2008年08月10日

■■ よろず帆船人突撃インタビュー [25] 海洋画家 勢古宗昭さん ■■

今回の「よろず帆船人」は、当会のHPでもよく個展のご紹介を
させていただく海洋画家、勢古宗昭さんのご登場です!

皆様、先月東京都渋谷区の東急百貨店で開催された個展は、ご覧に
なりましたか?
今回の「よろず」は、こちらの東急百貨店の個展会場で、
お忙しい中を縫ってお話しを伺いました。

勢古さん個展1.jpg
渋谷東急百貨店の個展会場にて


お名前:勢古宗昭さん
ご出身地:奈良県
明治大学政経学部ご卒業

海運会社でタンカーの機関員として勤務後、1973年より海洋画家
として独立。海洋画家、鈴木正輝氏に師事。記念艦<三笠>、
全国主要都市にて個展多数。

以下、
勢古さん:「MS」(敬称略)
Salty Friends:「SF」


SF:船に興味を持たれたのは、いつ頃だったのでしょうか?

MS:父が海軍で教官をしていたので、子供のころから海は身近
   な存在でしたね。
   父の仕事の関係で大分に住んでいたときは、よく広瀬神社で
   遊んでましたよ。

   小学生の頃、好きだった戦艦<榛名(はるな)>の油絵を模
   写しはじめ、しばらく軍艦ばかり描いていましたが、本当に
   絵に目覚めたのは、大学に入ってダリやダ・ヴィンチの展覧
   会をを観てから。
   じつはその頃、海洋小説家になろうと小説も書いていました。

SF:その頃タンカーに乗っていらしたんですか?

MS:そうそう。やっぱり小説を書くには、実際に体験しないと
   いけないと思ってね。いきなり海運会社の事務所に行って
   「船員になりたいんですけど」って(笑)。
   すぐ採用され、内航タンカーの機関部員として半年間、日本
   中の海をまわっていました。いま私が描く海は、その時に観
   察し記憶した海です。日本海と太平洋、時間や天候、さらに
   深度などによって、海にはじつに様々な表情があります。
   
SF:師匠にあたられる鈴木正輝さんとの出会いを教えて下さい。

MS:船を下りてしばらくしてから、雑誌「世界の艦船」を発行し
   ている(株)海人社に就職したんですが、そこで触れた洋書
   の海洋画に、ものすごいインスピレーションを受けたんです。
   こんな世界もあるんだーっ!てね。
   そうこうするうちに「アン」という画廊の社長と出会って
   鈴木正輝先生や梶田達二さんを紹介されたという訳です。
   
   鈴木先生は、他の人だったら出し惜しみするようなご自分の
   テクニックを、惜しげもなく伝授して下さる方。梶田さん
   共々、鈴木先生には本当にお世話になりました。
   
SF:作品によって差はあると思いますが、一枚仕上げるのに
   どれくらいの時間、日数がかかるのでしょう?
   
MS:早いもので10日、あとは1か月から3か月くらいかな?
   少し前に注文を受けて描いたトラファルガー海戦の150号
   (1号=ハガキ1枚のサイズ)は、やっぱり半年くらいかか
   りましたね。
   でも意外と、小さい作品ほど時間がかかるんですよ。
   
SF:今まで描かれた作品の中で、とくに思い入れがあるものは
   ありますか?
   
MS:やっぱり初めて売れた作品ですね!<日本丸二世>を描いた
   12号。あとは目黒の海上自衛隊幹部学校に寄贈した<咸臨
   丸>、初めてチリ海軍に寄贈した<エスメラルダ>も思い出
   深いですね。
   絵を寄贈するのって、簡単なようで実は手続きがいろいろ
   大変なんですよ。とくに相手がお役所だとなおさらね(笑)。

勢古さん Esmeralda.jpg
チリ海軍<エスメラルダ>に寄贈された勢古さんの作品。

   
SF:海洋画、とくに帆船の絵を描かれる上で、ご苦労なさること
   はありますか?

MS:とくに歴史的な船の場合、細部が不明なことが多く、資料集
   めに時間がかかることが多いですね。
   あと気を使うのは構図と色。船と海、というとどうしても
   白と青といったパターンが多くなります。最近は、海の色や
   表情をもっと豊かに表現したいと研鑽を重ねています。
   
   それから私が描くのは「船の絵」ではなく、「絵としての
   船」だということ。あまり細部にこだわり過ぎて「木を
   見て森を見ず」にならないよう、気をつけています。
   
SF:海外も含めて、お好きな画家はいらっしゃいますか?

MS:好きな画家はたくさんいますが、中でも一番はやっぱり
   J・M・W・ターナー(18世紀末のイギリスの画家)
   ですね!彼は「究極」だと思っています。

勢古さん個展1.jpg
ターナーに優るとも劣らず!***

   
SF:最後にSalty Friendsに一言メッセージをお願いします。

MS:(以下寄稿文)
   近年、ソルティ・フレンズは、メルマガの豊富な帆船、イベ
   ントの情報量によって、帆船ファンや関係者の間に大きな信
   頼を得つつあるように思います。スタッフの皆さんの情報を
   求める行動力もスゴイ!脱帽ものです。私も大いに注目し
   時には活用させてもらっています。
   
   そこで一つ提案というのもナニですが、日本各地にあって、
   地元の人たちがそれぞれ相当に力を入れて整備されている
   海洋博物館や資料館(北前船だけでも相当の数があるようで
   す)を、連載という形で紹介されてはいかがでしょう?
   これら生きた海の貴重な資料を、宝のモチグサレにするのは
   あまりにも勿体ない気がするのです。
   
   とにかく、海関係がなべて“ジリ貧”化状態になりつつある
   昨今、海のかなたの水平線も忘れはて、小さくまとまりつつ
   ある我が国人に活を入れるためにも、ソルティ・フレンズの
   永続的発展に、大きな期待をしたいと思います。
   
   
有難いお言葉、貴重な御提案、どうも有難うございました!
日本全国の海洋博物館の紹介、そのうちゼヒやりたいですね。
これからも、私たちに素敵な絵を見せて下さい!

(インタビュー:Qたろー)
posted by SaltyFriends通信 at 20:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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