先月よりスタートしました<あこがれ>日食航海のぶんごーレポート、
さて、後半はどんな航海だったのでしょうか。

日食も終わり、8日目から、スタートです。

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  日食の興奮も落ち着いて、航海8日目、23日です。
  梅雨前線は相変わらず九州南部に停滞中ですが、前線の北側にでたせいか天気は悪くありません。というか、この航海ではめずらしい晴れ空ですね。今日は本当は硫黄島に上陸予定だったのですが、最初の予定より船がずっと東に流されてしまって距離が遠くなりすぎてしまいました。ということでまずはセイルを増やしてスピードを上げます。毎日少しずつ帆を張り増したので、今日で12枚の帆のうちにスクエアセイル(横帆・帆桁についている船の船首尾に対して直角につけられた帆)2枚を除いた10枚の帆が広げられたことになりました。船の左手にはどこまでも細長い種子島が現れては消えていきました。
  午後からはヤードと呼んでいる帆桁に登るヤード渡りの練習。これで横帆を開いてもみんなで作業ができるようになりました。硫黄島には確実に近づいたのですが、夜間の入港を避けるために今日は鹿児島の山川にアンカーと決まりました。
  ということで、夕方にはすべてのセイルを畳むことに。畳んだ後にセイルを固定するガスケットと呼ばれる作業、今日からはほとんどトレーニーさんにマストに登ってやってもらいます。まだまだぎこちないところもありますが、みなさん積極的に参加して下さいます。夜の航海がないので、当然夜の当直もありません。薩摩富士と呼ばれる姿の美しい開聞岳を間近に見ながらおやすみなさい。

  明けて24日。航海もいよいよ9日目です。前線は相変わらず九州南部に停滞中。お天気は相変わらずの薄曇りです。どうも、スカッとしませんね。
  船は朝6時に錨を上げて硫黄島に向かいます。午前中はボンクのシーツの交換、服や靴の洗濯にいそしみます。硫黄島は火山の島。小さな島ですが島の中央には山がそびえ立っていて、近づくていくとかなり峻険なイメージの島です。港に入っていくと、防波堤の内側は水の色が茶色い!


硫黄島の港(海の色が赤いのは硫黄分が海水と反応しているため)

  実はこの島の水は鉄分が多く、それが海に流れ込むと酸素と反応して赤茶色に発色するとのこと。防波堤の内側は水の入れ替わりが少ないので、外海とははっきりと色が違って見えるんだそうです。昼食後に上陸。南国らしい丈の高い草の間を縫うように続く細い道をあるいて約40分。海岸に湧きだした温泉をただせき止めただけの東温泉に到着です。海に面した岩場にいくつかの湯船を作って、高い湯船から順番にお湯を下へと流して溜めているのですが、一番高い湯船は熱くて入れないくらいでした。お湯をなめてみるとスッパ苦い独特な味がします。火山の島の温泉なので成分がかなり濃いみたいな気がしました。お湯につかりながら海に目をやると、海岸の岩に波が激しく打ち寄せていて野趣満点の温泉でした。

硫黄島の温泉

  温泉を堪能した後はそれぞれに島を散策しながら船に戻ります。まぶしい日差し。道の両側に続く緑の濃い薮。だれも歩いていないアスファルト。どこからどうみても時間の流れ方がゆるやかな南の島の午後でした。温泉で疲れたし、歩いて帰ってきて汗もかいたので、島に一軒しかないお店でジュースとアイスクリームを補給。小さな公園に気持ちのよさそうな木陰があったので、遠くに泊まっている「あこがれ」を眺めながらアイスを食べました。船に戻って夕食後に出航です。短い時間でしたがいろいろ思い出の多い硫黄島でした。
  次の目的地は鹿児島の志布志港。食料と水を補給する予定です。今夜は夜を徹して走って、明日の朝には入港です。上陸で疲れていますが今夜ももちろんみんなは航海当直です。
  とうとう10日目。長いこの航海も先が見えてきました。船ではすっかり気にされなくなってしまいましたが、日付と曜日は25日の土曜日です。前線は北に上がってしまったということで船の周りは薄曇り。福岡や広島では局地的な大雨だったらしいですね。
  午前10時に志布志港着岸。今日もおにぎりをもってみんなは最後の上陸です。ぼくは疲れたので船に残って、だれもいなくなった船で最後の洗濯&お昼寝してました。静かな船もまたいいものです。みんな街中を散策したり、温泉(また!)に入ってきたり、近くに泊まっていた自衛艦の一般公開に行ってきたり、思い思いに時間を過ごしたみたいです。
  夕食後はちょっと変わったレクチャーです。司厨長(船のコックさん)、ショウさんによる質疑応答のコーナー。船の食事メニューの裏話や料理人としての修行の話など、滅多に聞けないお話が盛りだくさんでした。今日は志布志停泊なので夜の航海当直もありません。明日からは一路大阪に進路を向けて太平洋をひた走る予定です。ゆっくり寝ましょう。

  航海は11日目に突入。今日26日の日曜日、志布志ではその名も「志布志祭り」が行われるそうで、夜には花火も予定されているとのこと。なのですが、前線が九州北部に停滞中で朝の天気は雨。風もちょっと強くて、花火ができたかどうかは微妙な感じでした。福岡を中心に九州北部は大雨だったらしいですね。出航後は帆を四枚張って太平洋に乗り出します。午後には2000年の世界一周航海に関わった機関長のツツさん、一等航海士のマツさんによる世界一周のお話。みなさん熱心に聞いてらっしゃいました。
  この日は夜も走り続ける予定で風もいいので夕方にさらに二枚セイルを張り増します。記憶があやふやなのですが、確か、この辺りからエンジンを止めて風の力だけで走る帆走に入りました。なんとこの航海、こんなに長く走っていたのに、いろいろな事情があっていままで帆走はほんの少しもできなかったのです。帆走距離を少しでものばそうとセイルをあげて、あこがれは黒潮にも助けられながら大阪に近づいていきます。

  12日目、27日。ついに航海もカウントダウンに入ってきたみたいです。前線は相変わらず本州付近に停滞。この日は関東で雨脚が強まったらしいのですが、船の周りはそこそこのお天気でした。船は四国沖をぼちぼちと進んでいきます。
  朝起きたら、セイルが二枚増えてました。どうやら風向きがよかったので夜中に当直班で帆を増やしたみたいです。朝食が終わって全員がそろってからさらに四枚の帆を上げます。これで「あこがれ」が持っている12枚の帆をすべて張る「フルセイル」がみごとに完成しました。天気図を見るともう少し崩れそうなのに、どういうわけか風が弱くて波もあまりなく、天気も悪くないので、ゴムボートを降ろして海の上からフルセイルの「あこがれ」を見ることにしました。
  まずは帆の角度を調整して船の行き足(スピード)を落とし、船がほぼ止まったところでゴムボートを降ろします。5、6人ずつ交替でボートに乗って「あこがれ」から離れてセイルを張った様子を見たり写真を撮ったりします。デッキの上からだとセイルを張ってもそんなにはかっこよくはないのですが、離れて見るとやっぱりかっこいいです。しかも自分たちで帆を上げたのだから感動もひとしおです。昨日からの帆走でスピードが落ち、今夜はエンジンで走らないと帰りが間に合わなくなってしまったので、ボートを回収した後に二枚を残して十枚のセイルを畳むことになりました。
  16時前からセイルを畳み始めて、みんなで手分けしてガスケットにかかります。トレーニーのみんなもかなり手慣れてきてはいますが、やはり10枚のセイルを畳んでガスケットするのはかなりの手間がかかります。作業がすべて終わったのはもう18時前。終わった時には全員くたくたになってました。
  夕食もいつもより一時間半も遅くなってしまいましたが、みんなで力を合わせて無事に作業は終了しました。今夜も夜航海。トレーニーの航海当直も続きます。