2008年02月10日

■■よろず帆船人突撃インタビュー[22] 〜 チリ海軍練習帆船<エ スメラルダ> 司厨長&機 関科副長 編 〜 ■■

今月の「よろず帆船人」では、昨年来日したチリ海軍練習帆船<エ
スメラルダ>の「職人」さんお二方をご紹介しましょう。

船に船長(艦長)はなくてはならない人ですが、乗組員の食事を作
る人、それにエンジンや飲料水のメンテナンスをする人も、同じく
らい大切です。
インタビューに答えて下さったのは<エスメラルダ>の司厨長と機
関科副長。お二人とも「お仕事大好き」な職人さんでした!


お名前:ホルヘ・アラーヤ
1964年、チリ、バルパライソ生まれ
<エスメラルダ>司厨長 階級:兵曹

以下、
アラーヤ司厨長:「J・A」
Salty Friends:「SF」


SF:海軍の料理人というご職業を選ばれた理由は何ですか?

J・A:海軍ではよくある話だけど、うちも家系なんだ。私の爺さん
   もおやじも海軍でね。あとは単純に海が好き、船で航海する
   のが好きってことかな?

Esme Jorge 2.jpg
巨大☆な「おタマ」!


●<エスメラルダ>での任務について

SF:一番大変だな、と思われるのはどんなことでしょう?

J・A:300人からの乗組員の食事を作るのは大変と言えば大変だ
   けど、アシスタントも大勢いるし、そもそも好きな仕事だか
   ら全く苦にはならないね。
   とにかくギャレー(厨房)に立って、包丁を握って、料理を
   作るのが大好き。毎日楽しいよ!


SF:司厨長のお得意なメニューは何ですか?

J・A:色々あるけど、チリの煮込み料理「カスエラ」(注1)艦内
   では毎週ミサのあとに出す「エンパナーダ」(注2)それに
   「モテ・コン・ウェシージョ」(注3)は特に自信あるかな?
      
   
(注1)野菜と肉を時間をかけて煮込んだポトフのような鍋料理。
(注2)味をつけた野菜や肉、魚介類を小麦粉で作った皮で包み揚
    げたりオーブンで焼いた料理。パーティには不可欠。
(注3)乾燥プラム(すもも)と大麦が入った甘い飲み物

Esme Jorge 1.jpg
昼食はミートボールのコロッケ。おいしそう♪


SF:これからのセイルトレーニンング(帆船を使った訓練航海)
   についてどう思われますか?

J・A:灰色の軍艦にも勤務したことがあるけど、帆船での訓練は特
   別だね。うちのギャレーの若い子たちは料理もするし、「総
   員!」の号令がかかれば、マストにも登る。帆船での訓練航
   海は、本人たちにとっても貴重な経験だと思うよ。

Esme Jorge 3.jpg
ギャレーから下の訓練生のメスルームへ料理を運ぶリフト。手動です。


SF:最後に、Salty Friendsにメッセージをお願いします。

J・A:日本に君たちのような帆船好きなグループがあることを今回
   初めて知ったけど、ぜひこういった活動を続けて欲しいと思
   う。帆船は美しいし、船乗りの伝統やエッセンスが詰まって
   いる。ぜひ観るだけでなく、実際に海に出てみて欲しいね。
   

SFの見学会でも見せていただきましたが、厨房の訓練生たちは物
を刻むとき、手元を見ません!これは常に次の動作を考え、まわりの
状況を見ながら調理する、ということで、もちろん修行の賜物***
ニコニコと私たちに微笑みかけながらダダダ…とすごい勢いでニンジン
を刻むその「ワザ」に、一同拍手喝采でした☆


続いて機関科副長です。
お名前:アンドレス・ディアス・モンサルベス
1962年 チリ、ブルネス生まれ
<エスメラルダ>機関副長 階級:上級兵曹
船乗り歴:27年


以下、
ディアス機関副長:「A・D」
Salty Friends:「SF」


SF:子供の頃の夢は何でしたか?

A・D:一番なりたかったのは、やっぱり海軍の船乗り。それから体
   育の先生。通訳にもなりたかったなぁ。英語苦手だけど(笑)

SF:そんな夢の中で、最終的に海軍を選んだ理由は?

A・D:とにかく海が好きなんだ。航海しながらよその国へ行き、そ
   の土地の文化に触れ、人々と交流するのが楽しい。こういっ
   た親善活動は、つまり国や平和を守ることにもつながってい
   ると思う。

Esme Alex 1.jpg
<エスメ>のエンジンルーム。凄まじい機械音のため、耳カバー必携。


●<エスメラルダ>での任務について

SF:一番大変だな、と思われるのはどんなことでしょう?

A・D:僕たちの艦内での仕事は、エンジンのメンテのほか、飲料水
   の保全、空調および電気系統のメンテ、そして艦の浮力とバ
   ランスの調節など。
   これを、30人の訓練生に教えながら、常に完璧な状態を保
   つのが仕事なんだけど、難しいね。自分がやれば済むことを
   彼ら自身でできるように導いてやらなくてはならない。教え
   るってことは忍耐が必要だからね。

Esme Alex 2.jpg
当直中、真剣に計器をチェックする訓練生。ひとつ間違えば事故に
つながります!

      
SF:今まで経験なさった航海で、とくに印象的だったことは何か
   ありますか?

A・D:たしか97年だったと思うけど、この<エスメラルダ>で太
   平洋を航海中、台風に出会ったんだ。デカい流木か何かが船
   体にあたって亀裂が入り、そこから浸水!
   あっという間に水が訓練生の居住区で1.5メートル近くま
   で上がってきてね。泣いてるヤツもいたっけなぁ(笑)。
   幸い機関には浸水しなかったんで事なきを得たけど、あの時
   はヒヤヒヤしたよ。
   
   
SF:これからのセイルトレーニングについてどう思われますか?

A・D:僕自身<エスメラルダ>の訓練が好きで、希望してもう9回
   乗ってるんだ。もちろん毎回顔ぶれが違うわけだけど、最初
   はバラバラなチームが、半年も一緒にいるとお互いを認め合
   って、それなりにまとまってくるんだよね。たまに嫌われ者
   もいたりするけど…(笑)。
   とくに帆船という乗り物は、動かす時にまず自然と向き合わ
   なくてはならない。これがバイタリティのある船乗りを育て
   る鍵なんだと思う。ずっと残していって欲しい伝統だね。
   
   
SF:最後に、Salty Friendsにメッセージをお願いします。

A・D:これからも是非、このユニークな活動を続けていって下さい。
   また日本で皆さんにお目にかかれたら嬉しいです!

Esme Alex 3.jpg
日本は3回め。今回は東郷神社にも行ってみました。東郷元帥はチリ
海軍でも超有名人。


さすが9回目の<エスメラルダ>。ディアスさんのお話には厚みが
ありました。
お二人とも艦のなかでは「縁の下の力持ち」的なセクションですが、
それぞれご自分のお仕事に、非常に誇りを持っていらっしゃる様子
が印象的でした。まさに「職人さん」ですね。
次の来日を首を長くしてお待ちしています!!

インタビュー&翻訳:Qたろー


posted by SaltyFriends通信 at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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