひと安心!

正直、照明が良いとはいえない岸壁で、横断幕がどれだけフネから見え
るか心配だったのですが、どうやら<ナジェージダ>の皆さんの受けは
良かったらしく、出港前の忙しい最中にもかかわらず、たくさんの乗組
員が船上から写真を撮ってくれていました。

やがて<ナジェージダ>は岸壁を離れ、母港ウラジオストックに向けて
舵を切ります。また横浜で会える事を願いつつ、私たちは帆船が横浜港
の夜景に消えるまで見送りました。
一時は開催が危ぶまれた今回の特別見学会を実現させるために尽力して
くださった関係者の皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。

Nade ダズビダーニャ.jpg


実は今回の見学会の最中、船の広報担当の方がつきっきりで、私たちの
写真を撮っていました。
現代の練習帆船は、若き船乗りたちがシーマンシップを培う場であると
同時に、一般公開やレセプションを通じて寄航先の人々との交流を図り、
国際親善の礎となる「浮かぶ大使館」としての機能を、多かれ少なかれ
有しています。
一般公開で多くの見学者を迎えることは、帆船の士官や乗組員にとって
「任務」にほかなりません。

アメリカでは寄航もできず、日本での一般公開も叶わなかった
<ナジェージダ>にとっても、今回の特別見学会は干天の慈雨といった
ところだったのではないでしょうか。
Salty Friendsの活動が、船の側のお役にも立ったとすれば、実に喜ばし
いことです。

また、桟橋でお会いしたロシア大使館の方から、何度もお礼を言われた
ことも印象的でした。
帆船を通じた心の繋がりが日露友好の一助となる事を祈念しつつ、本レ
ポートを終えさせていただきます。

(レポート&写真:Salty Friendsボランティアチーム ぐんそう)
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□■ 南十字星の下、三色旗ひるがえし    南米帆船レース Velas Sudamerica2010 参加レポート その4 By Qたろー ■□

◆練習帆船、トレイニーの生活◆


初日最初の当直は、いきなり「ゼローヨン」。ゼローヨンとは、つまり
真夜中の12時から朝の4時まで、船の運航を航海士と一緒に担当する
ということだ。良からぬことを考える者が跋扈する時間帯?ということ
で「泥棒ワッチ」ともいう。

ゼローヨンに続いて、当直は四時間ごとにヨンーパチ、ハチーゼロと続
く。ちなみに一番キツイ(と思うかどうかは各自の考え方次第だが)ゼ
ローヨンの「泥棒ワッチ」に対して「殿様ワッチ」は、ハチーゼロ。朝
8時から正午まで。朝メシ食って昼まで働き、ランチしてさぁ休憩。ラ
クチン〜♪という訳である。

ご存知のように船は、帆船に限らず、24時間常に誰かがついて見ていな
くてはならない。たとえ沖でアンカリングしている時でも、潮の流れや
強い風などのせいで、錨を海底で引きずりながら動いてしまったり(走
錨という)あるいは他の船や大きな漂流物がぶつかって来ないとも限ら
ないからだ。

もちろん、船の進路を決めたり、セイルの展・畳帆の判断は船長や航海
士が担うのだが、海軍や商船系の学校以外の組織に所属する練習帆船で
一般人が乗船可能な船のトレイニーは、それ以外のこと、つまり学校
などで習うような特別なスキルがなくてもできることを交替で担当する。

例えば
ルックアウト:船首部での見はり
ヘルム:舵とり
ビルジチェック:一定時間ごとに船底のあか水の量をしらべる

などなど。その他、レーダーのチェック(不審な船が接近してこないか、
船が走錨していないか)、風向、水温のチェックなどもトレイニーの仕
事だ。異常があれば、即、オフィサーに伝えねばならない。

もちろん必要とあれば、荒天だろうが夜中だろうが、マストに登ってセ
イルと格闘したり、ロープを引いたりしなければならない。さらに緊急
時人手が必要な場合、夜中でも「All hands on deck」(総員呼集『全員
デッキへ』)のお呼びがかかれば、非番の者たちも全員出ていって作業
にあたる。このとき寝コケていて作業に加わらなかったりすると、後で
みんなから白い目で見られるので、要注意(笑)。

さらに欧米の船によっては、明け方に当たったワッチが朝食のパンや
おやつのクッキーなどを焼くこともある。とくに大型帆船では、パン焼
き専用の厨房まであったりして、お米の国、日本との違いを実感。

ついでに船内の掃除や、ペンキ塗り、サビ落とし、真鍮みがきなどの
メンテナンスは、たいがい手が空いている者全員で行う。当たり前だが
海では潮水&潮風で、金属部分はあっという間に錆びるので、文字通り
ペンキ塗りは年がら年中していなければいけない仕事の一つだ。
頻度と作業量は、船長、ボースン(甲板長)のマメさ加減と、船の資金
力によるかも?

船によっては、船内の掃除の時間帯を「ハッピーアワー」と呼ぶが、
これはロフト作業(マストに登って行う展・畳帆などの高所作業)から
開放され「ハッピー♪」ということ。…ロフト作業の方が好きな私には、
ハッピーでも何でもないんですけど;;
そういえば居酒屋などでのハッピーアワーは、飲物などの値段が安く
なるタイムサービスのことだが、もともとの語源は航海用語。アメリカ
海軍で娯楽時間のことをこう呼んでいたのが由来らしい。


◆まっさらな気持ちで◆

ヘルムの取り方やレーダーの見方などは、一見難しそうに思えるかもし
れないが、もちろんクルーやワッチリーダーなどがその都度教えてくれ
るので、知識や経験がなくてもぜんぜん大丈夫!むしろ、他の船でやっ
たことがあるから、と自己流で判断する方が危険かもしれない。

もちろん基本的なことは大差ないが、同じ作業でもその船にはその船の
「お作法」があり、もっと言えば、船長・艦長によっても、やり方やタ
イミングが異なったりする。

何度か練習帆船に乗ったことがある人も、初めての船に乗ったときは
自分のノウハウはひとまず脇に置き、まっさらな気持ちで教わる方がい
いかもしれない。意外と「お☆こっちの方が合理的!」なんていう、
新たな発見があったりする。


◆船ごはん◆

さて、バルパライソ出港後、陽もとっぷり暮れた19時。<エウロパ>で
とる初の食事だ。ギャレー(厨房)は下の中甲板、キャビンの並びにあ
り、大きいメスルーム(食堂)は上。つまり上甲板のハウスの中。
クルー、トレイニーとも、取り分けてもらった自分のお皿を持って、よ
ろめきながらラッタル(階段)を登る。

船の中では登る人が優先なので、お皿を持つ人が上がってきたら、降り
る人はしばし上で待機しなければならない。そうそう!階段の横の壁に
ついている手すり。この持ち方、特に下りる時の手の向きが、陸と船で
は違うのだった。

上る時は一緒だが、下りる時の手の向きは逆。つまり、指先が上を向く
ように手すりを持つ。これは万一、ラッタルを下りている最中に船が大
きく揺れ、バランスを崩して真っ逆さま!ということになった場合でも
手首を骨折などしないように、という船乗りの知恵だと、むかし先輩か
ら教わった。
下りながら指先を上に向けるなんて、そんな器用なコトできんわい#と
最初は思ったが、腕を少し体の後ろに持ってくるようにすると、楽に手
すりが持てる。そして降りやすい!やっぱり昔からの習慣って合理的だ
なぁ、と感心したものだ。


さて、船での食事について。
練習帆船では、たいがいの船が乗船申し込み時、健康状態について申告
することになっているが、中でもアレルギーや持病の有る無しに関する
特記事項は重要だ。海外の船では、宗教上の理由で食べられないものが
あったら、それも申告せねばならない。たかがご飯と言えども、意外と
一言で片付けられないポイントだ。

私の場合は、もともと子どものころアトピーが酷く、動物性たんぱく質
を控えなければならない生活が長かったことに端を発しているのか、
普段から肉類はあまり積極的に食べない。ということで、今回は「ベジ
タリアン」ということにしてみた。(ブルガリアの<カリアクラ>に
乗った時申告しなかったら、ほぼ毎日肉が出てきて涙したので・・・し
かしそれしかない時は食べます!)

正直言って、何度かトランジットしたことのあるアムステルダム、スキ
ポール空港での食事がぱっとしなかったので、<エウロパ>ご飯も期待
はしていなかった。が あに図らんや、これがめっちゃ旨〜!***

今航海の司厨長は、キャプテンの奥様だった。クックスメイト(司厨長
のアシスタント)の女の子と二人で、一日三食プラス、午前と午後の
ティタイムのおやつを45人分賄っている。
オランダといえばニシンやチーズが有名だが、彼女のレパートリーは
大変広く、さすがに和食こそ出てこなかったものの、私が乗船していた
3週間、一度として同じ料理が供されることはなかった。これはすごい
ことだ。
そしてベジタリアンは私以外にも3人おり、とくに肩身の狭い思いをする
こともなく、じつに美味しい食事を毎日堪能する。おかげで3週間で、
なんと3キロも太ってしまった!(笑)

腕のいい司厨長と乗り合わせるか否かによって、航海の印象は大きく変
わる。司厨長は、1隻の船にずっと同じ司厨長が乗っている場合と、寄港
地ごと、あるいはログごとに変わるケースがあり、どんな人と一緒にな
るかは乗り組んでみないと分からない。当たりもあれば、当然ハズレも
ある。
運を天に、ではなく船に任せ「今回も美味しいものが食べられますよう
に」と祈りながら乗船するのもまた、航海の楽しみのひとつだろう。


次回はやっと!!献花の準備を始めます。(まぁ、気長にお付き合い
下さいね;;)
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□■よろず帆船人突撃インタビュー[52]船舶海洋画家 野上隼夫さん ■□

我々帆船ファンにとって、野上隼夫さんといえばまず思い浮かぶのは
アレクサンダー・ケント著「ボライソーシリーズ」(早川書房)の表紙絵でしょうか。
ボライソーを読んで、海軍、帆船ギョーカイ?にハマったという方も
少なくないかと思います。
今回は、昨年2010年末「船の科学館」で行われた「海洋船舶画の世界
〜全館まるごと美術館計画」の会場で、野上先生にお話しを伺いました。

野上隼夫自画像2010−12−09s 001.jpg CUTTY SARK P8横右舷斜前s001.jpg
左:野上先生近影
右:<CUTTY SARK> P8


◆野上さんプロフィール◆

お名前:野上隼夫(のがみはやを)さん
ご生年:昭和6(1931)年
ご出身:茨城県日立市

昭和24(1949)年、日立造船株式会社入社。設計部で、各種船舶の設計に従事。
昭和44(1969)年、海洋船舶画家として独立。
著書:『野上隼夫艦船画集』(海人社)他

今までに描いた作品の数は、なんと2,300枚以上!!


以下、野上隼夫さん:HN
Salty Friends:SF


SF:まず、船の絵を描き始めたきっかけについて、教えていただけますか?

HN:子供のころから乗り物が好きで、よく蒸気機関車の絵などを描いていま
  した。高校は普通科だったんですが、履修科目のなかに「洋器画(ようき
  が)という科目があったんです。耳慣れない言葉かもしれませんが、要す
  るに定規、分度器、コンパスなどの製図器具を使用して、幾何学的に描く
  技法。今の製図科のような科目が得意だったんです。
    
  日立造船に勤務して4年目、設計部の社内展があり、輸出タンカーの油彩
  画を展示。これが広報部担当者の目にとまり「進水記念絵葉書のイラスト
  を描いてくれないか」と頼みに来ました。
  
    
SF:広報部の方は、社内にこんなに上手く描ける人がいるなら・・・、と思わ
  れたんでしょうね!そこからお仕事として、船の絵を描かれるようになっ
  たのですか?
  
HN:ええ。当然アルバイトは禁止されていましたが、自社のためだからと
  特別に認められて、それから毎日就業後、寮に帰ってから船の絵を描く
  生活が始まりました。多い時は、ひと月で10枚なんていうペースで描いた
  こともありましたね。
  そのうち、よその造船会社も印刷業者を通して頼んでくるようになって、
  そんなのも会社に内緒で引き受けたり(笑)。
  

SF:それはもう「時効」ですよね(笑)。今では製図といえばCADが一般的
  でしょうが、当時の設計図は、もちろん手描きですよね?
  
HN:もちろんです。船の設計図(線図の場合)は50分の1で描くので、必然的
  に紙のサイズも大きくなります。線図用机だけで5〜6メートル以上ありま
  したかね。バッテンという木の定規とウェイトを使って、一つ一つ手で描
  いていたんですが、そこにコンピュータが入って来たわけです。今まで苦
  労して描いていたものを、あっさり処理してしまう。
  
  私としては、コンピュータと勝負する気はなくてね。ちょうどその頃には
  そこそこ絵の注文も入ってくるようになっていたので「この辺が潮時かな」
  と、絵の道でやっていく決心をしたという訳です。当時、38歳でした。
  描く時は、とにかく図面。設計をやっていたお陰で、図面さえ見れば、
  あらゆる角度から見たその船の姿が、頭の中に3Dで浮かんできます。
  
  難しいのは色。特に古い船は、資料も少ないですし、図面に載っていない
  改修箇所なども、あちこち聞いたりしながら考証します。あ、もちろん間
  違うこともありますよ!(笑)
  太平洋戦争中の艦船などは、実際に乗ってらしたり建造に携わった方から
  ご指摘を受けることもあります。

野上先生 制作中.jpg FRIGATE DIANA号P8横s001.jpg 初代日本丸P10横正面に近いs.jpg 野上先生 制作中 2.jpg
左上:船の科学館「全館まるごと美術館計画 船舶海洋画展」会場にて
   制作中の野上先生
右上:<FRIGATE DIANA>P8
左下:<初代日本丸>P10
右下:野上先生の“秘密兵器”お道具一式

 
SF:なるほど。野上さんは設計畑のご出身とあって、どの船も素晴らしく
  きっちり正確に描かれている印象があるのですが、とくに帆船を描かれる
  時に気をつけていらっしゃるポイントや、大変なことなどはあるのでしょ
  うか?
  
HN:帆船はね、大変なんですよー。ロープが!(笑)全部の働きを理解して
  いないと描けませんしね。索具はセイルに隠されていない、見える部分だ
  け描くと、上下が繋がらなくなってしまうことがあるんです。なので、下
  書きの時は上から下まで全部描き、その後、セイルと重なるところを消し
  ていく、というやり方で描いています。
  
  帆船を描く時に気にするのは、やはり風と波ですね。この二つの状況に
  よって、張るセイルが違ったりするのが、難しいところかな。
  
  船の絵は、海と空と船のコンビネーションだと思っています。海や空の色
  は、場所や季節、時間によっても変わってきます。どの要素が不十分でも、
  絵として成り立ちません。絵によっては、船よりも空や海に時間がかかる
  時もありますね。
  
    
SF: 私にとって野上さんと言えば、やはり「ボライソー」なのですが、あの
  シリーズは、途中までイギリスの海洋画家、クリス・メイジャーさんが
  描いていらっしゃいましたよね?メイジャーさんが亡くなって、途中から
  交代、というのはどう思われましたか?
  
HN:あの時は早川書房から急に頼まれたんですが、彼の作品を観て、あぁ、
  この人と比べられるのはツライなぁ、と(苦笑)。
  
  ご存知かどうか、海洋画で有名なカール・G・エバースという人がいるの
  ですが、30年前彼の画集を観て感動した記憶があります。当時はちょうど
  帆船ブームでしたよね。
  で、どんな技法を使って描いているんだろうと、いろんな画材を使って
  模写を試みたんですけど、マネできないんですよ。あとから、実はごく
  普通の絵の具、ポスターカラーを使って描いていたことが分かって、
  なぁんだ!でしたが・・・。
  
  当時は、まだ「海洋船舶画」というジャンルが、日本では一般的でなくて
  試行錯誤の連続でした。
  
  
SF:カール・G・エバースの画集は、ここ(船の科学館)読書ルームにも置い
  てありますが、迫力のあるタッチの方ですね。
  ところで野上さんは、約40年、2,300枚以上の船の絵を描いてこられたそ
  うですが、その中でも特にお気に入りの絵などありますか?また資料は、
  図面以外にも何か使われるのでしょうか?
  
HN:そうですねぇ、気に入っているのは、やっぱり一番最初に描いた進水絵葉
  書の<初姫丸>、あと<常島丸>かな。若い頃はやっぱり格好のいい船に
  憧れるんですよね(笑)。帆船ではフルセイルで走っている<日本丸>
  (下写真)なんか、いいと思うんですけどね。

帆船日本丸P20横s001.jpg
<帆船日本丸>P20 帆船画の中では一番のお気に入り♪

  
  資料は、最近映像サイトで「YouTube」ってありますよね?あそこに客船
  が波を蹴立てて走っている映像なんかが、いっぱい出てるんですよ。
  そういうのをダウンロードしてとって置いて、資料に使ったりしています。
  便利な時代になりました(笑)。
  
SF:YouTubeにそんな使い道があったとは!意外です。
  では、これから描きたい船などはありますか?
  
HN:今の船は、船というよりマンションみたい。戦前の、煙突が細長いのが
  やっぱり絵になりますね。今までにもたくさん描いていますが、例えば
  客船だと<浅間丸>や<あるぜんちな丸><ぶらじる丸>とか。
    
SF:ぜひもっと帆船も描いて下さい!;;(笑)
  長々と伺いましたが、では最後にSalty Friendsにメッセージなどいただ
  けましたら。
  
HN:今までSalty Friendsの存在は知らなかったので、正直こんなグループが
  あるとは、驚きました。好きというだけでなく、実際に帆船に乗りに行っ
  たり、素晴らしいと思います。ぜひインターネットで宣伝して、この世界
  のファンを増やして欲しいと思います。

SF:微力ながら頑張ります;;
  長時間、本当に有難うございました!これからの先生の作品も楽しみに
  しています!

帆走暮色F6横遠景手前に人物s001.jpg
「帆走暮色」F6


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□■ おススメ☆彡塩本「チムとゆうかんなせんちょうさん」[2] By みっきー ■□

今回のおススメ☆彡塩本は、前回のピー(覚えてますか?)に引き続き、瀬田貞二つながりの
「チムとゆうかんなせんちょうさん」
作・絵:エドワード・アーディゾーニ
訳:瀬田貞二
発行:福音館書店
です。

主人公は、船が大好きなチムという男の子。
ストーリーは、不正に乗り込んだ船でちょっとした座礁をしてくる、というもの
なんですが、ハラハラドキドキ楽しめるシーンが山盛り!
乗り込んだ船の船長が土壇場で船乗りの背中ってやつを見せてくれるんですが、
これがまたカッコいい!
けっして、親切でも優しくもない船長なんです。
でも海で生きるってことを(不正に)乗り込んだチムにも、ちゃんと求める姿が
やっぱり海の男だなぁ!と。
こういう船の世界、社会?ってのをストレートに感じ取れるのがチムシリーズの
魅力かなと思います。

小さいときによ〜く読んでいた本なので、私の持っている本はボロボロなんですが
今でもお気に入りの一冊です。
SaltyFriendsが船の科学館でやっていたお話会
http://saltyfriendstsushin.seesaa.net/article/162408270.html
でも使ったのですが、久々に読んでみてまた!新しい感動を覚えました。

船が好きな子供たちと一緒に読みたい一冊です。

チムとゆうかんなせんちょうさん―チムシリーズ〈1〉 (世界傑作絵本シリーズ―イギリスの絵本) [大型本] / エドワード アーディゾーニ (著); Edward Ardizzone (原著); せた ていじ (翻訳); 福音館書店 (刊)

(みっきー)
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■□ 大阪市帆船「あこがれ」によるセイル・トレーニングと学校シンポジウム レポート by ふっくん □■

去る、平成24年2月18日(土) 13時〜16時に、大阪市住之江区南港北にあるATC ITM棟4階 セミナールームにて、『大阪市帆船「あこがれ」によるセイル・トレーニングと学校シンポジウム』(主催:公益財団法人大阪港振興協会  後援:国土交通省近畿運輸局、大阪市、大阪市教育委員会)が開催されました。このシンポジウムは、学校関係者の皆様に広くセイル・トレーニングを認識していただき、「教育」として帆船「あこがれ」を活用していただければ、との思いから開催されたものです。

akogareシンポジウム.jpg

講演内容は、まず船長から「セイル・トレーニング」とはどういったものか?という話からはじまり、その後に帆船「あこがれ」を使用し実際に航海を体験した参加3団体の報告がありました。そして、「セイル・トレーニング教育効果の『見える化』」と題し、セイル・トレーニングを体験してどのような変化が見られるのかを検証する方法の紹介などがありました。

実際に船に乗っての体験談をきくと、こんな効果もあったのだ!と驚くほどの変化も見受けられました。
以下に詳しくこのシンポジウムの内容をレポートさせて頂きます。次項有続きを読む
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■■ 編集後記 ■■

先日、SFボラチームのW氏が、新潟で帆船「あこがれ」のボランティアを
してきたと教えてくれました。
そこで、メールマガジンの読者の方とお会いし、私のこともお話されたそうです。
長らく発行もできていなかったのに、忘れられていなくてよかった!
本当に、感謝、感謝ですね!
これからも!よろしくお願いします!

メッセージの宛先は全てコチラ ⇒ stbd@saltyfriends.com。
みなさまからのお便りお待ちしています!
∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽
帆船で 海、 行く?『Salty Friends通信』毎月10日配信
 ★編集:みっきー(SaltyFriends http://saltyfriends.com
 ☆配信先アドレスの変更・配信停止をご希望の方はこちら
  ⇒https://regssl.combzmail.jp/web/?t=df20&m=u2sn
∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽
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2011年12月10日

大森洋子さんの訳本あらかると   ByQたろー

当Salty Friendsでも、「キッド」のシリーズ続行キャンペーンで
応援中、大森洋子さんの最近の訳本を、何冊かまとめてご紹介します。
寒さ本番のこれから、お部屋で海を想いながら読書もオツなものですね♪

「図説 スペイン無敵艦隊 エリザベス海軍とアルマダの戦い」
アンガス・コンスタム著
2011年10月28日第1刷刊行 発行:原書房 定価3,800円(税別)

大森さん 無敵艦隊 表紙.jpg
 

過去に同じ原書房からも出版されている、1588年から5回(+α)
に渡って行われた、ご存知、スペイン・フランス連合艦隊による
イギリス本土遠征。この「アルマダ」(スペイン語で艦隊、海軍という
意味)の戦いでの敗北以降、スペインは海上覇権をイギリスに譲ってい
くことになります。

ただこの戦い、よく「イギリスがスペインを海戦でコテンパンに叩きの
めした」と思われがちですが、作者のアンガス・コンスタムは引き上げ
られた当時の大砲の分析など、水中考古学的見地から、その解釈に疑問
を投げかけます。日本人である我々、読んでいて「元寇」(文永の役・
弘安の役)がチラチラと頭をかすめた、なんて方もいらっしゃるのでは
ないでしょうか?

今回の「図説 無敵艦隊」はタイトルの通り、とてもビジュアルが豊富
で読みやすい作りになっています。巻末の索引、艦隊の一覧表なども
とてもユースフル!この年代の船に興味のある方なら、ぜひともお手元
に置いていただきたい資料本です。


「死の航海」(上・下巻)
ポール・ギャリソン著
2011年8月10日第1刷刊行 発行:扶桑社 定価:各914円(税別)

大森さん 死の航海 上.jpg 大森さん 死の航海 下.jpg


主人公ジムは、トレーニングジムのインストラクターで、海や船のこと
はまるで素人。大金持ちのウィルに請われて、スループ型のヨットでマ
シントレーニングしながら大西洋を優雅にセイリングする・・・予定で
した。ところが、間もなく自分がとんでもなく危険な陰謀に巻きこまれ
たことに気付き…。

まったくのオカ者であるジムは、追手から逃れるため、必要にかられて
セイリングを学んでいくことになるのですが、同時に詠み手も、ジムと
一緒に海や船のことを学んでいくことになります。
何度も船酔いにかかりながらも、途中で合流した恋人と一緒に、追手の
ハイテク・カタマラン(双胴船)と南氷洋で繰り広げるカーチェイスな
らぬ、シップチェイス?は圧巻!
読み出したら止まらない!ので、ぜひお時間のある時に(笑)。


あと船モノではありませんが、大森さんはこんな本も翻訳なさってい
ます。おまけでご紹介るんるん
「アイザック・スターン すばらしきかな、わがヴァイオリン人生」
アイザック・スターン著、ハイム・ポトク共著
発行:清流出版 定価:3,800円(税別)

大森さん アイザック・スターン 表紙.jpg

アイザック・スターン氏の名前は、例えばカラヤンやバーンスタインな
どクラシックに縁のない方でも、耳にしたことはあるのではないでしょうか?
1920年、ポーランド生まれのユダヤ人である彼の人生は、激動の20世紀
という時代そのもの。読者は読みながら、スターン氏とともに歴史を体
験し、世界中を旅することになります。

音楽家としてはもちろん、不世出の天才である彼も、その素顔はお茶目
でユーモア溢れる元気なおじちゃん!惜しまれながら2001年に世を去っ
たスターン氏の人間的魅力全開のこの本は、クラシック音楽ファンでな
くとも読み応え充分です。そして読後はぜったいに、彼の演奏が聞きた
くなるはず。

ヴァイオリンというと、「マスターアンドコマンダー」のオーブリー&
マチュリンの艦長室での二重奏シーンを思い出す方も多いのでは?
航海中、夕陽の沈む海を見ながら、当直の終わりにヴァイオリンなんて
いつか聴いてみたいものです***

                かわいい

そしてそして!やはり大森さんと言えば「トマス・キッドシリーズ」ぴかぴか(新しい)
ついにこの春、待ちに待った最新刊8巻にお目にかかれそうですよ!
詳細は分かり次第、お知らせ予定です。お楽しみに♪♪



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2011年08月12日

第6回「海と船のおはなし会」は怪談「ふなゆうれい」♪

お盆といえば怪談モバQー(長音記号1)大好評「海と船のおはなし会」の
6回目は、なんとお話しも絵もSalty Friendsのオリジナル!
「ふなゆうれい」です。

「ひしゃくを貸せ〜」というふなゆうれいのお話しは
昔から全国で見られますが、これを今回は紙芝居に
仕立てました。

いつものように、波造(大豆を使って波の音を出す
治具)なども使い、臨場感いっぱいでお届けしますかわいい
お盆に「ふなゆうれい」で、ちょっと涼んでみませんか?
絵本好きの親子、もちろん大人の方も大歓迎!
本館展示休止前の「船の科学館」へ、ぜひ足をお運び下さい。


第6回「海と船のおはなし会」

お話し:創作紙芝居「ふなゆうれい」
日時:2011年8月15日(月) 午後2時半〜(30分程度)
会場:お台場「船の科学館」本館 3階読書ルーム
参加費:無料 但し入館券が必要です。

おはなし会6a .jpg 第3回海と船のおはなし会 タネ明かし.jpg
左:第6回「ふなゆうれい」チラシ&ポスター
右:第3回のおはなし会の様子


「船の科学館」関連サイト↓
http://www.funenokagakukan.or.jp/announce/?p=66

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2011年07月17日

「海王祭」参加レポート By Gingaさん

今年も6月4日、5日の週末に、東京海洋大学海洋工学部
(旧東京商船大学)の海王祭が開催されました。
天気が気がかりでしたが、両日とも、雨には降られず幸いでした。
SaltyFriendsは、今年で6年目の参加です。

SaltyFriendsのテントは、メイン会場の<明治丸>前広場で、
前回までと同様に、<明治丸>側のステージ前が割り当てられました。
SaltyFriendsではグッズ販売のほかに、今年で3回目となる
「明治丸クイズ」を実施しました。

<明治丸>に関する簡単なクイズ用紙を配り、正解者には
じゃんけんで勝つと船に関するグッスを差し上げてる、というもの。
<明治丸>展の展示を見たり、案内係に尋ねれば
答えがわかるものです。
せっかく<明治丸>があるのに、さらっと眺めて帰ってしまう人が
大勢居たのがもったいなく思え、来た人に<明治丸>のことを
少しでも関心を持ってもらおうと思って始めたものです。

SaltyFriendsメンバーばかりではなく、大学・海洋会の方々の
サポートもあって、3回目の実施が出来ました。これがきっかけで
<明治丸>に関心を持ってくれる人が何人かでも増えれば、
と思っています。

2011年海王祭 1.jpg RIMG0650-あーちゃん.jpg
今年の「海王祭」では、「船の科学館」と共催で
缶バッジ制作を開催しましたかわいいこれが超ーーー人気!
材料は100個分用意したのですが、二日目のお昼頃には完売しました手(チョキ)


今年は、百周年記念館で「明治丸特別展」が開催中で、
百周年記念館には海洋会(OB会)の方が大勢居られて、
来館者への説明をしていました。
「明治丸特別展」は7月18日まで、実施しています。(既に終了)

初日の土曜日には、百周年記念館には500名ほどが来館。
日曜日はもっと多かったのではないかと思います。
<明治丸>は修理中で、残念ながら一般公開は有りませんでした。
なお、「海王祭」直後の6月8日には、両陛下が百周年
記念館と<明治丸>を訪問された事が報道されました。

2011年6月の明治丸.jpg
昨年の工事で、船体下部に鉄板を貼り増した<明治丸>。
SFボラチームは<明治丸>のサポートを継続中です。


さて、今年の海王祭では、昨年までとちょっと違う
ことがありました。
人気?イベントの「ミスネプチューン」(男子学生よる
女装&歌&ダンスコンテスト)は今年は行われず、
代わって、寮歌の合唱。これもいいものでした。
海洋大のOBではありませんが、学生時代のことなど思い出し
懐かしさと気恥ずかしさとが入り混じった感じです。

2日目にはさかなクンのトークステージがあり、ステージ前は
立ち見も出る盛況でした。

今年初お目見えは、電気推進船<らいちょう>の試乗会。
今年横浜で行われたボートショーでは、陸置きで展示
していましたが、「海王祭」では体験航海が出来ました。
乗れた人の話では、予定より長い時間試乗させてくれたそうです。

このほかは、例年人気の<やよい>の試乗会。
プラネタリウム、各研究会や実験水槽、大型のディーゼル
エンジンなどの施設公開、学校内の史跡めぐりなどの内容です。

「船の科学館」も参加しており、ゴム動力船作りなど、
子供が楽しめる内容でした。

OBなどの学校関係者ばかりではなく、子供を連れた近所の方々や
海事に関心ある方々など、幅広い層が来る事が
「海王祭」の特徴です。近所の高齢者施設のグループなど、
色々な方々が来場されました。

SaltyFriendの皆様、東京海洋大学の皆様、海洋会の皆様、
来場された皆様、ありがとうございました。

RIMG0654-今年もありがとう.jpg
かわいい今年の「海王祭」で一番嬉しかったコト!
なんとお客様のなかに、昨年2010年バージョンの
SFTシャツを着てご来店下さった方がいらっしゃいましたグッド(上向き矢印)グッド(上向き矢印)グッド(上向き矢印)
ありがとうございました!!!ハートたち(複数ハート)わーい(嬉しい顔)ハートたち(複数ハート)
posted by SaltyFriends通信 at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月10日

☆ SaltyFriends通信 80号 ☆

OoOoOoOooooo  ooooOoOoOoOoooooooo  
o☆oOo           oooOoOoOooooo
Ooo                             
o   〜 帆船で海、行く? 〜
   
     ★★ SaltyFriends 通信 ★★ 80号   2011.2.

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜帆船の最新情報は ⇒ http://saltyfriends.com 〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


こんにちは!Salty Friends Qたろーです。
このところ著しく体調を崩しまして、またもや発行が大幅に
遅れてしまいました。申し訳ありません。

ふと見れば、Salty Friends通信も、はや80号!
SFとして活動を始めてから、8年めに突入しています。
メルマガが回を重ねると同時に、スタッフにも寄せる年波が・・・;;

「年波」も帆船で乗り切りたい☆
冬眠から目覚めたSalty Friends通信、出航です!
posted by SaltyFriends通信 at 22:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

■■ 目次 ■■

┏┓
┗■ 1月のSaltyFriends通信 ==================

┏◆ 《 スターボード & ポートカレンダー 》

┣◆ 《 CH16 》

┣◆ 《日本丸出航レポート By ぐんそう

┣◆ 《南十字星の下、三色旗ひるがえし 
┃      南米帆船レース参加レポート その3 By Qたろー

┣◆ 《おススメ☆彡塩本 By みっきー》

┃   
┗◆ よろず帆船人突撃インタビュー〔51〕
 

◇ メルマガ全文をサイトで読む・・・
---> http://saltyfriendstsushin.seesaa.net/
posted by SaltyFriends通信 at 22:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

□■カレンダー■□


OOoo.. "生"の帆船&オカのイベントのカレンダー。
「こんなのありますよー」というみなさんからの情報お待ちしています!
stbd@saltyfriends.comまでお寄せ下さい。..ooOO

◇◇◇◇◇◆◇  スターボード:@フネのイベント  ◇◆◇◇◇◇◇
………………………………………………………………………………………
--------------------------≪国内&近隣≫--------------------------
船フネに乗る!

▽帆船<あこがれ>
……………………
【航海型コース】
05/18(土)-05/25(水)   7泊8日コース [新潟港〜横浜港]



【入門型コース】

03/06(日)       1日体験航海  [大阪南港〜大阪南港]
03/12(土)-03/13(日)    1泊2日コース  [大阪南港〜大阪南港] *満席
03/19(土)-03/21(月・祝) 2泊3日コース [大阪南港〜大阪南港]
03/26(土)       1日体験航海  [大阪南港〜大阪南港]
03/27(日)       1日体験航海  [大阪南港〜大阪南港]



▽帆船<海王丸>
……………………
2011年
位置情報■遠洋航海 (参加料:300,000円)
04/8(金) - 05/9(月) 32泊33日 [東京港〜ホノルル港]

位置情報■海洋教室 (参加料:2,000円)
06/12(日) 東京港停泊中
申込期間:4月1日(金)〜5月10日(火)



◇お申し込み方法等詳しくは→ 財団法人海技教育財団HP

船フネを見に行く!

ひらめきジャパン インターナショナル ボートショー 2011 (第50回)
03/03(木) - 03/06(日)  [横浜・パシフィコ横浜ほか]

ひらめき東京みなと祭 (第64回) 
05/20前後の週末(詳細未定)   [東京港開港70周年祭/晴海会場・船の科学館会場]

ひらめき2011長崎帆船まつり
04/21(木) - 04/25(月)  [長崎港]

◆セイルドリル(展帆)を見に行く
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04/10(日)      "初代"<日本丸>総帆展帆     [横浜]
04/24(日)      "初代"<海王丸>総帆展帆     [富山]
04/29(祝)      "初代"<日本丸>総帆展帆     [横浜]
05/04(祝)      "初代"<海王丸>総帆展帆     [富山]
05/15(日)      "初代"<日本丸>総帆展帆     [横浜]
05/29(日)      "初代"<日本丸>総帆展帆     [富山]


☆ "初代"<海王丸>展帆ボランティア募集中!
問い合わせ:財団法人 伏木富山港・海王丸財団 海事課

☆ "初代"<日本丸>総帆展帆ボランティア募集中!
申込締切:平成23年3月15日(火)必着
問い合わせ:帆船日本丸記念財団・JTB共同事業体

演劇"初代"<海王丸>/海王丸パーク  
演劇"初代"<日本丸>/日本丸メモリアルパーク  

………………………………………………………………………………………
-----------------------------≪海外≫-----------------------------

ひらめきオーストラリア木造船フェスタ
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MyState Financial "Australian Wooden Boat Festival"
2010/02/11 - 02/14 《豪州》 タスマニア州ホバート

ひらめき◆チャールストン・ハーバーフェスト
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"Charleston Harbor Fest”
05/12 -15 《米国》 サウスカロライナ州チャールストン

◇◇◇◇◇◆◇  ポート:@オカのイベント  ◇◆◇◇◇◇◇
………………………………………………………………………………………
--------------------------≪国内&近隣≫--------------------------
イベント 博物館・資料館での企画展ほか

演劇 『シャルジャ、砂漠と海の文明交流 −アラビアの歴史遺産と文化−』
02/19〜03/27 横浜ユーラシア文化館    [神奈川・横浜]

演劇『「県立佐賀商船学校」回顧展』
02/19〜04/17 佐野常民記念館  [佐賀 ・川副町]
*佐賀藩の三重津海軍所の跡地にあった同校の歴史を振り返る

演劇『海揚がりの備前陶磁 海に残された有田焼』
〜11/30 平城京歴史館  [佐賀・有田]
*坂本龍馬ゆかりの<いろは丸>から引き揚げられた焼き物の
展示もあり!

ひらめき白瀬南極探検隊100周年記念講演会
−日本初のドキュメンタリー記録映像の公開−
日時:3月19日(土)午後2時〜4時(開場:午後1時30分)
会場:一橋記念講堂(学術総合センター)
住所:東京都千代田区一ツ橋2−1−2
入場:無料
http://www.shirase100.jp/kinenkouenkai.pdf

イベントその他イベント
演劇第3回海洋教育フォーラム -「プロフェッショナルが語る海・船・魚の魅力」
03/19 東京海洋大学越中島キャンパス 越中島会館
*さかなくんも講演予定!
posted by SaltyFriends通信 at 22:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

□■ CH16 ■□

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■■■■■■■■■■■■  Ch.16  ■■■■■■■■■■■■■■
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OOoo..帆船のイベントや話題を紹介する《Ch.16》。
帆船のニュースはstbd@saltyfriends.comまでお寄せ下さい.ooOO


★春の帆船モノ映画「アメイジング・グレイス」「ナルニア国ものがたり」
 「平成ジレンマ」 「パイレーツ・オブ・カリビアン4」
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今年は春から、帆船が出てくる映画が何本か公開されます。どれも見逃せ
ません!

☆「アメイジング・グレイス」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

SF的に、ヨアン・グリフィズといえば、もちろん「ホーンブロワー」!
彼の主演する映画「アメイジング・グレイス」が、3月から順次全国公開
されます。
時代は18世紀イギリス、奴隷廃止主義者ウィリアム・ウィルバーフォース
の半生を描いた作品。制作されたのは2006年で、それから5年後の今年
2011年、やっと日本公開となりました!

その昔、奴隷船が出てくる映画といえば<プライド・オブ・ボルティモア>
が使われた「アミスタッド」という映画もありました。久しぶりに観直して
比較してみても面白いかも♪

「アメイジング・グレイス」公式サイト☆


☆「ナルニア国物語 第3章 アスラン王と魔法の島」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

原作は、言わずと知れた有名なイギリスの児童文学。今回目を引くのは、
<朝びらき丸>と邦名がついたバイキング・シップ。
オリジナルの名前<Dawn Treader>の船名を聞くと思い浮かべるのは、
静岡の海運・港湾物流業会社、鈴与グループ所属の同名スクーナー!?
2月25日より全国ロードショー。

「ナルニア国ものがたり」公式サイト☆

静岡の<ドーントレッダー>ってこんな船☆


☆「平成ジレンマ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・

ヨットをやっていらっしゃる方や、40代以上の方ならご記憶あるのでは
ないでしょうか?1980(昭和55)年に起きた「戸塚ヨットスクール事件」。
あれから30年。今もなお、ニートや引きこもりの生徒達をかかえるこの
スクールの今をとらえたドキュメント映画です。

2010年5月に東海テレビが制作放映した直後、再放送を望む声が殺到したとか。
背景には、モンスターペアレント、学級崩壊など、現在の教育現場が
かかえる深刻な問題があるのでしょうか。

全国順次公開中
「平成ジレンマ」公式サイト☆


☆「パイレーツ・オブ・カリビアン4 生命の泉」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第1作めから、回を重ねるごとに増す荒唐無稽感(^^;
それでもやっぱり観てしまうのは、娯楽作品としては文句ナシという点と
帆船が出てくるだけで盛り上がってしまう、という帆船ファンの性?

今回は、ジョニー・デップ以外のキャラクターは一新。ヒロイン「女海賊
アンジェリカ」は、先日お母さんになったばかりのスペイン人女優、
ペネロペ・クルス。

5月20日から全国ロードショー
「パイレーツ・オブ・カリビアン4 生命の泉」公式サイト☆


★ 元海王丸船長、荒川博さん&船舶海洋画家、谷井建三さんコラボ作品
    「船と海かるた」数量限定販売
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元<海王丸>船長にして、元航海訓練所所長でいらっしゃる荒川さんが
とっても楽しい「船と海かるた」を作られました!イラストは第42回「よろず帆船人」http://blog.seesaa.jp/pages/my/blog/article/edit/input?id=140088667にご登場下さった、画家の谷井建三さんです。

船と海かるた.JPG 船と海かるた 2.jpg
帆船ネタもいっぱい♪の「船と海かるた」


サイズはA4版で、一枚ずつ切り離して「手作り」します。
裏には手旗信号の覚え方、トリビアちっくなネタの解説など。
船仲間といっしょに遊べば、盛上ること間違いなし!

面白くてためになる「船と海かるた」は部数限定(500部)で、一部700円
(送料別)。荒川さん直販で、Salty Friendsが仲介します。
ご希望の方は、stbd@saltyfriends.comまで
タイトルを「船と海かるた購入希望」とし、お名前・ご住所・お電話番号・
購入希望数を書いてメール下さい。


★<あこがれ>「第64回 東京みなとまつり」参加決定!
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東京港が国際貿易港として開港したのは、1941(昭和16)年5月20日。
この日を記念して、毎年5月20日前後の週末、晴海埠頭を中心に
「東京みなと祭」のイベントが行われています。

2011年は、東京港開港70周年。これを記念して今年の「東京みなと祭」は
いつもの航海訓練所の大型帆船に加えて、大阪から<あこがれ>も参加!
期間中、一般公開とセイルドリル(展帆訓練)が予定されています。

晴海埠頭会場と「船の科学館」会場の2箇所で開催される第64回
「東京みなと祭」の詳細は、東京都港湾振興協会のサイトに近日中に
アップされる予定とのこと。お楽しみに♪


★復元帆船<飛帆(フェイファン)>、解体決定・・・!
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毎年「長崎帆船まつり」に華を添えていた、中国明朝〜清朝初期
時代の復元帆船<飛帆>が、老朽化のため今年の「長崎」を最後に
解体されることが決定しました。ショック↓↓↓

<飛帆>は、その昔中国の福建地方で作られていた木造船
<大福船>の船型を復元したもの。かつて日本と中国を結んでいた
海洋文化、交流の歴史の象徴ともいえる、貴重な船ゆえに
今回の決定は、残念でなりません。

http://www.nagasaki-np.co.jp/news/htb/2011/02/26093942.shtml


★ネルソン提督の旗艦<HMSヴィクトリー>、大規模修復へ!
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英国のポーツマス軍港、ヒストリック・ドックヤードに保存されている
戦列艦<ヴィクトリー>は、1765年に建造された第一級戦列艦。現役艦船と
しては、世界最古です。
ナポレオン戦争時代の「トラファルガー海戦」で、ネルソン提督の旗艦を
つとめ、フランス・スペイン連合艦隊を撃破(ネルソン提督自身は、戦闘中
敵弾を受け死亡)。

ポーツマスには1922年から係留されていますが、立派な現役の軍艦で
今でも新任の艦長は、<ヴィクトリー>で「艦長心得」を学ぶことになって
いたり、重要な海軍の式典の会場としても使用されています。

HMS Victory 2005,IFOS.jpg
2005年ポーツマスで開催されたInternational Festival of the Seaにて。
<ヴィクトリー>一般公開には長蛇の列。


この<ヴィクトリー>が、今年2011年夏から船底を中心に船体全体を
補強する、10年がかりの修復工事に着手するとのこと。折しも英国では
財政赤字のため国防予算も大幅削減となり、海軍もその波をかぶりつつ
あります。が、そこは焼失した<カティ・サーク>復元の為に、あっという
間に膨大な寄付が集まってしまう英国。きっと「我らが<ヴィクトリー>を
守れ!」とばかりに、あちこちからボランティアや寄付が集まるのでしょう。

<ヴィクトリー>と同じ敷地内に保存される、ピカピカの<HMSウォリアー>は、
日本の<明治丸>と「同い年」。この扱われ方の雲泥の差・・・###

ふらふら・・・と書いてしまいましたが、よく調べたら<ウォリアー>の方が
14歳も年下でした!!爆弾
お詫びと共に訂正させていただきます。申し訳ありません!



★<みちのく丸>北前船の航跡をたどる旅
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北前船<みちのく丸>は、復元「北前船」としては日本で唯一
実際に航海できる貴重な船です。昨年は、船体の腐食等から
一時航海を中断し、リフィット作業が行われていました。

今年は北海道から島根まで、「北前船」の航跡をたどる航海が
計画されています。
2011年7月に青森を出航し、北海道に寄港した後、島根県へ。
福井、石川、富山、新潟、山形、秋田の各県に寄港しながら日本海
沿岸を北上し、8月末に青森へ帰港する予定。

関連記事☆

みちのく4.jpg
(写真提供:みちのく北方漁船博物館)


★「英国帆船軍艦のマスティングとリギング 1625〜1860」翻訳本
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帆船模型製作者の間では「バイブル」的存在だったこの本。
英語が堪能な方は、原書で買って読んでいた方もたくさん
いらっしゃると思います。
そんな憧れの本が、横浜帆船模型同好会会長、山本信樹さんの
手によって翻訳され、このたび海文堂より出版されました。

帆船模型の参考書としてだけでなく、当時の帆装軍艦の歴史を知る
上でも貴重な資料です。

◇書誌データ◇

ジェームス・リーズ 著(英国国立海事博物館 上級管理官)
山本信樹 訳(横浜帆船模型同好会 会長)

A4上製・352頁・定価(本体12,000円+税)
ISBN978-4-303-10260-9
初版2011年2月発行

http://www.kaibundo.jp/syousai/ISBN978-4-303-10260-9.htm

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□■日本丸出航レポート By ぐんそう & おまけ:「海と船のおはなし会 & 旧大瀬ア灯台見学会報告■□

去る2011年1月12日、東京お台場「船の科学館」前にある航海訓練所桟橋で、
帆船<日本丸>の出港式が行われました。

ここ数年、大雨に強風と天候に恵まれなかった<日本丸>出港式ですが、今年
は幸いにも絶好の晴天で、狭い桟橋は遠洋航海の壮途につく「太平洋の白鳥」
を見送ろうという人々であふれていました。

1300時、厳粛な雰囲気のなかで出港式が始まり、各界の名士が練習生たちを激
励します。昨今の日本海運業界を取り巻く情勢は厳しく、これから海を目指す
練習生たちの前途にも数多の困難が予想されますが、日本を支える海運の担い
手としての技量と誇りを、<日本丸>でのセイルトレーニングによって培って
もらいたいものです。

1330時、式典も終わり、参加者たちが次々に下船してきます。命令が飛び交い、
乗組員が叩く出航合図の銅鑼の音が響くなか、陸と船とをつなぐタラップが引
き上げられました。

登檣礼.jpg
右舷と左舷、調子をあわせながら一段ずつ登っていきます。


1400時、船上のスピーカーから、次々に号令が発せられます。いよいよ出港式
のクライマックス、登しょう礼の始まりです!
古くはイギリス海軍を起源とする登しょう礼は、船の全員が王を歓迎している
というデモンストレーションだったとも、船内の大砲に人員を配置していない
ことを示す平和の意思表示だったとも言われていますが、現在に至るまで帆船
における最高の儀礼となっています。

号令一下、選び抜かれた練習生たちが「ましら」(猿)のごとくシュラウドを駆
け登り、それぞれのヤードに散っていきます。<日本丸>の黄色いマストは、
たちまち練習生の白い作業服で彩られました。
全員が配置についたことを確認すると、船首のバウスプリットに陣取った練習
生のリーダーが声を張り上げます。
「ごーきげーんよーう!」
マストに登った練習生たちも、いっせいに帽子を振り上げ、これに唱和します。
「ごーきげーんよーう!」」
これを三度繰り返すのが、帆船<日本丸>伝統の登しょう礼です!

船館UW.jpg ポン丸UW1.jpg
左:「安全な航海を祈る」という意味の、船館の「UW」旗流信号。
右:それに答える<ポン丸>の「UW1」は「貴方の協力を感謝する」。


練習生たちの声が空に消えると同時に、甲板上の動きが慌しくなり、次々と舫
い綱が解き放たれました。東京税関音楽隊が勇壮なマーチを奏でるなか、帆船
はタグボートに導かれながら岸を離れます。別れを告げる汽笛が、船から高く
鳴り響きました。

これに応えるように、背後から港を圧するような汽笛が響きわたります。「船
の科学館」からの祝福です。振り仰げば、展望塔にひるがえるUW(ご安航を!)
の旗。船の形をした博物館ならではの、粋な見送りと言えるでしょう。

出航見送り.jpg ハワイへ!.jpg
左:見送りの関係者や家族、一般のお客さんでごった返す桟橋。
右:東京湾の入り口に進路を向ける<ポン丸>。いってらっしゃーい!


桟橋の人たちが、ちぎれんばかりに旗を振るなか、<日本丸>は舳先をゆっく
りと海に向けました。甲板上では練習生や乗組員が、帽子を大きく振っていま
す。昔から世界の海で行われている別れの挨拶「帽振れ!」です。
早くも傾き始めた冬の陽光に美しいシルエットを浮かび上がらせながら、帆船
<日本丸>は日本の海を担う若人たちを乗せて、はるかハワイへと旅立ってい
きました。彼らの航海に、良い風が吹きますように!
 
(レポート&写真 By ぐんそう)

★おまけ★

メルマガ発行が遅くなったために、今頃ご報告ですm(_ _)m
昨年12月18日、船の科学館3階読書ルームで「第3回海と船のおはなし会」
を開催しました。

今回は、11月に行った第2回に引き続いて「灯台記念日」関連。
おはなしはヒルデガード・H・スウィフトの
『ちいさな赤いとうだい』です。
実際にアメリカ、ハドソン川の河口に立つちいさな赤い灯台が
主人公のこの本は、1942年から読み継がれる名作。絵本はこの
灯台の保存運動の一環として出版されました。

後から建設された巨大な鋼鉄の橋、ジョージ・ワシントンブリッジと
ちいさな赤いとうだいのやりとりに、思わず胸が熱くなります。

今回はスタッフの都合で土曜日に設定したため、いつもよりお客様の
数は少なめでしたが、不幸中の幸い?我々も一緒に床に座って、
子供たちの目の前で読むことができました。

第3回海と船のおはなし会 Gingaさん.jpg 第3回海と船のおはなし会 タネ明かし.jpg
左:看板のちぎり絵が「可愛い♪」とお褒めの言葉をいただきました。
  (写真提供:SFボラチーム Gingaさん)
右:今回も波の効果音(大豆)を使用。終わってからタネ明かし。
  実際に自分で音を出してみて、みんな目がキラキラ***


そして今回もおはなし会終了後、全員で旧大瀬埼灯台へ移動。
館内放送も流し、他のお客様も時間内は自由に見学していただけるよう
SFボラチームがご案内しました。

ハリーさん 灯台解説.jpg 第2回大瀬ア灯台見学会.jpg
左:読書ルームで。おはなし会終了後、元海上保安庁の「ハリーさん」こと
  梁木さんによる灯台のレクチャー。予習するとしないとでは、
  実際に見たときの理解度が違います。
右:ひと通りレクチャーを伺ったあと、灯台へ移動します。

 大瀬ア灯台 錘 Gingaさん.jpg 大瀬ア灯台 点灯 Gingaさん.jpg
左:旧大瀬崎灯台の「錘(すい)」。今は電動ですが、その昔は
  オモリを巻き上げ、その重さでレンズを回転させていました。
右:船館にある「旧大瀬埼灯台」のレンズは釧路灯台についていたもの。
  オリジナルの灯質は白色で、東京港晴海埠頭に近い「ホテルマリナーズ
  コート東京」のロビーに展示されています。
  (写真提供:SFボラチーム Gingaさん)

大瀬ア灯台 点灯.jpg
そして見学会終了後は、点灯!オリジナルの灯質は白色ですが
釧路灯台の赤・緑が、クリスマスにはバッチリ☆でした♪

ひらめき次回の「海と船のおはなし会」は、春休みに行う予定です。
詳細は決まり次第、アップいたしますひらめき

灯台お掃除1.jpg 灯台お掃除2.jpg 灯台お掃除3.jpg
この一般公開のために、SFボラチームで約一ヶ月かけて
旧大瀬埼灯台をお掃除しました。ゴミを出し、剥がれたペンキや
外側の鳥のフンやサビなどを落とし、ブラシ・タワシ・モップ
などを使って清掃。そして大好きなペンキ塗り♪
「きれいになった」と船館からも大変感謝されました。

参加されたボラチームの皆さま、本当にお疲れ様でした!
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□■ 南十字星の下、三色旗ひるがえし    南米帆船レース Velas Sudamerica2010 参加レポート その3 By Qたろー ■□

◇いよいよ乗船!前に思いついた「企み」◇

前回行きそびれたチリ海軍の兵学校や図書館も訪問し、ひと通り友人達との
旧交を温めつつ帆船まつり会場に日参するうち、あっと言う間に一週間が
過ぎてしまった。
4月19日夕方、荷物をパッキングし直し、お世話になった友人とその家族に
厚く御礼を言って、見送りに来てくれた元チリ海軍の友人とタクシーに乗る。

再びバルパライソの海軍基地に行くと、いたいた!<エウロパ>は、
ちゃんと元いたバースに戻って来ていた。ほかの帆船たちは、次の寄港地
チリ北部のアントファガスタへ向かって北上中のはずだ。
スペイン人のクルーが出迎えてくれ(おぉ、オランダ船でもスペイン語が
通じるゾ、こりゃラッキー♪)キャビンに荷物をかつぎ込む。

Europa en desfile.jpg
帆船パレードで、他の船たちと一緒に一旦出港する<エウロパ>。
今回の参加帆船のなかでは唯一、民間の船。


乗船手続きをしてくれたパーサー(船の事務方)は、小さな可愛いドイツ
人の女の子で、彼女もスペイン語を話す。聞けば何年かエクアドルで仕事
をしていたという。
手続きが済んだ後、まだ出港までに2時間ほど余裕があることを確認すると、
急遽、私はこの二、三日考えていたある計画を実行に移すことにした。

突堤の先に停泊しているチリ海軍の巡洋艦<ブランコ・エンカラーダ>ク
ルーの友人も、ちょうど当直が終わったからと見送りに来てくれており、
彼らに私の「企み」を話すと、ビックリしながらも「それは素晴らしいア
イデアだ!協力するよ」と賛同してくれた。持つべきは友、である。

私が思いついたこと・・・・それは、チリ北部のイキケという町の沖を通る
時に、船から海に献花をすることだった。


◇イキケ海戦◇

今をさかのぼること約130年程前、チリと国境を接するペルー、ボリビアの
三国間で国境線をめぐる戦争が起きた。
普通、われわれ日本人が「太平洋戦争」といえば、先の第二次世界大戦中、
太平洋地域で行われ、わが国が連合国側に無条件降伏した戦争を指す。が、
南米で「La Guerra del Pacifico:太平洋戦争」といえば、19世紀の終わりに
上記の三国間で行われた戦争のことをいう。
紛らわしいので、ここでは「南太平洋戦争」としよう。

この南太平洋戦争中の1879年、開戦当初はペルー領だったイキケ沖で、両国海
軍の軍艦4隻による激しい海戦が行われた。
雌雄を決すべく最後に対峙したのは、チリ側、木造汽帆船のコルベット艦<エ
スメラルダ>(二世)、艦長はアルトゥーロ・プラット中佐。対するペルー側
の船は、砲塔装甲艦<ワスカル>、艦長はミゲル・グラウ大佐だった。

Corbeta Esmeralda 2.jpg Huascar, 2003.jpg Huascar, World Ship Trust.jpg La Esmeralda y Huascar.jpg
左上:バルパライソの海軍海洋博物館に展示される<エスメラルダ>二世の
   模型。
右上:イキケ海戦の5ヶ月後、アンガモス海戦でチリに捕獲され、現在も記念
   艦としてタルカウアーノに洋上保存される<ワスカル>。
左下:<ワスカル>の艦内に展示される「記念艦登録証」。
右下:<ワスカル>の衝角攻撃を受け、炎上、沈没する<エスメラルダ>
   ペルー、カヤオの海軍博物館にて。
  

当時はまだやっとスクリュー推進の汽走軍艦が、南米の海軍でも常用されるよ
うになったばかりで、両艦とも(あくまで機関の補助的な存在ではあったが)
立派なマストやヤードを持った汽帆船だった。
3時間以上におよぶ激闘の末、<エスメラルダ>は大破し轟沈。乗組員197名中
プラット艦長を含む135名が死亡(ウァスカル側は死者1名、負傷者7名)とい
う被害を出した。チリはこの後、アンガモスの海戦で雪辱を晴らすのだが、
それはさて置き。

バルパライソを出て、他の船たちはアントファガスタに寄るのだが、
われわれトレイニーを乗せるため、一日余分にバルパライソに留まった
<エウロパ>はそこには寄らず、直接ペルーのカヤオに向かう。
そのカヤオにいたる道中、船はイキケ沖を通るのだ。
よく考えたら「エスメラルダ友の会」(以後『エ号友の会』)会員として、
二世が沈んでいる海の上を黙って通りすぎるなんてことは…できないよなぁ;;
というわけで、船からその海域で献花をすることを思いついたのだった。

実を言うと、献花は初めてのことではない。前回2003年、チリに行くことに
なった時、当時の「エ号友の会」顧問、戦史研究家で翻訳家の故・妹尾作太男
さんに依頼され、「友の会」代表として、バルパライソにあるイキケ海戦英雄
記念碑に献花をしたことがある。

記念碑に花を捧げてきて欲しいと言われた当初、「えーと、そのへんの花屋で
適当に花束を買ってきて、お供えすればいいのかな」と、いわゆる日本のお墓
参りを想像していた私。
ところがっ!行ってみたらお墓参りどころか、規模は小さいながらも、海軍の
正式な献花式典。前述のマルティネス提督介添えのもと、儀仗兵や在チリ日本
企業関係者の立ち並ぶなか、日本国旗を模した花輪を記念碑に捧げ、さらに衆
目にさらされながら地元新聞社の取材を受けるという、フツーの庶民には驚天
動地なイベントになっていたのであった。

Esme haciendo reparaciones.jpg Monumento de Iquique.jpg Boya Esmeralda.jpg Memorial Capt. Prat.jpg
左上:プラット艦長が、敵艦<ワスカル>に斬り込む前、口にした「勝利か、
   さもなくば名誉ある死か」(VENCER O MORIR)は、今もチリ海軍のス
   ローガンとして、所属艦船のブリッジを飾る。写真は海軍工廠で
   リフィット作業中の<エスメラルダ>。
右上:2003年、献花式典を行ったイキケ海戦英雄記念碑。この時飾られていた
   花環は、南米帆船まつりのロゴをかたどったもの。碑の地下は霊廟。
左下:イキケの<エスメラルダ>が沈んだ場所に浮かぶ浮標の模型。
右下:<ワスカル>のデッキ上、プラット艦長が斃れた場所に立つモニュメン
   ト。側にはアンガモス海戦で戦死したペルーのグラウ艦長(死亡時は
   少将)が斃れた場所をしめすモニュメントも。


あれに比べれば、船での献花はさほど大変なことはないだろう。もちろん、
オランダの船で日本人である私がそういうことをするに当たって、船長の許可
が下りればの話しではあるが。
もしお許しがもらえなかった場合…花はキャビンのインテリアにでもしよっと!

◇花束をかかえて、イザ出航!◇

とりあえずキャビンに荷物を放り込み、デッキで待ってくれていた友人達
と、今度はお花屋さん探しだ。<エウロパ>のチョッサーに「買い忘れたもの
があり、一時間程で戻るから」と断って、ふたたび岸壁に上がる。

海軍基地周辺に花屋はない、ということで仕方なくバスに乗り、再度町の中心
部、セントロへ逆もどり。
何人かの通行人に尋ねまくり、ようやく一軒、小さなお店を見つけた。比較的
鮮度の高そうな花を花束にアレンジしてもらい、リボンもかけてもらう。
ちなみに、置いてある花の種類は日本ほど多くなく、値段も他の物価に比較す
るとかなり高い!南米では家に花を飾る場合、手間のかからない安価な造花を
使うことが多いからだろうか。

とにかく目的は達したので、ダッシュで基地に戻ると、ちょうど出航前の最後
の点呼を始めたところだった。チリの友人達とは、名残り惜しいがここでお別
れだ。

出航準備で周囲が慌しくなっていく中、デッキでは一目でキャプテンと分かる
バイキングの親分のような男性が、我々トレイニーを集めてまずは自己紹介。
クルーもざっと紹介した後、船内での生活や緊急事態の対処などについての説
明を始めた。その間、全員に琥珀色の液体が入った小さなグラスが配られる。
えっ?何すかこりゃ?と、隣に立っていた男性に聞くと「コニャックだよ」とのこと。
「では、航海の無事を祈って乾杯しよう」「Cheers!」うっ…;;限りなく下戸
に近い私だが、この場は飲むしかない。

first meeting Europa.jpg noche de zarpar.jpg
左:乗船して最初のミーティング。スピーチしているのは「よろず帆船人」
  インタビューにも出て下さったクラース船長。
右:いよいよペルーに向かって出航。写真右手は海軍基地。左手がバルパライ
  ソの町。


一方、岸壁では最後の離岸作業中。私の友人達も、ごく自然に綱取り(船の離
着岸作業を補佐する仕事)を手伝ってくれている。さすが船乗り。
いよいよギャングウェイが外され、舫っていた最後のホーサーが船内に取り込
まれると、船はゆっくり岸から離れ出した。

エンジンの回転数の上昇とともに、どんどん岸壁で見送る友人たちの姿が小さ
くなっていく。側に停泊していた<ブランコ・エンカラーダ>が「ボー、ボー、
ボー」と長音三声で見送ってくれ、<エウロパ>も同じように長三で応える。
私の大好きな海の習慣だ。

ずっと手を振ってくれていた岸壁の友人達も闇に溶け、夜のバルパライソ港を
出た<エウロパ>は、私が一週間滞在したビーニャ・デル・マルを右舷に見な
がら、進路をほぼ真北にとった。
メスルームのワッチ表で確認すると、私の所属は「White Watch」で最初の当
直は、いきなり「0ー4」(ゼロヨン:午前12時から4時まで)。よっしゃ〜!
イキケでの献花の件は、明日キャプテンに相談してみよう。

さぁ、先に行った船団を追いかけ、ペルーのカヤオに向かってSet sail!!

(続く)
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□■ おススメ☆彡塩本「ピー、うみへいく」[1] By みっきー ■□

今月より、おススメの塩本を紹介していきたいと思います。

記念すべき一冊目は、
P1020525.jpg
「ピー、うみへいく」
作者:瀬田貞二
絵:山本忠敬
発行:福音館書店
月刊で発行されている絵本「こどものとも」よりお気に入りの
一冊をご紹介します。

主人公は、港の遊覧船のピーです。
日々港の中を観光客を乗せてまわっている小さな船でした。
港の中はどこでも説明できるのですが、防波堤の外は知りません。
そんな彼に、ある日海外から来た大きな客船が、大海原の事を話してくれます。
   ひろい うみの こと、
  あかるい かぜの こと、
  おおきな なみの こと、
  ちいさい しまの こと、

こんなお話を聞いてしまったピーは、明くる日の朝早くに、防波堤の外の大海原へ。
気持ちよくって、楽しくって。
でも、海に黒い雲が!
あっという間に嵐になってしまい、ピーは
  めがまわって、
  ほねが、
  ばら ばらになりそうでした。

助けてくれって叫んで、水を飲んでしまい、危うく沈みそうになったところへ、勇ましい巡視船が!
港へ曳航されて戻り、ああ、やっぱりぼくは港の中がいいな、と。
最後のページで、目をつぶって寝ているピーの姿が出てきますが、とても可愛いです。

私自身が、子供の頃、初めて文字が読めるようになった頃に読んでいた本です。
思い出が多く、今でも実家には大事に置いてある本ですが、港の遊覧船が大好きになりました。
父の休みの日に連れられて、港の遊覧船に乗せてもらえた時のことを覚えています。
嬉しくて「ピーが港のこと教えてくれたよ」と色んな人に自慢していました。

作者の瀬田貞二は、多くの児童書の翻訳などをされた方ですが、
言葉選びが緻密で読みやすい。
山本忠敬も「しょうぼうじどうしゃ じぷた」など有名な乗り物の絵本を描かれています。
じぷたもお気に入りでしたが、同じ優しさ、楽しさがピーにもあるようです。

最初に発行されたのは、1966年の本ですから、港の景色も今とは変わっているかもしれません。
でも、船の優しさ、楽しさは同じように伝わってくると思います。

現在、入手が難しいようですが、図書館などでは必ずといっていいほど在る本です。
ぜひお子さんに読み聞かせる、もしくは子供の心に戻って読んでみてください。

良い本ってのは、どんなときでも心の中の宝物だと思います。
今後も、優しさ、楽しさを感じる本を紹介したいと思います。
(みっきー)
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□■ よろず帆船人突撃インタビュー [51] イラストレーター 西村慶明さん ■□

帆船の絵だけでなく、客船、鉄道、ダイビングの世界でも大活躍中!
西村さんのご先祖様は、「北前船」で絵も運んでいた雑貨屋さん。

今回は、東京お台場「船の科学館」で開催された「全館まるごと
美術館計画 海洋船舶画の世界展」会場でお話を伺いました。


◇西村さんプロフィール◇

お名前:西村慶明(にしむらよしあき)さん
ご生年:1948年
ご出身:京都府舞鶴市

ご趣味:鉄道模型(半分仕事)、ダイビング写真(これも半分仕事)
    「・・・好きなことを仕事にすると、趣味がなくなっちゃいま
    すね(笑)」とご本人。

西村慶明さん.jpg
船の科学館「全館まるごと美術館計画 海洋船舶画展」会場にて


以下、西村慶明さん:YN 敬称略
   Salty Friends:SF
(添付写真のキャプションは、すべて西村さんご本人によるコメントです)


SF:そもそも、絵を志されたきっかけは何だったのですか?

YN:実家が、江戸時代から船の絵も扱う雑貨屋のようなことをやっていまして。
  ふすま絵、屏風絵、錦絵などを、京都から絵師を招いて描かせ「北前船」
  に積んで北海道へ売りに行っていたんです。
  
  実家にこれらの絵がたくさん残っていて、小さい頃はよくこれに落描きを
  (!)していました。なので、最初に親しんだのは実は墨絵なんです。

西村慶明さん作品 1:.jpg 西村慶明さん作品 2:.jpg
左:米国の5本マスト・木造スクーナー、船名は特定せず。戦前、シアトルか
  ら米松を積んで日本へやってきていました。場所は三陸沖。鳥の群れは
  オオミズナギドリです。
右:オランダ・テクセル島沖をかすめてドイツに向かうドイツの3本マスト・
  バーク型練習帆船のイメージ。ドーバー海峡をすぎると、帆船は浅いテム
  ズ河口をさけてオランダ寄りを走ってゆきます。
  
  
YN:海上保安庁から海上自衛隊に入った父の仕事の関係で、高校の時に上京し
  その後進学する時に「絵をやりたい」と。ただ、絵描きでは食えないぞと
  家族に反対されましてね。では商業デザインをやろうと、1968年に東京
  渋谷区にある、桑沢デザイン研究所に入学しました。
  
  その後父が海自を退職し、大阪商船に入社。今度は貨物船の通信長になっ
  たんです。その頃は寄港地に船が入るたび、母の代理で父に着替えなどを
  届けに行っていました。
  ちょうどその頃写真をやりだした私は、父に届けものに行くたび、沖に停
  泊していた船を外から撮っていたんです。
  
  その写真を、当時サントリーに勤めていた従兄弟に見せたら「うちに船好
  きのイラストレーターさんがいるよ」と、柳原良平さんを紹介されました。
  当時、買ったばかりの望遠レンズを使って写真を撮っていたんですが、ご
  存知のように、望遠を使って撮ると被写体が少し左右に縮みます。これを
  柳原さんにお見せしたら「面白い」と。
  
  で、柳原さんに「僕のイラストの資料のために、写真を撮って欲しい」と
  頼まれまして、在学中にバイトで船の写真を撮っていました。
  
西村慶明さん作品 3:.jpg 西村慶明さん作品 4:_edited-1.jpg
左:フランスの鋼製ニッケル鉱石運搬船「フランス」2代目です。ニューカレ
  ドニアのヌメアからアフリカ廻りでボルドーまで年1往復の航海をやりま
  した。手前の大型タグはケープタウンのもので、「サー・デイビッド・
  ハンター」。ケープタウン寄港時の情景です。
右:オランダ・北海運河を帆走するポーランドの練習帆船「ダー・ポモーザ」。
  北海沿岸のアイムイデンからアムステルダムまで49マイルの航行です。
  KLMの機内誌「ウインドミル掲載。
  
  
SF:柳原良平さんと言えば、最近またハイボールが流行っているらしく、時々
  「アンクル・トリス」を見かけますね。では船の写真がご縁となって、
  柳原さんと一緒にお仕事をなさることになったんですね?
  
YN:そうなんです。それからしばらくバイトで資料の写真を撮っているうちに
  柳原さんから「一緒に本を作ってみないか」と誘われ、至誠堂で編集兼
  カメラマンの仕事を始めました。「柳原良平 船の雑誌」など、色々な仕
  事をご一緒した後、オーシャンライフに入社。10年ほど編集の仕事をした
  後でフリーになり、現在に至っています。
  
  
SF:なるほど。柳原さんとの出会いがあったから、今の西村さんがいらっしゃ
  るんですね!
  ところで、ご実家は北前船、お父様は海保、海自、商船の船乗りでいらし
  たんですよね。ご自身はいかがですか?帆船の絵もたくさん描いていらっ
  しゃいますが、乗船、航海なさったことはありますか?
  
YN:はい、撮影のために<日本丸>や<海王丸>の回航などに乗せてもらった
  ことはありますね。あと、オランダで復元した<咸臨丸>の試験航海に乗
  せてもらい、北海を航海したことがあります。
  ただ、<日本丸><海王丸>の時は湾内ということもあり、ほとんどセイ
  リングしませんでしたから、実はこの時はまだあまり「帆船」はピンと来
  なかったんですよ。

  深く関わるようになったのは、オランダ政府観光局から依頼されて取材で
  行った1985年の「セイルアムステルダム」からです。この時、300mくら
  いしか幅のない運河を、帆をあげてガーッとセイリングする<ダル・ポ
  モーザ>などの帆船たちを見て、好きになっちゃいました!(笑)
  それから、これは本気で勉強しようと、あちこちの保存帆船を見てまわる
  ようになり、1997年に大阪で開催された「SAIL OSAKA'97」や、長崎のオ
  ランダ村などにも仕事で関わるようになりました。
  
  
西村慶明さん作品 5:.jpg 西村慶明さん作品 6:.jpg
左:ドイツ・Pラインの練習帆船「パミール」。戦後まで生き残り、オースト
  ラリアのポートリンカーンから小麦を運びつつの練習航海でしたが、大西
  洋で行方不明になってしまいました。
右:アメリカ南北戦争時代の南軍の襲撃艦「シェナンドー」。太平洋で北軍の
  捕鯨船を襲い続けました。ラメール連載の挿絵。
  

SF:オランダ村、ハウステンボスといえば<咸臨丸><観光丸>ですね!先程
  <咸臨丸>のテスト航海に乗船されたとうかがいましたが、あの船を日本
  に回航するとき船長をなさった野崎利夫さんにも、お亡くなりになる少し
  前、この「よろず帆船人」インタビューに出ていただいたんですよ。
  
(野崎利夫さんインタビュー記事:
http://saltyfriendstsushin.seesaa.net/article/120651500.html )

YN:そうだったんですか。野崎さんとはオランダで建造していた<咸臨丸>
  建造の現場で、よくご一緒していました。私は造船所のあるデンハーグに
  取材で一ヶ月滞在したのですが、毎日電話で進捗状況を日本に報告してい
  たんです。
  川縁の土手にあるメルウェーデ造船所は、昔ながらの船台で。近くに初代
  の<咸臨丸>を造った造船所の跡地も、産業遺産のような形で残ってい
  るんですよ。
  
  日本への回航には中村カメラマンが乗船して、私は乗らなかったのですが
  出航した早々にひどい天気で、そうとう揺れたらしいです。野崎さん、
  ほんとにユニークで臨機応変な船長さんでしたね。

SF:私も野崎キャプテンとはよく、元日本郵船の大河原さんのヨットでご一緒
  させていただきました。ほんとに楽しい方でしたよね。
  ところで、話は絵のことに戻りますが、西村さんはイラストを描かれる時、
  どんな画材、道具を使っていらっしゃるのですか?特別な「西村スペシャ
  ルツール」なんてあったりするのでしょうか?
  あと船、とくに帆船を描くときに、気をつけていらっしゃることなどあり
  ますか?

YN:そうですね、まず輪郭は「ロットリング」という製図ペンを使っています。
  私達の学生時代には烏口(からすぐち)という道具もありましたが、ロッ
  トリングの方が使いやすいので。彩色はもっぱらアクリル絵の具です。

  道具といえば、曲線定規はアクリル板を削って自作したりしますね。もち
  ろん市販のものも使いますが、なかなかピッタリくるものがない時は、自
  分で作っちゃった方が早いですから(笑)。

  帆船を描くときに一番気をつけるのは、リギング(索具、ロープ)の取り
  まわしです。図面を見ながら、一本のロープがどこから出てどこを通り、
  最終的にどこに繋がるのか、そして何のためのものなのか調べます。これ
  を理解していないと、正確な絵は描けません。難しい部分ですが、でも一
  度覚えてしまえば、他の船も基本的に構造は同じです。

  資料は図面が基本ですが、あれば写真もおおいに参考にします。図面は建
  造途中で変更になったり、運用中に改造が施されることもあり、実物と
  違っていることも多いですからね。
  
西村慶明さん作品 7:_edited-1.jpg 西村慶明さん作品 8:_edited-1.jpg
左:「プロイセン」。ドイツPライン所属の世界最大の5本マスト・シップ型貨
  物帆船。アメリカ・スタンダードのカン入り灯油を世界に配送していまし
  た。
右:アメリカ東海岸のフィッシングボート。店内装飾のための原画で船名は
特定しておりません。


SF:なるほど。模型と同じで「どの時点の艤装を選んで描くか」にもよる訳で
  すね。悩ましいところですね。
  では、もう既に何百隻と描いていらっしゃるとは思いますが、これから特
  に描いてみたい船というのはありますか?

YN:最近、幕末の船に関する資料が新たに出てきているので、そのあたりの船
  を描いてみたいですね。たとえば<いろは丸>とか。
  当時は、上海やインドネシアなどの植民地で建造された、素性の分からな
  い船がたくさん日本に入ってきていたようで、そのへんのちょっと面白い
  船を調べて描いてみたいと思っています。
  

SF:面白そうですね!どんな絵になるのか、また楽しみです。
  それでは最後に、Salty Friendsに何かメッセージをいただけますでしょ
  うか?

YN:大型帆船というものは、日本人にとっては敷居が高いというか、残念なが
  ら文化的に馴染みがあるとは言えません。でも面白い世界なので、ぜひ
  もっと皆さんに親しんで、そして学んでいただければ、と思います。
  
  
本当にそうですね!お忙しいところ、気さくに長時間のインタビューにお付き
あい下さいまして、どうも有難うございました!!

(インタビュー:Qたろー)
posted by SaltyFriends通信 at 22:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

□■ 編集後記 ■□

若気のいたり?で始めた帆船愛好会Salty Friendsも、はや丸7年。
とうとう、8年目に突入しました!スタッフも皆、いわゆる
「働きざかり」と言われる年代ド真ん中(もう通り過ぎようと
している人もいますが(笑))です。

SFボラチームメンバーとあわせて、それぞれ結婚、出産、子育て、
親の介護、自身の体調不良などで、なかなか思うように活動の
時間がとれないこともある今日この頃です。

そのような事情で、ここ数ヶ月の「Salty Friends通信」同様、
また発行テンポが乱れることもあるかと思いますが、何卒ご理解、
ご了承下さいますようお願い申し上げます。

今もそしてこれからも、一番好きなものが帆船であるということに
変わりはありません!
今後も可能なかぎり、SFの活動に時間を割いて、皆さまに帆船の
すばらしさをお伝えしていければ、と思っております。

(Qたろー)

メッセージの宛先は全てコチラ ⇒ stbd@saltyfriends.com。
みなさまからのお便りお待ちしています!
∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽
帆船で 海、 行く?『Salty Friends通信』毎月10日頃配信
 ★編集:Qたろー(SaltyFriends http://saltyfriends.com
 ☆配信先アドレスの変更・配信停止をご希望の方はこちら
  ⇒https://regssl.combzmail.jp/web/?t=df20&m=u2sn
∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽∝∽∽
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2010年11月10日

☆ SaltyFriends通信 12月号 ☆

OoOoOoOooooo  ooooOoOoOoOoooooooo  
o☆oOo           oooOoOoOooooo
Ooo                             
o   〜 帆船で海、行く? 〜
   
     ★★ SaltyFriends 通信 ★★ 79号   2010.12.25

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜帆船の最新情報は ⇒ http://saltyfriends.com 〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

発行が遅れてしまい、申し訳ございません。
一月以上遅れてしまい、楽しみにしていただいてる読者の皆様には
御迷惑おかけしました。

それでは、12月のSaltyFriends通信、出航です!
posted by SaltyFriends通信 at 22:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

■■ 目次 ■■

┏┓
┗■ 12月のSaltyFriends通信 ==================

┏◆  《 スターボード & ポートカレンダー 》

┣◆  《 CH16 》

┣◆ よろず帆船人突撃インタビュー〔50〕
┃   (財)海技教育財団会長 埼長保英さん
┗◆ 今年も出ました!Sea Front Museum 2010

◇ メルマガ全文をサイトで読む・・・
---> http://saltyfriendstsushin.seesaa.net/
posted by SaltyFriends通信 at 22:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

■■ スターボード&ポートカレンダー ■■

OOoo.. "生"の帆船&オカのイベントのカレンダー。
「こんなのありますよー」というみなさんからの情報お待ちしています!
stbd@saltyfriends.comまでお寄せ下さい。..ooOO

◇◇◇◇◇◆◇  スターボード:@フネのイベント  ◇◆◇◇◇◇◇
………………………………………………………………………………………
--------------------------≪国内&近隣≫--------------------------
船フネに乗る!

▽帆船<あこがれ>
……………………
#入門コース
12/25(土)-12/26(日)  1泊2日コース  [大阪南港〜大阪南港]

2011年
03/05(土)       1日体験航海  [大阪南港〜大阪南港]
03/06(日)       1日体験航海  [大阪南港〜大阪南港]
03/12(土)-03/13(日)  1泊2日コース  [大阪南港〜大阪南港] *満席
03/19(土)-03/21(月・祝)2泊3日コース [大阪南港〜大阪南港]
03/26(土)       1日体験航海  [大阪南港〜大阪南港]
03/27(日)       1日体験航海  [大阪南港〜大阪南港]


▽帆船<海王丸>
……………………
位置情報■国内体験航海
2011年
02/02(水) - 02/07(月) 5泊6日 [門司港〜鹿児島港]
02/11(金) - 02/16(水) 5泊6日 [鹿児島港〜那覇港]
02/21(月) - 02/26(土) 5泊6日 [那覇港〜別府港]

2011年
02/27(日) 別府港停泊中
申込期間:11月15日(月)〜2011年1月21日(金)

参加料:2,000円
◇お申し込み方法等詳しくは→ 財団法人海技教育財団HP http://www.macf.jp/


船フネを見に行く!
◆セイルドリル(展帆)を見に行く
`````````````````````````````````````````````````````````
今年の"初代"<日本丸>(横浜)と"初代"<海王丸>(富山)の総帆展帆は全て終了しました。
来春が待ち遠しいですね。

演劇"初代"<海王丸>/海王丸パーク  
演劇"初代"<日本丸>/日本丸メモリアルパーク  


………………………………………………………………………………………
-----------------------------≪海外≫-----------------------------

◆オーストラリア木造船フェスタ
```````````````````````````````````````````````````````
MyState Financial "Australian Wooden Boat Festival"
http://www.australianwoodenboatfestival.com.au/
2010/02/11 - 02/14 《豪州》 タスマニア州ホバート


◇◇◇◇◇◆◇  ポート:@オカのイベント  ◇◆◇◇◇◇◇
………………………………………………………………………………………
--------------------------≪国内&近隣≫--------------------------
イベント博物館・資料館での企画展ほか

演劇『伊達の黒船二十年の航跡』
10/28〜11/29 慶長遣欧使節船ミュージアム[宮城・石巻]

演劇『海のむこうへのあこがれ 漂流記と漂流文学』
〜11/28 大黒屋光太夫記念館  [三重・鈴鹿]
*1802年、弁財船で漂流、20年ぶりに帰国した光太夫の記念館

演劇『海揚がりの備前陶磁 海に残された有田焼』
〜11/30 平城京歴史館  [佐賀・有田]
*坂本龍馬ゆかりの<いろは丸>から引き揚げられた焼き物の
展示もあり!

演劇『「トラファルガー海戦」ミニ企画展示&講演会』
11/19〜24 船の科学館  [東京・江東区]
*講演会は24日のみ
posted by SaltyFriends通信 at 22:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

■■ CH16 ■■

OOoo..帆船のイベントや話題を紹介する《Ch.16》。
帆船のニュースはstbd@saltyfriends.comまでお寄せ下さい.ooOO

★ 第36回ザ・ロープ帆船模型展[東京]
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今年も、平成23年1月16日(土)〜1月22日(日)の一週間ザ・ロープによる
帆船模型展が開催されます。
今年は、会場変更があり、
東京交通会館 B1美術ギャラリー「ゴールドサロン」
にて行なわれます。
詳しくは、こちらをご確認ください。
http://www.geocities.jp/therope1204/36tenjikaijo.html


★ 練習帆船<日本丸>遠洋航海お見送り [東京]
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1/12に日本丸が船の科学館横の航海訓練所桟橋よりホノルルに向け出港します。
出港時に行なわれる登檣礼をぜひ船の科学館からもご覧ください。
解説なども行なわれる予定です。
http://www.funenokagakukan.or.jp/news/?p=643


★ 南極の氷に挑んだ日本の船 [東京・船の科学館]
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「南極の氷に挑んだ日本の船
  −木造機帆船「開南丸」と歴代南極観測船−」 (巡回展) 〔東京〕
2011年1月22日(土)〜2月27日(日)
於:船の科学館

明治時代、日本人として初めての南極探検を成し遂げた白瀬矗。
彼が探検航海に使用したのは、小さな木造の機帆船<開南丸>でした。
現在の<しらせ>にいたるまで、歴代の南極観測船を振り返ります。

白瀬日本南極探
検隊100周年記念プロジェクトHP



★ 順風往来−薩摩をめぐる東アジア海域交流史 [鹿児島]
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開催中〜2011年1月24日(月)
於:坊津歴史資料センター輝津館

九州西南端に位置する「薩摩」をめぐる、東アジアの交流史をひもとく企画展。

企画展サイト


★ 第3回 海からあがった宝もの [愛媛]
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開催中〜2011年2月6日(日)
於:今治市村上水軍博物館

芸予諸島周辺の海底から引き揚げられた、水軍にまつわる貴重な資料を公開。

今治市村上水軍博物館HP


★ 第2回「横浜の帆船日本丸」写真展 [横浜]
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開催中〜2011年1月30日(日)
於:横浜みなと博物館

「横浜の帆船日本丸」をテーマに公募した写真、約130点を一堂展示。

【帆船日本丸・横浜みなと博物館】
posted by SaltyFriends通信 at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

■□ よろず帆船人突撃インタビュー〔50〕(財)海技教育財団会長、 埼長保英さん □■

記念すべき「よろず帆船人」50人めの方は、練習帆船<海王丸>のオーナー、
海技教育財団の会長、埼長保英さんです。

★注★サキナガさんの御名字「サキ」の正しい漢字は、山偏に
   旁が立、下に可の横棒なし、なのですが、文字化けしや
   すいため、あえて『埼』の字を使わせていただきます。
   何卒ご了承下さい。

ご存知のように<日本丸>は、独立行政法人航海訓練所所有&運航ですが、
対して<海王丸>は持ち主が海技教育財団、運航が航海訓練所。
そして<日本丸>が海洋系の専門学校、大学の学生さん達専用の練習帆船なの
に対し、<海王丸>は一般人も乗船可能な船です。

今回は海技教育財団のトップとして、帆船を使ってトレーニングする意義や
海運、教育の現況などについて、埼長さんが相談役を務められる川崎汽船のオ
フィスで熱く語っていただきました。

埼長会長 1.jpg
川崎汽船のコンテナ船<シカゴ・ブリッジ>にて。
右側が埼長会長。中央はインド人の船長さん。


埼長さんプロフィール
お名前:埼長保英(さきながやすひで)さん
ご生年:1939(昭和14)年
ご出身地:広島県
東京大学法律学科を卒業後、株式会社川崎汽船に入社。ハンブルク駐在員、
企画部長、などを経て、2000(平成12)年、同社社長に就任。2005(平成17)
年会長、2007(平成19)年より相談役。2009(平成21)年より(財)海技教育
財団会長、現在にいたる。2010年秋の叙勲で☆☆☆旭日重光章受章☆☆☆

ご趣味:読書、テレビ、ガーデニング、ゴルフ。いずれは海洋画、帆船模型に
    もチャレンジしてみたい!?

以下、埼長さん:YS(敬称略)、Salty Friends:SF


SF:まずは素朴な質問です。なぜ川崎汽船に入られたんですか?

YS:大学で法律学、とくに法社会学を勉強していたのですが、そろそろ就職
   を…と考え始めた頃、師事していた先生の知り合いから「川崎汽船に来
   ないか」と声がかかりましてね。
   まったく船や海運のことは知りませんでしたが、もともと出身が広島の
   江田島ですから、連絡船は日常的に使っていましたし、船は小さい頃か
   ら身近な存在でした。

   せっかく声をかけて頂いたんだし、じやあ行ってみようかな、と。すい
   ません、あんまり劇的なストーリーはないんです(笑)。
   

SF:そうなんですか。でもご縁があったということですね!
   では船に乗るようになられたのは、入社後ですか?

YS:それが私たちの時代は不況のドン底で、乗船研修がなかったんですよ。
   でも当時の海運会社としては、それがある意味、普通でした。私達の前
   の時代までは、陸上で仕事をする事務方も、研修で乗っていたんですけ
   どね。
   会社として一ヶ月とかの乗船研修をするようになったのは、私が入社し
   てしばらく経ってからのことでした。でも、その頃にはすでに年をとり
   過ぎていて(笑)。

   その後、ヨーロッパ勤務だった頃は、運航マネジメントの仕事をしてま
   して、その頃大きな貨物船などには何度か乗りましたね。あとは海事広
   報協会がチャーターした客船などでも航海したことがあります。
   
ア長会長 2.jpg
お頭つきのタイだっ***
長崎の大島造船所で、自動車運搬船<M・V・KARAWEIK>の入魂式。
「キャラウェイク」とは、ミャンマー語で不死鳥の意。
   

SF:なるほど〜。では現在の海技教育財団会長さんのお仕事についてお聞か
   せ下さい。具体的には、どんなことをなさっているのですか?
   
YS:まず日常的な実務は、常勤の理事長や事務局長などのスタッフが進めて
   くれていますので、非常勤の会長である私は、財団の活動が円滑に遂行
   されるよう配慮することを心がけています。
   
   財団では海洋関係の学校の学生さんや、生徒さんへの奨学金を貸与して
   いますが、厳しい社会情勢の中で、このような財政的支援を維持し、拡
   充していくための基盤を強くすることが求められると思っています。
   関係先にこのような事業の必要性、拡充のご理解を得るように努力して
   います。

   良い船乗りを育てるは、まず海に関連する仕事に魅力を感じてもらい、
   希望者を増やさねばなりません。いろいろな機会に、海に関連する仕事
   の魅力を話したり、書き物で触れたりするように努めています。

SF:そのあたりで<海王丸>が登場するわけですね。海技教育財団さんが帆
   船を使ったトレーニングをお続けになる理由は、やはり良い船乗りを育
   てるということと、海事思想普及の二点にありましょうか?

YS:そうですね。<日本丸>の方は、将来船員をめざす学生さん達専用の船
   ですが、<海王丸>は人員、日程に余裕がある航海では、一般の方も乗
   船可能です。これは現在の二世を建造する時、一般の皆様からもご寄付
   をいただいたことによります。
   
   ただ、厳しい予算の中でやりくりしており、近年一般の方の乗船枠が少
   なくなっている状況です。このあたり、学生さんたち実習生の訓練を主
   目的にしているということで、ご理解をいただければと思います。
   あと、少し長い航海になると、訓練生として乗船される一般の方は、
   やはり年配者が多くなりますね。もっと若い人にも沢山乗っていただき
   たいんですが・・・。
   
海王丸@船館.jpg
昨年の冬。遠洋航海の準備をしながら、東京お台場「船の科学館」横の
桟橋に係留中の<海王丸>。


   海事思想の普及については、日本各地の港で一般公開やセイルドリルを
   したり、海洋教室を開催したりしています。
   そうそう、この間初めて新潟港にも寄港したんですよ!最近の寄港地は
   お馴染みの港が多かったのですが、今回新潟は初めてということで、
   いろいろ調整や手配が大変だったようです。

SF:初めての港ということは、きっと初めて海王丸をご覧になってファンに
   なった方も多かったでしょうね!
   ところで、周囲を海に囲まれている日本は「海洋国家」と言われてはい
   ますが、それについてはどう思われますか?

YS:最近では、プールで泳いだことはあっても、海に入ったことのない子供
   もいるそうです。やはり昔にくらべて、海に接する機会そのものが減っ
   ているんでしょうね。
   これは、子供たちが受ける基礎教育の中で、海事に関する要素が極端に
   少ない、ということも原因の一つになっているかもしれません。

   ただ、例えば以前、船をチャーターして学校の先生たちをお乗せしたこ
   とがあるんですが、資料などをお渡ししても「カリキュラムが詰まって
   いて、教えている時間がない」と言われてしまうんです。これは教育シ
   ステムそのものの問題ではないでしょうか。日本は生活必需品の90パー
   セントを輸入しているのにも関わらず、です。

   私も教育関係の新聞に「もっと取り上げて欲しい」と要請したり「海の
   日」のPRに海運業界がもっとサポートしたらどうか、と業界内で提案
   したこともあるんですが、なかなかまとまらなくてねぇ…。

   ドイツのハンブルクに駐在していた時、港の近くにちょうど東京のお台
   場のような、観光スポットがあったんです。そこには出入港する船の船
   名や所属国を、付近を散策しているお客さんにアナウンスする「ウェル
   カムポイント」のような場所があるんですよ。
   いま目の前を通っている船が、どんな名前でどこから来たのか、そんな
   小さなことでも船に親しむ機会のひとつになるわけです。日本はもっと
   海浜公園など、港の周辺施設を整備する必要があると思います。
   
海王丸@帆船フェスタよこすか2007.jpg
2007年、「帆船フェスタよこすか」で。接岸作業中の<海王丸>。


SF:セイルトレーニングの普及のみならず、一般の方にもっと海や船に親し
   んでいただくためには、もっと根本的なところから変わっていかないと、
   ということですね。
   では、そのセイルトレーニングについて伺います。その必要性はどこに
   あると思われますか?

YS:海運関係者としては、常に海からチャンスをもらっていると思っていま
   す。もちろん自然としての海はリスクもありますし、いいところだけで
   はありません。
   ただ、共同作業を通してチームスピリットを身につける訓練は、なにも
   船乗りに限ったことではなく、一般人としても必要なことではないで
   しょうか。
   
   帆船での航海を一定期間経験してきた人は、性根が座っているというか、
   一本筋が通った人が多いような気がしますね。

   ただ<海王丸>のような大型帆船でやれることには、接岸できる場所や
   維持経費などの点からみても、限りがあります。もっと小型や中型の帆
   船の数を増やして、ふれる機会をたくさん作るのもひとつの方法かもし
   れません。

   たくましいプロの船乗りを育てるということと、一般の方々にも乗って
   いただいて、もっと海や船に親しんでいただくこと。海技教育財団とし
   ては、この二つの目的をきちっと追いかけたい、と思っています。

SF:素晴らしいお考えだと思います!
   では最後に、Salty Friendsに何かメッセージをいただけますでしょ
   うか?

YS:日本は海を切り離しては、生きていけない国です。ぜひ船に対する興味
   を持ち続け、同好の士を増やして下さい!


お忙しいところ、長い時間有難うございました!

埼長会長がおっしゃった、通り過ぎる船の名前をアナウンスする「ウェルカム
ポイント」。日本にもそんなサービスをしてくれるところがあったらいい
ですね。
じつはSFボラチームが日常的に活動している「船の科学館」は、東京港の
晴海、芝浦、大井埠頭などに出入りする船が目の前を通る、絶好のシップ・
ウォッチングポイントなんですよ!

<海王丸>は、東京にいる時はだいたい「船館」横の桟橋が指定席ですし、
<日本丸>はじめ、航海訓練所の他の練習船、さまざまな客船、貨物船、
南極観測船<しらせ>や護衛艦、外国の軍艦も通ったりします。
その都度アナウンスしたら、楽しそう!こんど提案してみようかな♪

(インタビュー:Qたろー)
posted by SaltyFriends通信 at 22:15| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

■□ 今年も出ました!Sea Front Museum 2010 ■■

東京都江東区にある若洲海浜公園。こちらで毎年行われる「Sea Front Museum」
略して「シーフロ」は、海とアートをテーマとしたイベントです。2007年の秋
から、我々SFボラチームも毎年お手伝いしており、今年で4回目の参加とな
ります。

塩商.jpg 若洲 Gig 2.JPG 塩商 凧.jpg
左上:目の前は東京湾。若洲海浜公園は、園内にヨット訓練所、ゴルフ場、
   キャンプ場があり、広々***
右上:セイリング中のギグ。海から見る「ディズニーシー」もオツなもの。
左下:アイキャッチの帆船凧、目立ってました!


「シーフロ」でのSFボラチームのおもな活動は、「ギグ」体験乗船会の受付
とお客様の補助(ライジャケ着用のお手伝いや、桟橋までの誘導)、SFアン
テナショップ「塩友商会」でのグッズ販売とワークショップなど。
今年はお天気が良かったこともあり、人出はまずまず。今回も「ギグ」の乗船
会は、初日の初回を除いて毎回ほぼ満員御礼でした。キャンセル待ちが出た回
も!

プラ板キーホルダーとちぎり絵がメインだったSFワークショップも、たく
さんの子供たちに参加してもらえました。今回のちぎり絵は、ポルトガル海軍
練習帆船<サグレス>です。ヨーロッパ大陸西の端をバックに、フルセイルで
走る<サグレス>を和紙で貼りながら、子供達やお母さん、お父さんに、夏に
横浜港で一般公開をお手伝いしたことをお話しすると、「観に行きたかった!」
と残念がる方もいらっしゃいました。

ちぎり絵 貼りはじめ.jpg ちぎり絵 2.jpg
左:ちぎり絵、スタート!貼り出したら止まらない(笑)。
右:鋭意制作中。完成した絵は、SFの年賀状になる予定です。
  新年のSFサイトをお楽しみに♪
  

帆船プラ板キーホルダーは、相変わらず人気のワークショップで、二日間の開
催時間中、とくに午後はほぼ途切れることなく「塩友商会」のテントでは、
オーブントースターの「チーン*」という音が聞こえていました。

そうそう!ご存じない方に。なぜオーブントースター↑かといいますと、プラ
板は、絵を描いたあとトースターで加熱、プレスして板状に成形するのですが、
加熱しているあいだに「ぐにゃ〜ん」とスルメのように変形するのです。その
過程が、子供たちにはたまらなく面白いらしく、いつも「おぉー!」「ひゃ
あ〜!」と歓声があがります。お手伝いする我々もニコニコです(^-^

すっかりSFワークショップの看板になった感のあるプラ板ですが、船館の
夏休み工作ひろばでは、このキーホルダーをモビールにしたり、バリエー
ションも広がりつつあり。
今後も、より海・船に親しんでいただけるような楽しい工作にチャレンジ
していきたいと思っています。

塩商WS.jpg プラ板キーホルダー.jpg
左:大人も子供も真剣です。今回はお客様も中国、韓国、アメリカ、ロシアの
  方がいらしたりと、インターナショナルでした。
右:下絵のガレオン船やスクーナーをなぞって、色を付けるもよし、自分で
  自由に好きな絵を描いてもよし。加熱、プレスして金具を取りつけ完成!
posted by SaltyFriends通信 at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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