2008年09月10日

■□ <リベルタ>艦内見学会レポート(前編) □■

エクアドルの<グァヤス>に続き先月、アルゼンチン海軍の練習
帆船<LIBERTAD (リベルタ)>が世界一周の訓練航海で横浜に
寄港しました。日本への寄港は国際帆船レース「SAIL OSAKA
‘97」以来、11年振り。

一般公開された2日目の8月10日、SFではメルマガにて事前公募
の特別見学会を実施。予定時間を大幅にオーバーして、じっくり
見学させていただきました!

なかでもハイライトとなった艦長公室では、これまでの同艦受賞
歴9回という驚異的な記録を誇る有名トロフィーが皆の眼前にお
目見え!!そして船足の「速い」船としても有名な<リベルタ>
が、半世紀以上破られていないビックリな世界記録とは??

今回惜しくも抽選に外れてしまった方、そして公開日に足を運べ
なかった方にも、紙面の関係上かいつまんでの報告にはなります
が、少しでも当日の雰囲気をお伝えできればと思います。

このレポートは前編をカズー、後編をQたろーが担当します。

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当日は事前に複数のメディアで取り上げられたこともあってか、
開門時間前から数百人もの行列が出来る程で、甲板には好奇心
で一杯の顔、顔、顔。
何を隠そう、一般公開では立ち入り出来ない艦内ツアーがウリ
(&通訳付)のこの見学会とあって、まずは羨む一般のお客さん達
の視線を避けるように一階層下の艦内へ。冷房の効いた士官食堂
から、ツアーはスタートしました。

Libertad_moored.jpg Libertad_officersmess.jpg
横浜港新港埠頭5号岸壁に停泊中の<リベルタ>
写真右が士官食堂

Libertad_jose.jpg
艦内の案内役を務めてくれたのは、海軍の職務は弁護士で、
今航海では総務・広報担当の「ホセ」さん(中央)。

士官食堂を出て艦尾へ進むと、同船の模型や歴史を刻んだ備品を
飾った空間が。就役45年目にして現役、ちょっとした動く博物館の
中にいるような雰囲気です。

Libertad_hallway.jpg Libertad_shipmodel.jpg
模型の左奥が艦長室、正面奥のフレンチドアの向こうに艦長公室
があります。

Libertad_flag.jpg
右奥、扉の手前にある木製の飾り箱がこれ。蓋を開けると、中には
進水記念に贈られたという記念旗が納められていました!

Libertad_chronometer1.jpg Libertad_chronometer2.jpg
左奥、照明下の四角い木箱の中は、先代の練習艦で活躍したクロ
ノメーター。正確な時を刻む精密時計は、正確な船位置を割り出
すのになくてはならない航海機器です。

Libertad_captquarter3.jpg Libertad_captquarter.jpg
そして最艦尾。みなさんお待ちかね、ズッシリ黒光りした扉の奥
は…艦長公室。広い!です。

Libertad_captquarter2.jpg Libertad_chair.jpg
写真では分かりにくいですが、床面の傾斜もかなりあります。

そこで右の写真。床と椅子に空いている穴のようなもの、一体何
だかわかりますか?なんとこれ、船の揺れが激しい時の滑り止め
に使う、固定用の穴!
床の穴に真鍮棒をねじ込み、イスの穴にその棒を通して使うのだ
そうです。これで船が傾くたびに踏ん張る必要もなく、要らない
時は棒を外しておけばOK。これも船上生活の知恵ですね〜。
皆で感心&納得! 

Libertad_captainsplate.jpg Libertad_tabletop.jpg
また、その椅子とセットのテーブル上には、今回の来日を記念し
て交換/贈られた海上自衛艦や横浜港のプレートなどが飾られ
ていました。
写真左は歴代艦長(艦長の任期は1年)がサインしたシルバー
プレート。

ホセさんの話では、毎回海外へ訓練に出る前、訪れた国を再訪す
る時は必ずその土地で以前頂いた品々を積んでくるのだそうです。
前回日本に来日した際にいただいたという日本人形も積んできた
かったそうですが、壊れるのが心配で諦めたそう。これも訪問を
受け入れる側にとっては、とても嬉しい配慮ですよね。

Libertad_bostonteapot.jpg
そしてこの見事に輝く銀ポット、もう察しがつきましたか?
これこそまさに1966年、カナダのレース岬から英国海峡まで
の太平洋横断航海で受賞した「ボストン・ティーポット・トロ
フィー」です。124時間の間で最も長い距離を帆走した訓練
帆船に毎年贈られる国際的な賞で、<リベルタ>はこれまで
に9回も受賞しています。

さらに驚かされるのは、この1966年の大西洋横断航海で
2058.6マイルを8日と12時間で帆走横断達成(平均にし
て約10.1ノットで大西洋横断!)、以来42年間この記録は
未だ破られていないそうです。

これでいかに”速い”船かを理解(そのヒミツは?…やはり人力
・チームワークなのだそう!)したところで、カップをバックに
ホセさん囲んでパシャッと1枚、記念撮影。

ここで船内ツアー、次の舞台は再び一層上がったウェザー
(メイン)デッキへと移ります。

最後に、見学会に参加された方々よりいただいた感想をご紹介
したいと思います。


〜〜〜〜〜


 入り口には暑さにも負けず数百人の見学者が並んでいた。
子供連れも多く、タラップの傍には10台くらい乳母車が並んで
いたのには驚いた。将来は帆船ファンになるかも。
 最初下士官のメスルームに案内されたあと、案内の士官が言っ
た言葉「mas interesante(もっと面白い)」だけ聞き取れた。
多分もっと立派な部屋へ案内してくれるんだろうと思ったら、予
想通り上級士官のメスルームや船長公室などだった。僕のような
下層民には、立派な船長公室より下級乗組員の部屋などの方が興
味があるんだけれど、そういうところは見せてくれなくて残念。
 とにかくきれいに磨いてあるので、いつか”あこがれ”を磨き
に行こうかと思っている。でも<エスメラルダ>の時もこんなこ
とを書いたかも。そして1年間実行していないんだからいつのこ
とやら。
(ゆうりん)


〜〜〜〜〜


リベルタ見学会お疲れさまでした。

駅から歩いてゆくとマストが見えるだけで「やっぱり帆船ってい
いな〜」と感慨。

一般では見れない士官室など見れて、今回の見学会に参加出来て
本当に良かったです。ありがとうございました。
(M.A.)


〜〜〜〜〜


 全体に見ると、さすがに美しい帆船ですね。見物のお客さんで
混雑していなければ、甲板上の構造物などの外形がもっとよく把
握できたと思われ、少し残念です。(丁度ボトルシップで、3本
マストのシップ型帆船を作っていたものですから、今後リベルタ
でもトライする時の参考にしたかったのですよ)

 新たな発見では、船首部分(バウスプリット近辺)の所で手摺
りが無くオープンで、ブルワーク的なものも見られず、自分が勝
手に作った帆船のその部分がたまたま類似しており、こんなので
も良かったのだと感じ大変参考になりました。(まだ駆け出しで
すから)

 普段は見られない船内は、クルーの方の熱心な説明と "Q".
Tさんの通訳のお陰でよく分りました。

 艦長公室などやたらの見ることの出来なかった所でしょうね、
出来れば一般のクルーの方の船室なども見たかったと思いました。
是非ともまた見学できるチャンスがあればと思っています。
(H.O)


〜〜〜〜〜


 <リベルタ>の見学に参加させていただき、ありがとうございま
した。
 メールで、手際のことをおっしゃっておられましたが、とんで
もない。あんなところまで見せていただけるとは、とても思えま
せんでした。楽しい時間を過ごさせていただきました。

 練習帆船で質実剛健ばかりかと思いきや、内装はやはり海外使
節としての意味もあり、豪華ですね。おそらく普通の見学ではと
ても見ることができない最艦尾の艦長公室が、特に印象に残って
います。この豪華な船が、ボストン・ティーカップを獲得する快
速で突っ走るというのは、想像できませんでしたね。

 艦長私室にあった標語(?)「Nobody's perfect.../...except the/
CAPTAIN」には笑いました。やはり艦長はいつの時代でも
神様です。

Litertad_nobodysperfect.jpg
(↑コチラのことですね!)

 Qたろーさんがめざとく発見された応接セットの足の固定用穴、
これも覚えています。荒天下でもどっしりと動かない椅子とテー
ブルで、落ち着き払って会食する情景を楽しく妄想させていた
だきました。

 歴史好きな私ですが、アルゼンチン海軍というと、日露戦争
の昔、開戦直前に装甲巡洋艦を二隻譲ってもらったという記憶
しかありませんでした。南極までも版図に納めようというかの国
のこと、海軍はきちんと伝統を持っているのですね。
認識を改めないといけないな。これからはすこし勉強させていた
だこうと思います。

 この艦には、アルゼンチン共和国海軍のエリートが乗り組むと
聞き、わが国でも船乗りを育てるには練習帆船の一隻二隻、民間
だけでなく海上自衛隊が持っていてもいいと思うのですが、わが
国の国情ではそうもいかないようです。ちょっと残念。

 遠方におりますので、なかなかこんな帆船を見る機会もありま
せん。貴重な時間を割いていただき、このような見学をさせてい
ただいたことを、改めて企画されたSalty-Friendのみなさま、
大使館の方々、そしてなにより「リベルタ」のみなさまに、改め
てお礼申し上げます。ありがとうございました。
(てつたろ)


〜〜〜〜〜


帆船は、海や自然の真の姿を知り、これに対する対処方法を身に
付け、また、集団生活や組織におけるチームワークやリーダシッ
プを身に付けることができる、最高の教育設備だと信じてます。
各国において、こうした帆船実習が行われているのは、非常に頼
もしい限りです。

今回の<リベルタ>は、世界一周航海の途上とのこと・・・、非常
にうらやましく感じると同時に、ハードな航海をこなしている乗組
員や実習生達に敬意を表します。

まず、乗船して、<日本丸>、<海王丸>と同様に、とにかく、
19世紀の船乗りになったがごとく、帆船の息吹を感じました。
帆走艤装やリギングの各所に伝統的な手法が踏襲されていること
が分かりました。しかし、ロープは合繊繊維が使われているため、
これはどのようなものを使っているかなどは、じっくりと触れさ
せて頂きました。ビレイピン、シュラウド、ターンバックル等も、
<日本丸>や<海王丸>と同じ部分、異なる部分等・・・、色々と
興味深いものでした。

また、各所に木や真ちゅうの部材が各所に使われていて、これら
も綺麗に整備されていて、船の歴史と、伝統を大事にしているこ
とを感じました。同時に、乗組員や実習生達の、ただならぬ労苦
と、船を愛する気持ちを知ることができました。

各所で案内に当たってくれていた、乗組員や実習生達は、皆、清
潔な制服と身だしなみで、きびきびとした動作でした。また、各
所で素敵な笑顔を見せていてくれました。これも、この船での教
育が素晴らしいことと、皆が自分の船とその職務について、誇り
をもってるからだと感じました。

そして、今回は特別に見せて頂いた、船の内部、これも、木を多
く使った素晴らしい内装が成されていました。また、さらに大航
海時代の船乗りになった気分となりました。欲を言えば、実習生
達の部屋を見てみたっかたと思います。そして、再び甲板に戻っ
たら、見学者で溢れかえっていました。やはり、横浜の方々は船
好きが多いのでしょうか。

最後に、船尾で帆走中にしようすると思われる舵輪を見ました
が、これが電動のものでした。<日本丸>、<海王丸>のよう
な、人力操舵は行われないのでしょうか?

とにかく、<リベルタ>の各所を見させて頂き、帆船は世界中で
共通点が多いことが再確認できました。また、この船が世界一周
の訓練航海を続けていること、そして僅かな間ですが、乗組員や
実習生達に触れさせて頂き、やはり最高の教育設備であることを
感じました。また、どこかの港で、出会えることを楽しみにして
います。
(H.C.)


〜〜〜〜〜


Qたろー様の通訳の御蔭で、とても楽しい時間を過ごさせて頂き
ました。

私にとって、「ボストン・ティーカップトロフィー」の輝きと、
アミーゴ「ホセ」様の笑顔が、<リベルタ>の記憶そのものとな
りました。

<リベルタ>艦内は隅々まで磨かれており、クルーの愛情とプライ
ドを感じました。

いろいろな船の見学機会がありましたが、帆船のクルーはサイ
コーです。機会があれば是非、リベルタと再開してみたいです。
(M.N.)

〜〜〜〜〜

見学会に参加のみなさん、ありがとうございました!
次回「後編」では、見学会の中では出なかった話題や写真も含め、
Qたろーがレポートします。お楽しみに!!

(カズー)
posted by SaltyFriends通信 at 09:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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