2010年05月10日

■□ 小さな小さな帆船<Ami>と1日デート〜横浜から伊東まで〜 □■

P1010674.jpg
<Ami>船尾より

<Ami>という船を知っていますか?
2本マストのトップスルスクーナー。
横帆がついた小さな船。

5/4 8:00
横浜ベイサイドマリーナに乗船メンバーが集まった。
初めて見る<Ami>。
小さい、マストも思ったより低い。

ふーん、普通のクルーザヨットの少し大きい版といったところかなぁ?
なんて思いながら船内に荷物を置く。

デッキに上がりマストを見上げる。
ぜんぜん低いなぁ。シュラウドを揺らしてみる。
ふわふわした感じ、激しく揺らすと船体全体が揺れそうな、そんなイメージ。
手すりにささっているビレイピンに触れてみる。
ヒンヤリ冷たい。
ロープをはじきながら、滑車ごしのロープの流れを追ってみる。
今日は、どのセイルをはるのかなぁ。

初めて乗る船、よろしくねと心の中でつぶやきながら、航海前の緊張感を感じる。
うん、小さいけれど素敵な帆船だ。

P1010654.jpg
横帆がセットできる

8:30 出港。
エンジンを動かして港をでた。
何隻か一緒にでるヨットたち。
横帆が付いている、めずらしい帆船の<Ami>。
周りの船が手を振ってくれる。

しばらくして、セイルの準備が始まった。
メンスル、フォースル、ジブを2枚。

メンスルのガフ(セイル上端部分の棒)が上がっていく。
ガフはある程度の角度を守らなければ上手く上がってくれない。
何度か途中で止まりながらも4枚のセイルは開いた。

今回のコースは東京湾を抜け、相模湾を横切り伊東まで。
速度が必要なため、エンジンは切れない。

湾内はタックをしながら、おおむね順調に進んでいく。
遊漁船が多い。GWのためか。

浦賀水道をすぎたあたりから少しうねりも混じるようになってきた。


P1010663.jpg
橋をくぐる

12:00前、あっという間に三浦半島先端まで来た。
コースは城ヶ島と三崎を結ぶ橋の下。
航路がせまいため、ジブをたたんだ。

帆船でくぐる橋は楽しい。
たとえ余裕があるとわかっていてもマストの高さが気になる。
大丈夫、大丈夫、余裕でくぐれる。

港の景色を横目に、いよいよ相模湾洋上へ。

ばさばさ、ばっしゃーん!
風が強まった?
うねりがあるのか?

船が少し緊張しているのが分かる。
ピッチングが出てくる。
閉じていたジブを開くため、前方デッキで作業。
時には、波をかぶる。
慌てず、しかし濡れきる前には作業を終わらせたい。
息をあわせてロープを引き、セイルセット。

橋をくぐってから、海のうねりを感じるまで、数十分もない。
あっという間の変化だなぁ。
波を超えようと船の前方が持ち上がる、波頭に乗り、次の瞬間下り始める。
下りきったと思ったら次の波にぶつかり、ガクンとブレーキがかかるような動き、そしてまた波をのぼる。

揺れ、揺れ、揺れ。

ふと、昔作った帆船の模型を思い出した。
出来上がって、嬉しくて、すぐにお風呂場で進水式をした。
手で波を立てながら、船の動きを観察した。
大海原に居る自分を想像しながら、模型で遊んだ。

今、小さな船にのり大きな海の上に居る。
ぷかり、ぷかりから、ざぶん、ざぶんへ。

波のくだける音が心地よい。
時には、波と波の間隔が近すぎて、船が波を砕く。
水しぶきがデッキにまでかかって、いつの間にか全身が濡れている。

コンパスのコースを復唱し、舵を交代してもらった。
(現在のコースは重要。前任者からの引き継ぎの作業です)
舵はとても素直で、わかりやすい。

<Ami>はヘルム(舵)が一番いい場所だ。
船全体が見え、舵の効きがわかる。
船底の水の流れが伝わってくる。
ほおにあたる風は、同じくセイルにもあたっている。

僕は、船のセンサーだ。(風向計と加速度センサーかなぁ?)
船の傾きと風向きを感じながら、手は舵を操作する。
こう走りたい!そのための操作を船に伝えると素直に答えてくれる。

ふぁあぁ!いい船だ。
波しぶきをかぶりながら、最高に幸せな気持ちになってくる。

帆がばたつく。少し風下に落としてやる。
すぐにセイルは落ち着き、推進力が増す。
水の動きを目で追いながら、<Ami>が越えやすいコースを見つける。
すいっとのぼり、すっとくだる。
船底の水の流れが気持ちよくって、自分までもが気持ちよくなってくる。
そうだ、そうだ。それでいい!
船よ、すすめ!すすめ!

昼食の時間から夕方までは早かった。
揺れの中で過ごす数時間。

コース通りなら、後30分も走れば、陸が見えるはず。
そんな言葉に励まされながらコースをひた走る。

あまり良くない視界。
ぼわっと浮かぶ陸が見えてきた。
見えた瞬間、ふと思った、もしもコースが間違っていたら?
コンパスが狂っていたら?
僕らは流されていて、まったく見当違いの場所に居たら?
ううん、まだ分かんないよ、あそこは日本かなぁ?
怖くてサバイバルで、でも船に余裕があれば耐えられそうな気がしてくる。
そんな旅もしてみたい。

でも見える先は、どうやら日本のよう、目的地、伊東のよう。

岬が風を遮って、うねりも小さくなっていく。

張りつめていた緊張が解けていくのが分かる。
しっかり踏ん張っていた足の力が抜け、陸を見ながら、もう少しだ。

ふと顔をこすると潮が塩になっている。
耳の中まで、ざらつく。

伊東のハーバーには温泉がある、さっぱりするのも悪くないなぁ。
よーし、陸に上がったら風呂に入ろう。
そんな事を考えながら、いよいよ入港が近づいてきた。
セイルを畳み、船は入港する。

17:30着岸。
9時間ちょっと。あっという間だった。

色んな景色を見つめながら、船は進んでくれた。
手すりを軽くたたいてやる。ぽん!
<Ami>へのお礼。

下船後、陸に上がって揺れない地面のありがたみを感じ、そして温泉へ。
冷えていた身体がばりばり音を立てながら、陸仕様へ。
でもどんなにリラックスしても、すこしだけは海での緊張感が残っている。
いつのまにか始まった陸酔い(船から降りて陸の上でも揺れているように感じる事)は、
海での経験を思い出させる。
僕は海が好きだ。船が好きだ。

(みっきー)
posted by SaltyFriends通信 at 09:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。