2011年01月10日

□■日本丸出航レポート By ぐんそう & おまけ:「海と船のおはなし会 & 旧大瀬ア灯台見学会報告■□

去る2011年1月12日、東京お台場「船の科学館」前にある航海訓練所桟橋で、
帆船<日本丸>の出港式が行われました。

ここ数年、大雨に強風と天候に恵まれなかった<日本丸>出港式ですが、今年
は幸いにも絶好の晴天で、狭い桟橋は遠洋航海の壮途につく「太平洋の白鳥」
を見送ろうという人々であふれていました。

1300時、厳粛な雰囲気のなかで出港式が始まり、各界の名士が練習生たちを激
励します。昨今の日本海運業界を取り巻く情勢は厳しく、これから海を目指す
練習生たちの前途にも数多の困難が予想されますが、日本を支える海運の担い
手としての技量と誇りを、<日本丸>でのセイルトレーニングによって培って
もらいたいものです。

1330時、式典も終わり、参加者たちが次々に下船してきます。命令が飛び交い、
乗組員が叩く出航合図の銅鑼の音が響くなか、陸と船とをつなぐタラップが引
き上げられました。

登檣礼.jpg
右舷と左舷、調子をあわせながら一段ずつ登っていきます。


1400時、船上のスピーカーから、次々に号令が発せられます。いよいよ出港式
のクライマックス、登しょう礼の始まりです!
古くはイギリス海軍を起源とする登しょう礼は、船の全員が王を歓迎している
というデモンストレーションだったとも、船内の大砲に人員を配置していない
ことを示す平和の意思表示だったとも言われていますが、現在に至るまで帆船
における最高の儀礼となっています。

号令一下、選び抜かれた練習生たちが「ましら」(猿)のごとくシュラウドを駆
け登り、それぞれのヤードに散っていきます。<日本丸>の黄色いマストは、
たちまち練習生の白い作業服で彩られました。
全員が配置についたことを確認すると、船首のバウスプリットに陣取った練習
生のリーダーが声を張り上げます。
「ごーきげーんよーう!」
マストに登った練習生たちも、いっせいに帽子を振り上げ、これに唱和します。
「ごーきげーんよーう!」」
これを三度繰り返すのが、帆船<日本丸>伝統の登しょう礼です!

船館UW.jpg ポン丸UW1.jpg
左:「安全な航海を祈る」という意味の、船館の「UW」旗流信号。
右:それに答える<ポン丸>の「UW1」は「貴方の協力を感謝する」。


練習生たちの声が空に消えると同時に、甲板上の動きが慌しくなり、次々と舫
い綱が解き放たれました。東京税関音楽隊が勇壮なマーチを奏でるなか、帆船
はタグボートに導かれながら岸を離れます。別れを告げる汽笛が、船から高く
鳴り響きました。

これに応えるように、背後から港を圧するような汽笛が響きわたります。「船
の科学館」からの祝福です。振り仰げば、展望塔にひるがえるUW(ご安航を!)
の旗。船の形をした博物館ならではの、粋な見送りと言えるでしょう。

出航見送り.jpg ハワイへ!.jpg
左:見送りの関係者や家族、一般のお客さんでごった返す桟橋。
右:東京湾の入り口に進路を向ける<ポン丸>。いってらっしゃーい!


桟橋の人たちが、ちぎれんばかりに旗を振るなか、<日本丸>は舳先をゆっく
りと海に向けました。甲板上では練習生や乗組員が、帽子を大きく振っていま
す。昔から世界の海で行われている別れの挨拶「帽振れ!」です。
早くも傾き始めた冬の陽光に美しいシルエットを浮かび上がらせながら、帆船
<日本丸>は日本の海を担う若人たちを乗せて、はるかハワイへと旅立ってい
きました。彼らの航海に、良い風が吹きますように!
 
(レポート&写真 By ぐんそう)

★おまけ★

メルマガ発行が遅くなったために、今頃ご報告ですm(_ _)m
昨年12月18日、船の科学館3階読書ルームで「第3回海と船のおはなし会」
を開催しました。

今回は、11月に行った第2回に引き続いて「灯台記念日」関連。
おはなしはヒルデガード・H・スウィフトの
『ちいさな赤いとうだい』です。
実際にアメリカ、ハドソン川の河口に立つちいさな赤い灯台が
主人公のこの本は、1942年から読み継がれる名作。絵本はこの
灯台の保存運動の一環として出版されました。

後から建設された巨大な鋼鉄の橋、ジョージ・ワシントンブリッジと
ちいさな赤いとうだいのやりとりに、思わず胸が熱くなります。

今回はスタッフの都合で土曜日に設定したため、いつもよりお客様の
数は少なめでしたが、不幸中の幸い?我々も一緒に床に座って、
子供たちの目の前で読むことができました。

第3回海と船のおはなし会 Gingaさん.jpg 第3回海と船のおはなし会 タネ明かし.jpg
左:看板のちぎり絵が「可愛い♪」とお褒めの言葉をいただきました。
  (写真提供:SFボラチーム Gingaさん)
右:今回も波の効果音(大豆)を使用。終わってからタネ明かし。
  実際に自分で音を出してみて、みんな目がキラキラ***


そして今回もおはなし会終了後、全員で旧大瀬埼灯台へ移動。
館内放送も流し、他のお客様も時間内は自由に見学していただけるよう
SFボラチームがご案内しました。

ハリーさん 灯台解説.jpg 第2回大瀬ア灯台見学会.jpg
左:読書ルームで。おはなし会終了後、元海上保安庁の「ハリーさん」こと
  梁木さんによる灯台のレクチャー。予習するとしないとでは、
  実際に見たときの理解度が違います。
右:ひと通りレクチャーを伺ったあと、灯台へ移動します。

 大瀬ア灯台 錘 Gingaさん.jpg 大瀬ア灯台 点灯 Gingaさん.jpg
左:旧大瀬崎灯台の「錘(すい)」。今は電動ですが、その昔は
  オモリを巻き上げ、その重さでレンズを回転させていました。
右:船館にある「旧大瀬埼灯台」のレンズは釧路灯台についていたもの。
  オリジナルの灯質は白色で、東京港晴海埠頭に近い「ホテルマリナーズ
  コート東京」のロビーに展示されています。
  (写真提供:SFボラチーム Gingaさん)

大瀬ア灯台 点灯.jpg
そして見学会終了後は、点灯!オリジナルの灯質は白色ですが
釧路灯台の赤・緑が、クリスマスにはバッチリ☆でした♪

ひらめき次回の「海と船のおはなし会」は、春休みに行う予定です。
詳細は決まり次第、アップいたしますひらめき

灯台お掃除1.jpg 灯台お掃除2.jpg 灯台お掃除3.jpg
この一般公開のために、SFボラチームで約一ヶ月かけて
旧大瀬埼灯台をお掃除しました。ゴミを出し、剥がれたペンキや
外側の鳥のフンやサビなどを落とし、ブラシ・タワシ・モップ
などを使って清掃。そして大好きなペンキ塗り♪
「きれいになった」と船館からも大変感謝されました。

参加されたボラチームの皆さま、本当にお疲れ様でした!
posted by SaltyFriends通信 at 22:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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