2009年09月10日

■□ <クァウテモック><グロリア>バーチャル見学会〔後編〕By Qたろー □■

先月の<クァウテモック>に引き続いて今月は、今年7月4日〜7日にかけ
て訪日した、コロンビア海軍練習帆船<グロリア>の艦内ツアーです。
ひょんなことからQたろー、<グロリア>来日直前にコロンビア大使館から
ボランティア通訳を依頼されまして、今回は来日期間中、朝から晩までびっ
ちりお付き合いさせていただきました。

超バタバタな中、撮りためた写真でレポートいたします。
ではまず、デッキ上から参りましょう!

Gloria canyon para salva.jpg Gloria canyon para salva 2.jpg
(二枚とも)まさに“オモチャのような”礼砲用大砲。
「でもちゃんと観音崎沖で、海自と礼砲交換したんだよ」とカートリッジを
詰めたところを開けて見せてくれた乗組員。
観音崎灯台下まで、礼砲交換を見学しに行ったというお客様が「グロリアの
砲声は聞こえなかった」とおっしゃっていましたが、この大砲じゃ無理(笑)。


Gloria adujas y campana.jpg Gloria adujas.jpg
(二枚とも)一般公開用にコイルアップされたロープ。朝のタンツー(清掃
タイム)時にいくつか作るのを手伝いましたが、けっこう手間です。でも
くるくるして可愛いですよね。
あ、もちろん航海中は、こんな面倒臭いことはしません。

Gloria Argos.jpg Gloria abordo o tierra.jpg
左:海兵隊のお兄さんに連れられた、番犬兼麻薬探知犬のアルゴス(ラブラ
  ドール犬)。
  麻薬探知犬を乗せているというところが、さすがコロンビアという感じ
  もしますが(^^;<グロリア>は以前から「マスコットのいる船」でし
  た。犬だけでなく、その昔はカンガルーやオウムが乗っていたことも!
右:接岸中、士官達が艦に居るか陸に上がっているかを示すプレート。名前
  が左に寄っていれば在艦、右なら上陸中。常に舷門当直係がチェックし
  ています。

さて、艦長のお許しが出たので、ここでちょっとマストに登ってみましょう。
おっと!ハーネス(安全ベルト)を忘れずに☆
せっかくですので、ロイヤルヤード(一番上の帆桁)まで行きますか。ここ
はデッキからほぼ40メートルの高さ。朝の風が気持ちいいですね〜♪

Gloria de arriba 2.jpg Gloria de arriba.jpg
左:デッキでは、ただ今一般公開の準備中。
  写真中央右、メインマスト根本から出ているのはクレーン。この時は潮
  の干満で位置がずれたギャングウェイ(岸壁に渡してあるタラップ)を
  吊り上げて直すところ。もちろん人力です!
右:写真中ほどから斜め右下方向に横切って見えるライン(ロープ)は、
  ヤードに平行して1メートルほど上部に張られています。これは入出港
  時に登檣礼(とうしょうれい)をするためのもの。乗組員は写真左下に
  見えるヤードの上に立ち、このラインにハーネスをかけて掴まります。
  航海中は邪魔になるので、取り外します。
  ちなみにラインの下に見える黒いコードは、夜間ライトアップ用の電飾。
  最近はLEDが多くなりましたが、<グロリア>ではまだ電球を使って
  います。

  
ではそろそろ下りて、今度は中を見学しましょう。
<グロリア>の出入り口はドアではなく、ハンドルをまわして開け閉めする
重たい水密のハッチ。指を挟まれないようご用心。

Gloria itinerario.jpg Gloria maqueta.jpg Gloria espadas.jpg
左上:今航海の行程航路図。来日したこの航海の直前、春先にはカリブ海へ
   短い航海に出ていた<グロリア>。働きモノ!
右上:<グロリア>模型。喫水線のグリーンがアクセント。
左下:艦長以下、上級士官用の儀礼刀。

Gloria salon de popa.jpg Gloria despacho de comandante.jpg
左:めっちゃ冷房が効いている艦尾サロン。ここで食事をとっていると、
  寒くて鼻水が出てきます(~_~;
  中央右寄り、壁のショウケースに入っているのは、首都ボゴタにある
  「黄金博物館」コレクションのレプリカ。
右:小ぶりながら“ぷちゴージャス”で居心地の良い艦長公室。テーブルの
  磨りガラスがおしゃれ***
  
  
艫エリアが立派なのは、どこの海軍も同じですね。では次に、訓練生達の
居住区を探検!

Gloria sala de alumnos.jpg Gloria textos.jpg Gloria camara de mujeres.jpg Gloria taquilla de mujeres.jpg
左上:訓練生達の、食堂兼教室兼寝室。<グロリア>では、訓練生はハン
   モックを使用(写真右)。食事や授業の時は、上にあげてある机を降
   ろします(梁部分、黒いパイプの上にしまってあるのが机)。
   ハンモックから寝ぼけて落ちた人はいる?と聞くと「それはないけど
   結んであるロープがほどけて落ちたヤツはいるよ」・・・痛そう。
右下:授業で使うテキスト。気象、操船・操帆、航海術など。もちろん一般
   教養もあり。
左下:ジャーン***女性訓練生用キャビンを突撃訪問!「ハンモックには
   こうやって乗るのよ」と実演してくれた、超可愛いマルセラ。
右下:マルセラのロッカー。アポなし訪問にも関わらず、完璧な整理整頓。
   さすが海軍です。
   扉裏のレイはハワイ入港時、歓迎式典でもらったもの。
   
Gloria & Kankoumaru.jpg
今回の来日は、横浜開港150周年記念イベントへの参加、ということで
<観光丸>、海自のホストシップ<しらゆき>と3ショット。
本当に横浜港は、夜も昼も絵になる港です。


〔How to do 登檣礼〕

Gloria preparar la zarpa.jpg Gloria preparar la zarpa 2.jpg
(二枚とも)いよいよお別れのセレモニーも終了し、登檣礼の準備。
まず上のヤード担当グループから登り始めます。
海軍の練習帆船では、1本のシュラウド(横静索)を両手でつかんで登り下
りするところが多数。この方がスピーディに動けるから、とのこと。

Gloria cuadrandose.jpg Gloria salud con las velas.jpg
(二枚とも)登檣礼スタンバイOK!ハーネスをラインにかけ、号令がある
までヤードの上で直立不動。
号笛の合図で背後のラインに両手で掴まり、胸をはります。ヤードごとに
変えているTシャツの色は、もちろんコロンビア国旗の3色!


Comandante&Embajadora.jpg Maria Salud.jpg Gloria hasta la vista.jpg
左上:トバル艦長(中央)と、ゴージャスな美人、カルデナスコロンビア
   大使。余談ですが、現在チリもアルゼンチンも、大統領は女性。
   南米の女性は強し。
右上:<グロリア>のフィギュアヘッド(艦首像)は、建造したスペインの海
  軍軍人でもある彫刻家の制作。彼の娘さんがモデルという天使像は「マ
  リア・サルー」(salud:健康、幸福、繁栄)と呼ばれ、艦の守護天使
  として大切にされています。
左下:次の寄港地、韓国へ向けて出港する<グロリア>。次の来日はいつにな
  るのか、待ち遠しいですね。


◇ボランティア通訳としてのQたろー所感◇

今回の一般公開期間中、土日は一日2000人を超える来艦者があり、大盛況で
した。しかし、舷門に乗組員と一緒に立ち、お客様を迎えている時に気付い
たコト。日本人の3分の2は、挨拶をしない。目を合わせない。
乗組員は「コニチワ」「イラシャイマセ」と、一生懸命日本語の挨拶を覚え
て話しかけているのに、まるでデパートにでも入ってきたようにスカーっと
無視され、かなりガッカリしていました。

挨拶は人類の基本。そして船乗りにとって、船は「家」です。スペイン語
(『オラ!』)でも英語でも日本語でも何語でも、ただの会釈だって構いま
せん。よその船(家)を訪問するときは、ぜひ舷門(玄関)でひと言挨拶を!

ところで今回の通訳業務では、一般公開だけでなく、ホストシップ<しらゆ
き>との交換見学会(お互いに30名ずつ乗組員を交換して艦内を見学しあ
う企画)や日常のこまごまとした連絡、果ては出港後の航路の打合せまで通
訳することになり、大変でしたが、とても良い経験になりました。

今回は直前に決まったことで、グループとしては動けませんでしたが
次回このような機会があったら、ぜひSFボラチームとして一般公開の
お手伝いができれば、と思っています。

libro de navegacion.jpg
おまけ:今回個人的に一番「ツボ」だったのが、ボースンズホイッスル(号笛)。
現在の海軍では、ボースン(甲板長)だけでなく、甲板関係者全員が首から
さげている(医療、厨房などは除く)というところも多いですが、それぞ
れの部署のチーフ士官に、それぞれ号笛による「個人コード」があるのを
今回初めて知りました。
その一覧表が載っているのがこの当直用ログブック。コードは昔のモールス
信号のように、点と線で書かれており、点は「ピッ」線は「ピー」の音を
表します。

もちろん艦内放送もあるのですが、外で風の強いときやデッキとロフト
(マストなどの高所)など距離のある場所など、人の声では届きにくい場合も
ありますよね。そういう時に便利なのがコレ。

説明してくれた当直士官が「じゃあ試しにアイツ(←友人の士官)を
呼んでみるから見てて」と、号笛で「ピピ、ピーホー、ピホピホ」。当の本人が
クルっと振り向いたのには、思わず「おぉー!」っと拍手☆☆

「号笛コード」は、個人だけでなくロープをひく時、止める時、マスト
への登り下りなど、艦内での様々なシチュエーションに使われます。
「全部覚えるの大変じゃない?」と聞くと「命に関わるかもしれないし
毎日聞いていれば、航海中には絶対覚えるよ」とのこと。
たしかに。習うより慣れろ、窮すれば通ず、ですね!


posted by SaltyFriends通信 at 09:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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