2007年01月10日

◆ 「明治丸ヒストリー」【10】 by Qたろー ◆

《永久保存への道》

ポンド(校池)の埋め立て工事は終わったものの、それだけでは
「永久保存」には不十分です。陸上に定着させるため、まずは埋め
た土をいったん掘り起こし、右舷側にかたむいていた<明治丸>を
キチンと「正座」させたあと、7基の船台で地中に固定。
転倒防止の鉄骨を何本も使って地中でささえ、最後に船の周囲5
メートルにわたって、地表面が厚さ25センチのコンクリートで固
められました。

甲板は、昭和29年に一度アメリカ産の松に張り替えられたものの
やはりメンテナンスに手間がかかるということで、昭和39年鋼板
に変えられてしまいます。
現在は、さらにこの上に合成樹脂が貼られているのですが、紫外線
による劣化であちこちに入っている亀裂から雨水などが入り込んで
ブカブカになっているところも…。オリジナルの甲板材(チーク)
は唯一、船尾側ハウス内の床に残されています。近々見学される
方はぜひ、気をつけてご覧になってみて下さいね☆

デッキの補修 第9回.jpg
亀裂が入ったところにセメントを流し込む防水作業
写真提供/Gingaさん Thanks!!


その後甲板をはじめ、マストやヤード(帆桁)など、船内のあらゆ
るところが補修の対象になり、米軍による接収以来、荒れ放題だっ
た各部が業者の手で少しずつきれいになっていきます。
一方、同時に<明治丸>を海事資料館とするプロジェクトも進行し
ていました。船内のメインデッキに船具や計器などを陳列した展示
ケースが置かれ、徐々に「資料館」としての体裁も整えられます。
この頃、米軍によってペンキで塗りつぶされたままだった「明治天
皇御座所」壁面の日本画もやっと塗料をはがされ、オリジナルの絵
がふたたび出現。これだけでも貴重な資料です。

明治天皇御座所.jpg
メインデッキにある「明治天皇御座所」


《国のお宝に!》

そしていよいよ!<明治丸>は、船としては日本で始めて「重要文
化財」の指定を受けることになります。この経緯には、海事資料館
として一般に公開されてきたものの、いろいろな点で経費がかかり
大学側が整備を負担しきれなくなったということもあるとか。

なんとかして<明治丸>を保存したい、という関係者の皆さんの熱
意と努力が実り、昭和53年5月31日、建造物第2062号「3
檣バーク型帆船」として、めでたく重要文化財に指定!
これにより<明治丸>は国費、つまり我々の払う税金で維持される
ことになったわけですが、今年から行なわれる予定の文化庁による
補修工事の費用、自分の払う税金の一部が<明治丸>に使われるか
と思うと、少しは救われる気がしなくもありません…(か?)。

S51記念式典<明治丸>.jpg
大学の百周年記念式典当日、ドレスアップした<明治丸>
(昭和51年11月当時)資料提供/東京海洋大学


「明治丸ヒストリー」は今回がプレ最終回。次回はエピローグ「こ
れからの保存船」です。
posted by SaltyFriends通信 at 19:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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