2009年01月10日

■■よろず帆船人突撃インタビュー 〔29〕 練習帆船<海王丸>船長 国枝佳明さん ■■

ちょうどこのメルマガが発行される2009年1月10日、東京都
のお台場「船の科学館」横の桟橋から、ハワイに向けて
遠洋航海に出航する<海王丸>。
今回の「よろず」は、わが日本が誇る練習帆船<海王丸>の
第17代船長、国枝佳明さんです。

今回は、1月10日に船上で行われた出港式の模様を交えながら
インタビューをお届けします。


お名前:国枝佳明さん
ご出身地:新潟県
神戸商船大(現神戸大学)ご卒業
船乗り歴27年 子供のころはサッカー少年!

Kaiwo Capt. Kunieda.jpg


<海王丸>要目

建造:1989年
総トン数:2,556トン
全長:110.09メートル
幅:13.80メートル
定員:199名
船舶所有者:(財)船員教育振興協会
運航者:独立行政法人 航海訓練所

Kaiwo 1.jpg
「船の科学館」横 航海訓練所専用桟橋にて
出航準備中の<海王丸>


以下、国枝佳明さん:〔Capt.K〕
Salty Friends:〔SF〕


SF:どうして船乗りになろうと思われたのですか?

Capt.K:船でいろんな外国に行けると思ったから(笑)。
    直接のきっかけは小学6年生のとき、初代<日本丸>で
    橋本キャプテン(SF通信2007年2月号)がアメリカ建国
    200年記念の帆船パレードに参加されたのをテレビで観た
    ことでしょうか。
    「あんな帆船に乗りたい!」と憧れてました。


SF:もしも船乗りになっていなかったら?

Capt.K:お寺の親戚がいて、跡取りを捜してましたから・・・
    お坊さんかな!?


SF:船以外のご趣味をお持ちでしたら教えて下さい。

Capt.K:子供のころからやっていたので、今でもサッカーが好き
    ですね。忙しいのであまり顔を出せませんが、息子が所
    属するサッカーチームのコーチをやってます。

    あとはお酒を飲みながら、いろんな人と話をすること。
    噺家をはじめ、多種多様な職業の人が出入りする行きつ
    けのお店があるんです。世界が広がって楽しいですよ。

comedor de oficina Kaiwo.jpg cocina de Kaiwo.jpg
右:<海王丸>のギャレー 200人弱の食事を賄うために、航海中は
ほぼ一日中稼働しています
左:整然とした士官食堂
 
    
SF:今まで経験なさった航海の中で、とくに印象的なエピソー
   ドなどありましたら。
   
Capt.K:<日本丸>で三等航海士をやっていた時、シドニー航海
    で、オーストラリア建国200年記念祭に参加する機会が
    ありました。
    シドニーのハーバーブリッジをくぐる時、フォアマスト
    (直立する最前列のマスト)に2メートルくらいのポー
    ルを立てたんです。つまりそれが倒れたら、後ろのマス
    トにも接触する可能性があるということで、そうなった
    ら急遽アスターン(後進)をかけるべし、と。
    
    で、船長にカメラを持ってミズン(後ろから2番目のマ
    スト)に登れ、と言われて上ったのはいいんですが、現
    地のパイロット(水先人)は様子を見ながらゆっくり・
    ・・どころか、橋に向ってガンガン前進! 
    ぶつかったらどうしよう、と橋げたが迫ってくるのをド
    キドキしながら見てました。
    
    幸いポールにはかすりもせず、無事通過しましたが、
    あの時は緊張しましたねぇ。

campana de Kaiwo.jpg
<海王丸>にはシップベルがふたつあります。
さて、どうしてでしょう?

    
SF:では次に<海王丸>について伺います。
   <海王丸>のここが自慢!というポイントは何でしょう?
   
   
Capt.K:やはり帆走性能ですね。<海王丸>には「フェザリング」
    (海面下にある可変ピッチプロペラの迎え角を、帆走時
    水流に平行とすることによって抵抗を少なくする)機能
    があり、セイル面積では大差ない<日本丸>と比べても
    圧倒的に速いです。
    

SF:船長というお仕事には、大変な重圧が付きものとお察しい
   たしますが、このお仕事の難しさ、楽しさについて教えて
   下さい。

Capt.K:船長として第一に考えることは、「船と人の安全」。ま
    さしく責任は重大です。
    ただ、よく「船長は孤独」と言われますが、私はそうで
    もないと思ってますよ。私自身、乗組員や実習生と話を
    するのが大好きですし、またそういう雰囲気は大事にし
    たいと思っています。
    
    楽しみといえば、もうなんといっても帆走航海ですね!
    ハワイまでどんな風にセイリングさせようか、想像する
    だけで今からワクワクしています♪

Kaiwo nocturno.jpg
夜、ライトアップする美しい<海王丸>


SF:楽しみですね!また新たな記録が生まれるかも***
   ところで<海王丸>は<あこがれ>同様、一般の人も乗る
   ことのできる練習帆船ですが、それでは次にトレイニーに
   ついて伺います。
   船乗り歴27年の国枝船長でいらっしゃいますが、最近の
   実習生は、昔と比べて何か違いがありますか?

Capt.K:最近の実習生たちは、以前とくらべて人との関わりが
    少なくなっているような気がします。
    我々が子供のころにはなかった携帯電話や、TVゲーム
    などが普及し、人間関係が希薄になっているのかもしれ
    ません。
    
    一般社会人トレイニーの方と一緒に航海することに関し
    ては、年齢的なことなど、多少かみ合わない部分もあっ
    たりしますが、お互いにいい刺激になっているんじゃ
    ないでしょうか。
    一緒に航海した一般の方から、実習生を褒めていただく
    こともありますが、嬉しいもんです。

Kaiwo ceremonia.jpg
2009年1月10日、遠洋航海出航式でスピーチ中の国枝船長

    
SF:とくに欧米諸国と比べて「帆船教育」=セイルトレーニン
   グが普及しているとは言えない我が国ですが。
   
Capt.K:帆船だからこそ、できることも多い。私たちが何もしな
    くても、船が、自然が人を鍛えてくれます。
    特に船乗りを育てるために、帆船は絶対に必要だと
    私自身は確信しています(キッパリ)。

zarpando Kaiwo, Capt. Kunieda.jpg
式典後、いよいよハワイに向けて出港!トランシーバを手に、
岸壁をはなれる<海王丸>を指揮する国枝船長

    
SF:最後にSalty Friendsに一言メッセージをお願いします。

Capt.K:ぜひ<海王丸>に乗りにいらして下さい!
    「SFのメルマガ読者です」とおっしゃっていただくと
    何かいいことがあるかもしれませんよ♪
    
   
昨年10月に就任された国枝さんは、とてもフレンドリーなキャ
プテン。出航準備でお忙しいなか、わざわざ「よろず」のために
お時間を割いて下さいました。
遠洋航海のご成功、ご安航を心よりお祈りいたします!「UW」

Kaiwo Gokigenyoooo!!.jpg
これを見たさに、全国から沢山のギャラリーが集まりました。
登檣礼(とうしょうれい)でみなさんにご挨拶。
「ごーきげんよぅぅー!」


(インタビュー:Qたろー)
posted by SaltyFriends通信 at 09:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私でも海王に乗れますか、今度の乗船は何時頃ですか一度乗ってみたいです、予定を教えて下さい。
Posted by ギューです at 2009年02月04日 00:42
ギューさん、コメントを有り難うございます!
<海王丸>の、2009年の体験航海予定はまだアップされていません。先日「航訓」の方に伺ったところによりますと、現在スケジュールの最終調整段階、とのこと。おそらく今月中旬にはアップされ、申し込みの受付も始まると思います。

SF通信でもお知らせしますが、よろしかったら財団法人海技教育財団のHPもチェックなさってみて下さい↓

*申し込みもこちらが受付窓口になります*

http://www.macf.jp/kaiwomaru/embark.html
Posted by Qたろー at 2009年02月11日 20:42
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