2008年07月10日

■□■ <あこがれ>小笠原航海日誌 ■□■

<あこがれ>最長コースである、「13泊14日 小笠原航海」に行ってきました。
想像していたより、ゆったり。でもやっぱし過酷、そして色々と勉強になる14日間。
人間臭く、塩臭く、まったり帆船の時間を楽しんできました。

「マヌケは溺れろ、マヌケでなければ溺れない」
アーサー・ランサムの小説の中の一節。
お父さんが子供達に宛てた電報の中で出てきた言葉のように記憶しています。

そして、僕が帆船に乗る前に自分に問う言葉。
小笠原航海の数日前から少し緊張していました。
長期間のトレーニングの間、自分がマヌケにならないだろうか?
マヌケなせいで溺れてしまわないだろうか?

トレーニングが始まって、そんな心配を忘れるほど楽しんでしまう自分ですが、
いくつかマヌケなことをやらかしたので、そのあたりを掻い摘んで。。。



ある雨の日。デッキでの作業も終わり。
濡れないために暑苦しいオイルスキンを身にまとっての作業でした。
船内に入る前に少し水気を飛ばしておこうと、出入り口のところでジャンプ。
ゴツンとドアの上に頭ぶつけて、イラッとしながら船内へ。
誰も見てなきゃいいのに、こういうマヌケを見て、大丈夫?って声を掛けてくれる仲間。
いや、恥ずかしいだけですから。見なかったことにしてください。



どこの島の近くだったか。。。
海図ではだいぶ近づいておりもうすぐ島発見のはず。
ただ、まだ島影は見えず、360度が海の状態。
島影が見えたらランド・ホーって叫びたいと思って、島を探していた。
そんな時にマスト上での作業が発生。
畳んだセイルをロープで縛って固定する作業。
しかもトップボード上のちょっとゆとりを持ってできる作業だ。
よし!これはランド・ホーのチャンスとばかり、喜んで作業者に立候補。
もう一人の相棒と一緒にマストの上へ。
ところが、普段は簡単な作業のはずなのに、なぜかこういう時に限って手間取る。
なかなか、きちんと収まらないセイルにイライラしていたら、デッキから
「ランド・ホー!!」
あ、やってもた。夢中でセイルしか見てなかったやん。
すっごい、マヌケ。



最終日にトレーニーズ・デーがあった。
なんと船長役を任された!
いや、いや、いや、楽しいなぁ。
もっかい小笠原行ってもいいし!なんて気軽な頭の船長。

ところが、実際にはすっごい混雑した湾内の操船。
あちこちから次々と船が来て、のんびりするヒマがない。
あの日、船長の責任の重さってのを少し分かった気がする。

朝にコースを決める。
一応頭を使い、この航路部分は避けようと。
正しい判断だったはず。
ところが、その先にはたくさんの漁船が操業中。ここも避けるべきだった。
もしくは、コースを決めたタイミングで想定しておくべきだった。

そろそろ変針点。
変針後にはセイル作業が待っているので、デッキに待機してもらっていた。
のどかに日も差し、さてそろそろコースを変えようとしていたら、追い越し船が。
まあ、しばらく待つか。ところが待っている間に雨が降り始める。
デッキから不満が聞こえてくる。申し訳ないけど濡れててね。
特にデッキ上に指示も出せず、変針後、やっとこさ作業開始。

いや、正直トレーニーズ・デーのマヌケは半端なかった。
小笠原から帰ってきて、大阪湾で沈んでいてもおかしくない。
あはは、笑えない。

まあ、終わりよければ全てよし。
また船長することがあったら、もう少しマヌケではないはずだ。



今回の航海は平均年齢が高い航海だった。
僕の父より年配の人がほとんど。
同じワッチの人と話していても息子さんより僕のほうが若い。
まあ、さすがに孫と同い年ってことは無かったが。

0811-01.jpg
荒れた海

航海最初の数日。
梅雨前線を横切っていたためか、海は荒れていた。
船の中では、ジイサンどもがダウン。
そんな中、僕はスジ通すところはキチンと通せと酔っている人に要求した。
具体的には、、、ハッピーアワー中に寝込んでいるジイサンを
ホウキで叩いて起し、「どないなっとんじゃ!」って怒鳴りつけた。

ちなみに、僕は船酔いをしない。
多少気持ち悪いかなぁって思わなくもないけどどうってことは無い。
船酔いで吐くってのが理解できない。
気持ち悪いからってナゼ寝たら直るって思うのだ?

ちなみに、こんなことをしていて小笠原に着くまでは散々な気分だった。
一番のマヌケ!はこれ。
「小笠原ついたら、荷物まとめて、おがさわら丸で帰ろう!」
って思っていた。
で、小笠原入る2日前から徐々に海が落ち着いた。みんな働いていた。
少し気分が紛れた。
小笠原の海で泳いで、その日の夜にワッチの仲間と一緒に酒飲んでいて、もう一度
一緒に航海したいって思った。
皆、同じ穴のムジナって思えた。
残りの航海でワッチとして機能していかなきゃならんな、と思って。

帰りの航海、一番まとまっていたと思うんだ。僕らのワッチ。

◆◆

さて、マヌケエピソードはこれぐらいにしておきます。
この航海での感動した出来事をいくつか。。。

0811-02.jpg
夕日を見ながら



船は24時間走り続けている。
夜中でも誰かが操船しているわけだ。
で、その当番がまわってくる。
例えば、0時から4時とかの作業。
あんまりいい気持ちのする時間じゃない。草木も眠る丑三つ時?とかって。
でもね、実はすっごい帆船を楽しめる時間でもある。
作業はワッチ単位で行うのだが、メンバーが多くいたので、一人はスペアとして
半分休憩のような時間を設けることとした。

スペア中。デッキ上で風があんまりあたらない場所でアグラ掻いて座っている。
月が雲間に見えたりする。
海がきれいだったりする。
星空が見えたりする。
風が気持ちいい。
天気は刻々と変わっている。ちょっと気圧下がってきたのかなぁ、、、なんて
明日の空模様を漠然と考えていたりする。
この時間が一瞬しかないってことを自然が教えてくれる。

・・・夜のワッチ。
やっぱり変な時間に起きて作業するのはシンドイ。
でも嫌いじゃないなぁ。



0811-03.jpg
港を見下ろす高台より

小笠原は自衛隊の基地がある島である。
海自の掃海艇の部隊が休暇で<あこがれ>の入港後しばらくして停泊しに来た。
<あこがれ>は小笠原に2泊した。その間、港ではお隣さんが自衛隊。

<あこがれ>は自衛隊より早く出港した。
小笠原のお見送りは熱烈なことで有名らしい。島の方々も多数港で手を振ってくれている。
そして、自衛隊の船のマストにもUW旗が。
自衛艦旗を思いっきり振り回してくれている船もいる。

<あこがれ>もUW1を揚げて応えた。
タツ船長が「帽振れ」ってアナウンス。
皆で帽振りながら、帰りの航海乗り切ろうって思った。

0811-04.jpg
UWが揚がっている



航海も終盤に近づくとトレーニに任されることが増えてくる。
例えばセイルの展帆、畳帆のオーダー。
一人が代表で次どのロープを操作するかを指示する役。
で、ワッチ単位で主担当するセイルを割り当てた。
僕達のワッチは、ガフトップスルという、少し難しいセイルを引き受けた。
ロープの数は5本。
展帆の時の作業は、前段階でセイルの上部をセット。
後段階でセイル下部をセットする。

で、これを覚える勉強会をワッチで開いた。
というか、毎日やっていた。超・勉強熱心。

的確にセイルの展帆を手順化し文書化していた。
一つのことのために、頭つき合わせて、一緒に勉強する。
すごく良い時間を過ごせた。

0811-06.jpg
自然の恵み、雨にあてないためにコースを変える



0811-07.jpg
湾内で船が増えた

下船式で、タツ船長のスピーチ。
「この船は皆さんにとってのマザーシップです。また何かあったときに
戻ってきて乗ってもらうための船です」
ってメッセージを。。。感動した。
僕のマザーシップは初めて乗った帆船。
初めてセイルトレーニングした<あこがれ>なんだ。
これからも、また機会を見つけて乗りに行きたい!

◆◆

帆船の上って色々あります。
人間臭くしか乗れません。
そして塩臭くなっていきます。

やっぱ、帆船はいいねぇ!!
(みっきー)


posted by SaltyFriends通信 at 01:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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