2008年12月10日

■□よろず帆船人突撃インタビュー 〔28〕<サンタ・エウラリア>一等航海士 フランシスコ・ホセ・ブラーボ・フレイレさん■□  

今月の「よろず帆船人」は、スペインの「バルセロナ海洋博物館」
が所有する保存船、3本マストのスクーナー<サンタ・エウラリア>
の一等航海士、フランシスコさんです。

<エウラリア>の建造は1918年。つまり御年80歳。
水先案内船などの様々な職歴を経たのち、1997年に現在の博物館
所有の保存船となりました。保存船とはいっても<エウラリア>
はちゃんと帆走もし、博物館の「看板船」?として様々なイベント
にも参加しています。昨年の地中海帆船レース「Med2007」でも、
ちゃんとイタリアまでセイリング。頑張ってます!

フランシスコさんは、この<サンタ・エウラリア>の一等航海士、
副長として、船のメンテナンスや一般公開(乗船して見学するには
博物館の入場券が必要)のガイドをしていらっしゃいます。

Cisco.jpg Sta Eularia.jpg
左 学生のような雰囲気?のフランシスコさん
右 係留展示中の<エウラリア>。博物館のチケットを見せると
  「どうぞ」と乗船させてくれます。


お名前:フランシスコ・ホセ・ブラボ・フェレイラさん
ご出身地:スペイン バルセロナ
ご年齢:31歳


以下、
フランシスコさん:〔FB〕敬称略
Salty Friends:〔SF〕


SF:子供の頃の夢は何でしたか?

FB:変に思われるかもしれないけど、子供の頃はあまり夢らし
   い夢って持ってなかったんです。海や山で、自由にのび
   のび、ずっと好きなことばかりしてたからかな?


SF:どうして船乗りになろうと思われたんですか?

FB:C.O.Uを終える頃(日本の高校3年にあたる)今まで
   勉強してきた課程を振り返ってみたんです。自分がやりた
   くないことは・・・って考えた時に、オフィスワークは嫌
   だなぁって。
   で、「好きなこと、やりたいこと」として残ったのが、
今の仕事。小さい頃からずっと海に関わってきたことも
あったしね。
   
proa de Eularia.jpg Eularia foque.jpg
左 <エウラリア>船首部分。アンカーに時代を感じます。
右 帆船レースのためにヘッドスルを点検するクルー
   

<サンタ・エウラリア>での仕事について

   
SF:一番大変な、もしくは辛い仕事は?

FB:そりゃあもう、港に係留していて航海に出られない時が一番
大変ですよ。こういう古い船を仕事場とするのは楽しいけど、
   メンテだけでなく色んなお客さんが出入りするので、係留中は
   気が抜けません。
      
SF:では一番楽しい仕事は?
   
FB:一番楽しい仕事ですか・・・。沢山あるなぁ。一番はもちろん
   こういう歴史的な帆船で働けることそのもの。
   <エウラリア>の時代の水先案内船は、もうこれしか残って
   いないんです。メンテの仕事も試行錯誤しながら、新しい
   ことも試したりしています。
   
   次に、今の仲間たちと働けること。ぼくは運良く、人間的にも
   職業的にもとても良い仲間に恵まれました。船の雰囲気が
   とってもいいんですよ。
   でもやっぱり、なんと言っても一番楽しい仕事は<エウラリア>
   で航海することですね!
   
jarcias Eularia.jpg
あまりピカピカ*になり過ぎないよう、時代考証もしながらの
メンテはけっこう大変。

   
SF:<エウラリア>の中で、お気に入りの場所はありますか?
   
FB:マストの上。一人で上って、街のすばらしい景色を眺める
   のが好きです。
   
SF:今までの航海経験のなかで、特に印象に残っていることは
   ありますか?

FB:一番強烈だったのは、遭難者を拾い上げたこと。レオン湾で
   遭難したディンギーの男性でした。
   フランスの沿岸パトロールが何度か上空を飛ぼうとしたん
   だけど、天候が悪くて断念。われわれに救助に向かってくれ
   ないかと、無線で連絡してきたんですよ。

   前の晩、大きな波がぶち当たったショックで、彼の2メー
   トルのディンギーは転覆。10分で沈んだそうです。海上
   で出会った時には、すでに17時間も漂流していたらしい。

   ジブラルタルから来たイギリス人で、とても物静かな男性
   でしたね。たぶん、起きたことに対するショックもあった
   と思うけど・・・。沈んでしまった自分の船のことを思い出
   しては泣いてたなぁ。
   
camara de Eularia.jpg
<エウラリア>のキャビンとボンク(寝台)。係留展示中、航海
中とも、クルーはここで寝起きします。


SF:帆船を使ったセイルトレーニングについて、お考えがあり
   ましたら、お聞かせ下さい。

FB:帆船での航海は、いろんなことを教えてくれます。
   急がずに我慢すること。細かすぎる予定をたてずに、変更
   があった時にもフレキシブルになること。あるがままを受
   け入れ、冷静になり、そして自分を信じること。
   
   これらは毎日の生活にも応用できますよね?つまりセイル
   トレーニングは、人を鍛える一つの方法でもある、と言え
   るのではないでしょうか。
   
SF:最後にSalty Friendsに一言メッセージをお願いします。

MS:どうか今の帆船に対する情熱を失わないでいて下さい!
   いかなる時も海に敬意を払い、なおかつ決して恐れずに。
   
   
      **どうも有り難うございました!!**
   
estatua de Colon.jpg
海洋博物館と<エウラリア>の間に位置するコロンブスの像。
指さしているのは、はるか南米大陸。

   
船は古くなっても、水の上で動かせる状態で保存、つまり「動態
保存」が理想である、というイギリスの海事専門家のレポートを
読んだことがありますが、まさにそれを地でいく<サンタ・エウ
ラリア>。
船の保存においては後進国である日本から見ると、まったく羨ま
しい限りです。

フランシスコさんとは、昨年の地中海帆船レースの時に知り合い、
以降、連絡を取り合っていますが、今回の<明治丸>の修復工事
開始の報告を、とても喜んでくれました。
皆さんもバルセロナに行かれる際は、ぜひポルト・ベル港に係留
展示されている<エウラリア>を訪問してみて下さいね!

(インタビュー&翻訳:Qたろー)
posted by SaltyFriends通信 at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。