2007年06月10日

■■ 長崎帆船まつりレポート<2> byイカロー ■■

花火が終わると少しずつ人が減り始め、しばらくたつと港は普段の静けさを取り戻す。海面にイルミネーションの灯りがおぼろげに映り、発電機の音が心地よい程度に振動を刻んでいる。全ては、静かなしかし正確に脈打つ時の流れの中で息づいている。時折、どこかのフネのクルーが、街で出会ったばかりの女とともにふらつきながらすれ違っていく。

IlluminationNagasaki(c)SaltyFriends2007.jpg


真夏のような陽射しが照り始める頃になると、港は再び訪れた人々の活気と熱気であふれかえる。思わずアイスクリンを売るおばあの前に並ぶ。
フネの前はどこも人が並んでいる。船内を見学する人、整理券を手に湾内体験クルーズを待ちわびる人。僕は<パラダ>へとバックパックを背に歩く。

帆船まつりでは必ず懐かしい顔に出くわす。出くわすというよりは、それを求めて足を運んでいるのかもしれない。港につきしばらくすると、誰かと再会する。そして、どこかのフネへとそのまま向かう。

フネは一般公開の時間からは外れていたが、友人のあとについて、船内へと入る。よくわからないままに、船内の扉をくぐり、階段をおり、そして、さらに奥へと進む。すれ違うクルーにロシア語で挨拶をし片手をあげる。時に怪しまれ、時に口元を微笑ませて挨拶を返してくれる。

練習生のそれよりは広いのだが、キャビンは決して広くはない。書類やらCDROMやらがうずたかく積み上げられた粗末な机、冷蔵庫、小さな洗面台に二人掛けの古びたソファー、そしてベッド。部屋の真中には誰かが差し入れたのであろう、泡盛の一升瓶が箱に入ったままおかれ、その上の本がテーブル代わりとなっている。

ウラジオストックでのヨットレースの映像を見ながら、ビールを飲む。気付くと一人はベッドでいびきをかきながら眠っている。誰も気にするそぶりすら見せずに、笑い声をあげる。

「ビールをもう一本飲むか」そう言って手渡された缶をお腹にたまるから、とつき返す。すると、待っていたとばかりに、ウォッカのビンを持ち出してきた。彼のガールフレンドが、「手で隠しながら飲んだフリをしなさい」と日本語で僕に言う。「彼は飲ませるのがとにかく好きだから、大変なことになるわよ」と。僕は、気にせずにウォッカをのどに流し込む。そしてオレンジをかむ。そしてまた、グラスにウォッカが注がれる。


Nagasaki(c)SaltyFriends2007.jpg

最終日。

<あこがれ>の前には、十名ほどのスポーツバッグを持った人たちが集まっていた。長崎から大阪までの5泊6日、航海に参加する人たちだ。
<日本丸>や<海王丸>が、学生たちを一定期間ずつ乗せて航海を続けるのとは対照的に、<あこがれ>は港ごとに参加者が入れ替わっていく。たったの一度も同じメンバーで航海をすることはない。

参加者たちは、経験も、仕事も、みんな全く違うバックグラウンドの持ち主だ。彼らはそれをぶつけ合いながら舵をきり、次の港を目指す。

CruisingNagasaki(c)Saltyfrineds2007.jpg

posted by SaltyFriends通信 at 21:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。